学校法人「森友学園」への国有地格安売却問題をめぐり、財務省が学園との契約に関する決裁文書を問題発覚後に書き換えた疑いがあると指摘した朝日新聞の同日付の報道を受け、民進党と希望の党は2日午前、合同でヒアリングを行い、財務省の担当者に事実関係をただした。

 朝日新聞は「学校法人・森友学園との国有地取引の際に財務省が作成した決済文書について、契約当時の文書の内容と、昨年2月の問題発覚後に国会議員らに開示した文書(本日ヒアリング時に財務省が配布した文書はPDFダウンロード参照)の内容に違いがあることがわかった。学校側との交渉についての記載や、『特例』などの文書が複数個所でなくなったり、変わったりしている。複数の関係者によると、問題発覚後に書き換えられた疑いがあるという」と報じている。

 財務省の担当者は、「報道があったことは承知している」と語ったが、内容については「大阪地検で背任のほか証拠隠滅や公用文書等の破棄について告発を受けて捜査が行われている状況。従って財務省としてはこの捜査に全面的に協力している段階であり、答えることが捜査にどのような影響を与えるかについては予見、予測しがたいため答弁は差し控える」と、同日の参院予算委員会での麻生財務大臣の答弁を繰り返すような回答に終始した。

 国会議員に提示された文書は正しいものかどうかとの問いにも「大臣から答弁した通り」などと回答。「この記事が事実に反するのであれば抗議すべき」との指摘にも「今の段階では答弁は差し控える」などと語った。

 大阪地検での捜査終了後に大阪地検へ提出した文書を国会にも提示するよう求めたが財務省は拒否。次回ヒアリングでは決裁時の6月14日時点の文書の提出を財務省に求めた。会計検査院には決済文書が書き換えられたのであれば書き換えられた疑いのある文書の提示を財務省に求めるべきだと指摘し、会計検査院は検討する旨を述べた。

 この報道が事実であれば、公務員の作成する文書が虚偽であったという虚偽公文書作成罪に当たる重大な問題で、「財務省自体が吹っ飛ぶような話」だとヒアリング参加者は指摘した。 

PDF「財務省提出資料」財務省提出資料