党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年2月27日(火)15時00分~15時27分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=25pN2M4n0rQ


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○「働き方改革」法案提出見送り等の申し入れに対する与党の回答について

【「無所属の会」代表】
 まず国会の状況ですが、皆さんご案内のとおりであります。先ほど(与党側から)新たな回答が野党6党の幹事長・書記局長宛てに寄せられたということですが、これを見ても前回とほとんど変わらないということです。
 (裁量労働制をめぐる厚労省の調査)データのでたらめさということは、もう覆い隠すことができない状態だと思いますが、「今、精査を行っている。それはそれとして予算のほうは進めてもらいたい」というのは全く理解しがたいことであります。
 データ以外のいろいろな点を勘案して法案を出そうとしているということですが、基本的なデータがでたらめであったときに、きちんとした政策的なニーズを踏まえることができません。そういう状況で、安倍総理の思いだけで出てきた。そういう裁量労働制の拡大であり高度プロフェッショナル制度であるということは改めて申し上げておきたいと思います。
 この回答に対する対応というのはこれから6党の幹事長・書記局長間で検討されることだと思いますが、これは基本的にゼロ回答に近いと私としては受けとめているところであります。

○北朝鮮の核・ミサイル開発問題について

【「無所属の会」代表】
 それから、北朝鮮の問題について一言申し上げたいと思います。
 平昌(ピョンチャン)オリンピックの最中に、2度にわたって北朝鮮から重要な人物が韓国入りして会談を行うなどなされました。
 基本的なスタンスとして、私も現在の圧力、これを緩めるべきではないと考えております。核開発(問題)について何も進展がない中で圧力を緩めるというのは、相手に時間を与えるだけであると。基本的にそう考えております。
 しかし、その上で、最終的にはこれは話し合いによって断念させなければならない話であります。総理は「対話のための対話には意味がない」と言われます。対話のための対話に意味はないということはそのとおりですが、それを言っているだけでは何も言っていないに等しいわけでありまして、最終的なゴールとして核・ミサイル開発を断念させるために、どのようにしてそこに持っていったらいいのか。向こうが「参りました。もうやりません」と言うところから対話がスタートするのではなくて、やはり対話をやっていく中でそこに持っていくというのが基本的な考え方ですから、「対話のための対話に意味はない」と言って入り口で切ってしまっているだけではだめだ。
 当然おやりになっていることだと思いたいですが、やはり韓国、中国、そして当然米国と、もちろんロシアも含めて、しっかりその辺の、ゴールに至るまでの手順、持っていき方について、しっかりと外交的な努力をしてもらいたいと思っているところです。


■質疑

○国会対応 2018年度予算案について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 予算の採決、どのタイミングで今後受けるかという話の中だが、野党6党が共同で組み替え動議を出そうという動きがあると、足立信也政調会長から話があるそうだ。そういったところも含めて、もちろん採決自体に今の段階では応じられないと思うが、どのようにお考えか。

【「無所属の会」代表】
 組み替え動議の話は、円満に採決が行われることがある意味では前提になっていますので、そのことについてコメントはできません。

【NHK・稲田記者】
 与党側は、あす予算を採決という姿勢を崩していない。また、理事懇を動かそうという動きもあるが、与党側が職権で理事懇・理事会・委員会と立てていった場合に、「無所属の会」としてどういう対応をするのか。また、その予算採決、本会議についてもどういった対応で臨もうとお考えか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 そういったことを今お話しするべきではないと思います。
 ただ、もちろん我々「無所属の会」は民進党の所属議員が大半を占める会派であります。党の国対委員長の平野博文さんも我々の会派に属しておられますので、当然、国対委員長、そして代表や幹事長の協議の中で対応というのは決まってくる。
 もちろん、できるだけ6党で歩調を合わせていくことは必要なことだと思っています。

○国会対応 友党連携・野党連携について

【産経新聞・廣池記者】
 国会での立憲や希望との連携が一つの課題になっていると思うが、今回のこの「働き方改革」のデータ問題をめぐる野党連携というのはどのように評価されるか。

【「無所属の会」代表】
 かなり一体でできていると思います。昼の幹事長・書記局長を中心とした集会(「裁量労働制再調査と佐川国税庁長官らの証人喚問を求める野党合同緊急院内集会」)でも、これは(共産党の)小池さんが、(野党6党が)一つになったと言っておられまして、それをそのまま真に受けるかどうかは別にして、一緒に6党やっていく中でお互い距離が近づいたと思いますし、立憲、希望、そして民進、旧民進3党が一体となって物事に対応できる。先ほどの組み替え動議も、もし出す場合には、我々がつくった案に両党が賛同してくれると。そういう方向性はあると思いますが、いろいろなことをやりながら距離感、溝が埋まっていくというのは結構なことだと思います。

○国会対応 2018年度予算案について(2)

【共同通信・小野塚記者】
 国会対応について、野党側は佐川さんの招致やデータの再調査を求めていたのが、今回完全に拒否されたという形になっている。それでもあした予算委や本会議採決という、与党側は強行突破しようという姿勢だが、野党側が結局何も得られていない状態の中で強行突破されることに関してどのようにお考えか。

【「無所属の会」代表】
 まだ決まったわけではないので。これからですから、与党が強行突破すると決めつけるのも失礼な話だし、我々も努力をして、しっかり取るべきものを取るということで、これから与野党の交渉がありますから、あまり仮定を置いた議論をしないほうがいいと思います。

○米国務省北朝鮮担当特別代表の辞任報道について

【フリーランス・安積記者】
 北朝鮮問題、まだまだ不安定な状況で、来月のパラリンピックが終わった後どういうふうになるのか、4月の米韓合同演習がどう影響するのか、まだわからないところがあるが、その中でアメリカのジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が辞任するという報道があった。ずっと担当をやっていて、もしかしたらこれから軌道に乗っていくかもしれないなというところでの状況だが、これについて伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 私、確認しておりません。ですから、ちょっとコメントは控えたいと思います。

○江崎沖縄北方担当大臣の辞任報道について

【共同通信・小野塚記者】
 江崎沖縄北方担当大臣に関して、病気を理由に辞任の意向ということだ。失言や不安定な答弁があり、野党側からは資質を問う声があったが、今回の辞任に当たっての受けとめをお願いしたい。

【「無所属の会」代表】
 まず、病気を理由に辞任とされているので、そこの事実関係がはっきりいたしません。本当に病気で辞任されたのかもしれませんので、問題が問題だけにあまり憶測で言わないほうがいいと思います。
 ただ、江崎大臣の国会でのやりとりを聞いていて、相当基本的な間違い、基本的な知識の欠如など見受けられますので、そういう意味で大臣としてふさわしいかと言われれば、ふさわしくない。そういう人事だったことは間違いないと思います。

【NHK・稲田記者】
 関連して。新たに任命される見通しの福井照さんについては、どういったことを求めたいとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 あまり、なる前から注文をつけるのもいかがと思いますが、非常に重要なポジションなので、しっかりと責任を持ってやっていただきたいと思います。

○NATO日本政府代表部設立 在外公館名称位置給与法改正案について

【フリーランス・宮崎記者】
 昨年の概算要求で予算案に既に入っているが、NATOに日本代表部を設ける「在外公館名称位置給与法改正案」が国会に提出されている。NATOに日本代表部が新設されるということに関するお考えはいかがか。

【「無所属の会」代表】
 法案の賛否はこれからの議論ですので、あまり私が断定的なことは言わないほうがいいと思います。
 ただ、NATOの存在というのは非常に重要なので、直接日本がそこに加盟しているわけではありませんが、意思疎通をよくする、情報を収集するという意味で、そのこと自身が大きな問題かと言われれば、私はそういうふうには現時点では考えておりません。

【フリーランス・宮崎記者】
 そのとおりかと思うが、ベルギーのブリュッセルには今もEU日本代表部がある。EUも我が国は加盟国ではなく、そういった情報を取るのは大事かと思うが、ただ、集団的な安全保障の機構であるNATOというところで、何か外交的に、NATO日本代表部があると、外交官でも「日本はNATOの加盟国じゃないか」と勘違いするような人もそのうち出てくるのではないかと思うが、その辺も含めてもう一度伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 勘違いの問題は勘違いとして「勘違いですよ」と言うしかないのですが、日本はもちろん、日米同盟をやっても、集団的安全保障、そういう機構に入っているわけではありません。
 ただ、NATOというのは非常に大きな、重要な役割を果たしている集団的安全保障の機構なので、そこで行われる議論は非常に有用だと思います。個別にNATO加盟国から取るよりも、より横断的な情報も取りやすいと思いますし、そういったことを日本としてしっかり把握しておくということは、私は必ずしも適切でないと言うつもりはありません。
 ただ、これは法案そのものについてはこれからの議論だと思いますが、基本的にはやはりスクラップ・アンド・ビルドというか、民主党政権の時には基本的には、例えばアフリカとか、いろいろな新しいところに大使館をつくるに当たっては、先進国の中の領事館をスクラップしたり、あるいは先進国で働いている人たちを新興国やアフリカなどに移動させるとか、そういう努力をしてきたわけですが、今そういう風潮はあまりなくて拡大路線みたいなことになっています。はたしてそれでいいのかということは問題意識として提起しておきたいと思います。

○若い世代への支持拡大策について

【「フランス10」・酒井記者】
 ANNの調べでは、(さきの衆院選で30歳未満の)49%が比例で自民党に投票したということだが、自民党を倒すためにどのように若者から支持を上げればいいとお考えか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 個別のそういう調査についてはコメントはいたしません。
 ただ、若い人たちにしっかりと受け入れられる政策というもの、そして私も代表質問で申し上げましたが、例えば財政健全化などは若い世代のためにやっていかなければいけないことで、安倍さんはそういったものを先送りしているわけです。教育の無償化なども非常に重要なテーマですが、それによって若い人に恩恵がありますが、それをもし赤字国債で結果的にはやっているとすると、そのツケは全部若い人に回っていくので、そういうこともしっかりわかりやすく我々は語っていかなければいけないと思います。

○「一票の格差」問題 自民党改憲案・選挙制度改革について

【読売新聞・前田記者】
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法では「一票の格差」は2倍未満が基本とされているが、先日の自民党の改憲案の合区解消案では2倍超も認められることになる。一票の平等という観点から問題はないのか、あるのか、そこら辺のお考えを伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 今のままでは問題があると思います。
 最近、ちょっと党の中で議論はあまりしておりませんが、参議院の中ではしているのだと思いますが、私が政治改革推進本部長として、さきの総選挙の前までは少し議論もしておりました。
 結局、「法のもとの平等」というのは憲法の基本原則、基本的人権の最も根本の原則なので、憲法に何か書けば「法のもとの平等」に反することが許されるのかというと、それはそういうことではない、ということだと思います。
 したがって、2倍以内ということを超えて定数の配分ができるということであれば、それは参議院の性格そのものをどう変えるのか。例えば権限を弱くするとか、それから地域代表としての性格を持つ以上、一般の予算や法案の採決について衆議院と同じだけのものを持つということについて、それが適切かどうか。そういうことも含めた議論でなければならないと思います。単純に、「憲法に書けばいいだろう」ということではないと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 自民党の憲法改正草案に関しては、区割りで自治体の統一性というのか、なるべく一つの自治体は同じ選挙区になるように衆参とも配慮すべきだと、そういった意味合いの条文が入ることでほぼ決まりつつある。岡田代表自身、四日市市が分割された選挙区で、三重3区と2区に分割されたが、自治体はなるべく小選挙区一つであったほうがいいと感じられたことはあるか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 できればそうしてもらいたいという気持ちはありました。ただ、当時、どうしても三重県というのは羊羹(ようかん)のように細長いものですから、最初の時に議論されたのは、四日市を一つにして、北の桑名、南の鈴鹿を一つの選挙区にするという「飛び地」案と、四日市をちょうどど真ん中で境界線を引くという2案あって、結果的には四日市を分割するという案になったわけです。
 2区の選出されている議員が中川正春さんだったので、同じ党だし、非常に関係良好で、特に不便はなかったのですが、できればそういうことは避けたいなという気持ちはありました。しかし、一票の価値ということを考えていくと、それはやむを得ないところもあるということで、私自身は納得をしたわけです。
 今おっしゃるような条項を書き込むことで、2倍以内におさまらなくなるということであれば、それは問題。おそらく最高裁の判決で、そういうふうに憲法に書いたとしても、2倍を超えてしまえば「違憲」ということになるのではないか。そもそも最高裁は(国会議員は)地域代表ではないと考えて判決を書いていますので、市が分割されるとか、そういうことは大きな要素ではないというふうに最高裁の判決から読み取れるわけです。

○平昌五輪を振り返って

【フリーランス・安積記者】
 オリンピックが終わったが、最も印象的だった試合とかはあるか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 ブログにも書いたのですが、政治利用とか、そういうことはありました。しかし競技そのものは非常に印象深いものがあって、パシュートもよかったし、スピードスケートで日韓(の選手が)抱き合った姿は非常に、政治でいろいろな会談をするよりも、その数百倍、数千倍のインパクトを世界に与えたと思います。やはりスポーツはいいなと思いましたし、東京オリンピック・パラリンピックもぜひ成功させたいと思いました。
 非常に寒かったので、(日韓議連の代表団として参加した)開会式は嫌だったのですが、競技としてはよかったなと思います。

○参院憲法審査会 9条に関する議論について

【フリーランス・宮崎記者】
 憲法の話だが、参議院憲法審査会は既に動き出していて、立憲の風間直樹さんが言っていたが、外務政務官の経験からして、9条に関しては、日米の今までのいろいろな密約の中には、おそらく今の外務省の幹部も知らない密約があったのではないか、だから9条を憲法の改正という形だけではやるべきではないのではないか、という趣旨の発言があった。自民党の松川るいさん、外務省出身の議員だが、日米地位協定はそのとおりだと思うが、この憲法審査会ではなく別の場でやるべきではないか、というやりとりがあった。そういった日米密約、地位協定の問題もあるから、9条改正の議論というのはできないのではないか、というくらいにおっしゃっていたかと思うが、その辺はどう思われるか。

【「無所属の会」代表】
 ちょっと私、詳細を承知していませんので、コメントは控えたいと思います。
 それは日米の地位協定についての密約ということですか。

【フリーランス・宮崎記者】
 日米地位協定に関する密約も含めてだと思う。書簡とかそういったものも含めて、全ての密約。「密約」とは言わないほうがいいか。いろいろな書簡の中で、明らかになっていなくて、今の外務省の幹部も把握していないものがあるのではないかと、そういった趣旨の発言があったと思うが。

【「無所属の会」代表】
 ちょっと言っている意味、趣旨がよくわからないですね。
 風間さんの発言ですか。

【フリーランス・宮崎記者】
 風間さん。

○予算委分科会 河野談話について河野外務大臣と議論

【「無所属の会」代表】
 言い忘れましたが、この前の(予算委員会)分科会で、30分×2で質問させていただきました。
 河野太郎さんとのやりとりは一部報道されたりしたのですが、河野太郎さんとは慰安婦の問題も議論したのですね。
 これは産経新聞のインタビューの中で、「おやじに聞いてくれ」みたいな、「別の河野さんが出したものだ」という発言がありましたので、私は違和感を覚える、外務大臣としてきちんと河野談話について見解を聞かせてくれと、こう言ったところ、「安倍総理の戦後談話と、慰安婦についての日韓合意、この二つに尽きています」と、こういう話で、非常に答弁は硬直的だった。
 あと言っていたのは、「いまだに河野談話というのは河野太郎の談話だと思われている」とか、これは産経のインタビューでも言われていたことを繰り返しておられました。
 せっかく立派な政治家を父親に持ったわけですから、もう少し素直に、いいものはいいと言われるべきではなかったか。河野談話そのものについては安倍総理も評価しておられるわけですから。そんな感じがいたしました。

○予算委分科会 使用済み核燃料の乾式貯蔵について議論

【「無所属の会」代表】
 もう一つは経産の関係で、使用済み燃料のプールでの貯蔵の問題について原子力規制委員長と経産大臣と議論したわけですが、規制委員長は、前任者も含めて、使用済み燃料がプールに入っているよりは乾式で置いておいたほうがリスクが少ないということは認めておられるわけです。もちろん、いずれも基準の中にあるということは前提にした上で、しかしリスクが少ないのは乾式だと言われている。
 そうであれば、今、目いっぱい使用済み燃料がプールに入っていますが、冷やし終わったものは乾式に移していくという、そういう政治としての判断があるべきではないかと言ったのですが、ここは全く平行線。経産大臣からは答弁がありませんでした。というか、「規制委員会が安全と認めているんだから」というお話でしたが、私は非常に懸念しているということは申し上げておきました。
 安全神話にどっぷりつかって、「地震は来ない」「津波は来ない」という中で起こった福島原発事故。それと状況としてはあまり変わらないのではないか。なるべくリスクを減らす努力、いざという時には大変な状況になりかねない問題ですから、そのリスクを減らすのが政治の責任ではないかということを申し上げたところです。
 この問題はこれからもしっかりとフォローしていきたいと思っています。