連合の政策要求実現2.26院内集会が26日昼、国会内で開かれ、連合フォーラム参加議員の決意表明として民進党から川合孝典参院議員があいさつに立った。

神津里季生連合会長

神津里季生連合会長

 連合を代表してあいさつに立った神津里季生会長は、「政府が進めようとしているいろいろな事柄は、向きが全然違うものを一緒くたにして決めてしまおうという、あまりにもひどい傾向にある」と述べた。その具体例として第1に生活扶助基準の見直しを挙げ、「理解できない。おかしい」「政治は苦しみの中にいる人たちをどうやって助けるのかということが本質。上の方だけが賃金が上がればいいというのはもってのほか。連合が(求める)春闘は暮らしの底上げだと徹底して言っている」として、困窮する国民の暮らしに目を向けない生活扶助基準の見直しを厳しく批判した。

 第2に裁量労働制のデータ改ざん問題を取り上げ、連合が長年指摘した通り、裁量労働制の運用実態がおかしいことの証左だとの見方を示すとともに、危険な裁量労働のさらなる拡大はあってはならないと断じた。同一労働同一賃金や長時間労働是正のための残業の上限規制は妥当ではあるが、「抱き合わせ販売」のような裁量労働制の拡大、高度プロフェッショナル制度はいらないと述べ、この2点を法案から削除するよう全力を挙げてほしいと要請。「過労死・過労死自殺ゼロの実現が先」だとも力を込めた。

相原康伸事務局長

相原康伸事務局長

 連合の最重点法案に関しては、相原康伸事務局長が、(1)2018年度予算(2)税制改正関連法案(3)働き方改革関連法案――の3点を挙げて連合の方針を説明した。

 (1)について相原事務局長は「生産性革命・人づくりに重点配分といったキャッチフレーズが踊っているが、内実は乏しい」と述べ、子ども・子育て支援1兆円超の予算について3千億円の財源のめどが立っていない点について「国民との約束を守ってほしい。保育士・介護士等の人材確保、処遇改善に光を当てるべきだが予算が盛り込まれていない」「生活保護について概ね5%の削減が示されているが、全世帯の7割、特に子どもいる世帯の4割で生活扶助基準が下げられるということにつながる大きな問題を含んでいる。私たちが求めるセーフティネットが張り巡らされた安心社会と大きく離れるものだ」と問題視した。

 (2)に関しては、「私たちが求める抜本改革に向けた足どりが示されていない」と述べ、とりわけ所得税について、給与所得控除が基礎控除に振り替えられる改正が盛り込まれているが、所得捕捉の現状がなおざりにされたままで見直しが進めば、事業者にとっての減税が進む一方で、給与所得者に負担がのしかかってくることに他ならないと指摘。私たちが求める、公平・納得・連帯の税制に近づけるべく、所得の再配分機能をはじめ腰を据えた対応が求められる」と問題提起した。

 (3)に関連しては、「長時間労働に歯止めをかける上限規制、さらには企業規模にかかわらず、どんな状況であっても適用されるべき中小企業の60時間超えの割増率の猶予が長年塩漬けされていたが、このままにするわけにはいかない。同一労働同一賃金を避けて通るわけにはいかない」と述べるとともに、高度プロフェッショナル制度、裁量労働制の適用範囲の拡大の実施の必要はない」と断じた。

川合孝典参院議員

川合孝典参院議員

 連合フォーラム参加議員の代表として決意表明した川合孝典参院議員は、参院予算委員会筆頭理事として、今週以降に始まるであろう参院の予算委員会に向けた決意と戦い方を披露した。働き方改革関連法案については「法案の前提となったデータに大きな虚偽があったということであれば、それだけでも法律は撤回しなければならない」と指摘し、参院でも引き続き追及し撤回を求めていく考えを語った。裁量労働・高度プロフェッショナル制度について、日本の労働市場にマッチするものなのかどうなのかについても議論を深めていく考えだとして、36協定を結んでいる事業所は全体の6割弱で、従業員代表に部長などの管理職が就いていたり、経営者側が指名するといった不適切なケースが4割を占めていることも指摘し、「労働者に対して働き方を改革しろと言う前に、まずは働かせ方自体を改革させなければならない」などと力を込め、連合の求めを受けて政策実現に全力をあげていく考えを表明した。

PDF「連合 政策要求実現2.26院内集会 配布資料」連合 政策要求実現2.26院内集会 配布資料

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逢見直人連合会長代行の音頭でガンバロウを3唱した

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