大塚耕平代表は15日午後、定例の記者会見を党本部で開き、党の憲法調査会設置を報告するとともに、記者の質問に答えた。

 党憲法調査会の設置が14日の常任幹事会で了承され、会長には中川正春衆院議員が就任する旨を報告。「民主党の憲法調査会時代からずっと関わっていて、この間の経緯もよくご存じなのでそういう観点からお願いした」と語った。中川会長のもとで検討している調査会の役員人事が決まり次第、第1回会合を開くという。検討テーマについては「民進党の憲法の考え方は民主党時代の流れを引き継いで一定の取りまとめが既に行われているので、そもそも今この局面で具体的な憲法改正が必要なのか、自民党や安倍総理が憲法改正を本当にやりたいと言った場合にどう対応していくのかといった議論から始まる」「民進党としても、憲法は時代に合わせて見直すべきところもあるという前提で来ているので、自民党が改正論を打ち出してきたとき、それに対応してしっかり議論する必要がある」などと語った。

 自民党が憲法改正本部で参院の合区解消に向けた条文案を検討していることについての民進党の考え方等を問われた大塚代表は、47都道府県の行政区の区割り・人口とも可変的なものであり、これらを前提として憲法に一定のルールを書き込むのは結局また難しい状況を生み出すことになりかねないとの見方を示し、「1票の格差の問題が非常に重要な検討課題であることは理解しているが、しかし憲法上の問題として解決するべきかどうかについては議論の余地が大いにある」と述べた。

 憲法9条改正に関連して安倍総理が「自衛隊を合憲化することが使命」とする一方、「憲法に書いても何も変わらない」「国民投票で否決されても変わらない」などと答弁していることに関連し、国民投票にかける意味を問われると、大塚代表は「結論から言うとあまりピンとこない」「われわれは憲法に書いてあろうとなかろうが自衛隊は合憲という立場。憲法に書き込むということは、安倍総理が今の自衛隊を違憲だと思っているケースか、さもなければ書き込むことによって変えたいと何かを変えたいと思っているケース以外にあり得ない。前者でないとすれば後者。何も変わらないと言うのであれば、書き込む合理性がなくなるので、そのために1千億円近い経費をかけて国民投票をするのは説得力に欠ける」と批判した。

 安倍総理が14日の衆院予算委員会で、働き方改革関連法案の柱の一つとして盛り込む予定の裁量労働制をめぐって、「平均的な人で比べれば、裁量労働制の適用者の方が一般労働者より労働時間が短いというデータもある」などとする趣旨の自身の答弁を撤回し謝罪した件については、「働き方改革のこれまでの政府・与党内での検討に相当重大な欠陥があるという状況証拠だ」と指摘。滅多なことでは謝罪・修正をしない安倍総理が謝罪したという事はよほど説明や資料に無理があったという事の証左だとする見方を示し、「こういうことが起きるときは氷山の一角だと思うので、厳しくこの働き方改革に対処していきたい」などと語った。