党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年3月6日(火)16時29分~16時50分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=g-Kqj-Dbv2k


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友問題 財務省公文書書きかえ疑惑について

【「無所属の会」代表】
 まず財務省の決裁文書の書きかえ疑惑ですが、これはもう本当に、これが事実であれば論外のことだと思います。私も役所に12年間在職いたしましたが、決裁文書が後から書きかえられるなどということは考えられないことで、もしそういうことがあったとすれば、それはもちろん当事者の公務員倫理が根本から問われるし、普通は担当者の判断でできることではない。大きな力が働かないとこういうことは起こり得ないことだと思っています。
 いずれにしても、これは立法府と行政府の問題ですから、与党の皆さんにも、一緒になって事実解明についてしっかりと力を合わせて努力していく、そのことをお願い申し上げておきたいと思います。

○北朝鮮情勢について

【「無所属の会」代表】
 もう一つ。北朝鮮への韓国政府の特使派遣であります。結果はまだ詳細を承知しておりませんが、基本的には大きなラインは守りながら、つまり圧力をかけるという大前提のもとで、しかし、どこかでこれは話し合いを行わなければならないわけです。
 安倍総理は、「対話のための対話では意味がない」とよくおっしゃるのですが、もちろん対話のための対話では意味がないわけですが、しかし、それを言っているだけでも物事は全く進展しないわけです。私が非常に気になるのは、日本の外交というものが全くない。国際社会として圧力を強くかけるということは私は賛成ですが、それだけで終わってしまうのでは、当事国としてあまりにも問題ではないかと思います。
 そういう意味では韓国のほうが、オリンピックという機会を使って、大きな方針をもし変えない中で行われたとすれば、対話のチャンネルをつくろうと努力している。そのことは評価できると思っております。もちろん、これからの対応を確認しなければなりません。これで国際社会が一致して圧力をかけるという路線が変えられることになれば論外だと思いますが、話し合いのためのルートをつくったという意味においては一定評価できることではないかと思っております。
 ロシアや中国も含めて、きっちりと圧力をかけていく。そして同時に、6ヵ国協議のメンバー国が、北朝鮮以外の5ヵ国が協力しながら、大前提として核を放棄させることが目的ですから、その目的達成に向けてより効果的な道を探っていくことが重要ではないかと思っております。
 そういう意味では、アメリカ、トランプ大統領が鉄鋼やアルミについて、ある意味で中国を標的にして、関税を上げるという新しい措置を今回とろうとしていることは、北朝鮮について中国の役割というのは極めて重要である中で、あまりいいタイミングで打ち出されたことではないなと思っております。通商問題と外交問題は別だということかもしれませんが、やはりここは中国としっかり一致して圧力をかける。そのために、そのほかのところでも、あまり中国との関係が悪くなるようなことについては、よくよく考えたほうがいいと、そんなふうに思っているところです。


■質疑

○森友問題 公文書書きかえ疑惑について

【フリーランス・宮崎記者】
 財務省の文書だが、中には「内閣総辞職だ」とか「何々罪になる」とか息巻いている方もいるが、財務省の危機とか内閣の危機以前に、やはり国会の危機なのではないかと思う。野党のPTとはいえ。何々罪ということは警察庁や検察庁や裁判所のマターになるが、きょうあすの話ではなく、もし財務省がみずからしっかりした調査結果を出さなければ国会として調査していくという形で、例えば国会としてヒアリングをするとか、原発の時は両院の調査会があったが、そういった与野党の調査特別委員会といったことも必要になるとお考えになるか。

【「無所属の会」代表】
 これは、ですから野党6党で申し入れを与党に対して行なったわけです。「国政調査権を十分行使し、議院証言法及び国会法104条に基づく政府への資料提出要求など、速やかな真相究明を行わなければならない」ということで、与党を巻き込んで、国会として行政府に対して求めていくと。ぜひ与党の皆さんには、同じ立法府に身を置く者として、一緒になってやっていただきたいと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 場合によっては担当者の証人喚問といったことも考えていかれるか。

【「無所属の会」代表】
 具体的なことは、与党がまず応じることが大前提なので、あまりそれ以上のお話をここでしても意味がないのかなと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 漠とした話で恐縮だが、裁量労働制の時もデータの問題が出てきたり、森友でも「ない」と言った文書が文科省から出てきたり、今回はまだ疑いだが、そもそも文書が書きかえられていたのではないかと。全般的に何か感じるものはあるか。

【「無所属の会」代表】
 いずれも役所の判断でできることではないだろうと私は思っているのです。忖度(そんたく)して「こういう文書が明るみに出るとまずい」と判断しているというよりは、より大きな力が働いている、と言われても仕方がないのだと思います

【朝日新聞・斉藤記者】
 冒頭発言の「当事者の公務員倫理が問われる」ということよりももっと大きな問題であるという認識か。

【「無所属の会」代表】
 普通の公務員はこういうことはやらないと私は思っています、今でも。そのぐらいの倫理観はあると思います。だから、そのレベルの話ではないのだろうということを先ほどから申し上げているわけです。

【共同通信・小野塚記者】
 公務員倫理の問題ではなく、「より大きな力が働いていると言われても仕方がない」ということだが、「より大きな力」というのは具体的に何を指しているか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 それは私が憶測で物を言うことではないのですが、公務員という組織の問題というよりは、より大きな問題、というふうに申し上げているわけです。私はそれを具体的に言うだけのエビデンスがありませんから、私の実感を申し上げたところです。
 普通、公務員であれば、決裁を受けた文書の中を差しかえる、特に1枚目とそれに添付された文書を剥がしてもう一回違うものに差しかえたということなのでしょうけれども、そういうことはしないと私は思っています。

○党改革に関する議論について

【NHK・稲田記者】
 きょうの会派総会の概要を確認させていただきたい。きょうはどういった話だったか。

【「無所属の会」代表】
 きょうは、いろいろな話が出ました。原発法案についても出ましたし、いろいろな、伝えられる幹事長の四国・香川におけるご発言とか、そういう議論も出ました。
 あまり詳細を申し上げるつもりはありませんが、前から申し上げていますように、党としてはきちんと確認された方針がありますから、それと違うことを執行部としてやられるということであれば、それはちゃんとした手続が経られるべきだし、説明がなされるべきだと。
 幹事長も記者会見で、それは希望との合流ではないのだ、共通の理念・政策のもとに結集するのだということも言われたようですが、そういう話も別に何かオーソライズされているわけではありませんので、説明があまりにも不足しているのではないかという話。
 国会でせっかく呼応している時に、何か週末に違う発信があるのはいかがなものかと、そういう議論も出ました。

【時事通信・岸本記者】
 増子幹事長は昨日の会見で、4月中の「新しい党」への移行、「新党」ということは「無所属の会」の方と(認識を)共有しているのかという問いに、「無所属の会」も含めての基本的な考え方だとおっしゃっていたが、「無所属の会」は共有しているということでよろしいか。

【「無所属の会」代表】
 増子さんが言われたのは、「無所属の会」もそこに参加する対象として考えています、というくらいの感じではないですか。それは党全体として議論しながら、どうするかということを。
 きょうもこれから執行役員会がありますから少し聞いてみたいとは思いますが、せっかく国会がこれだけ6野党結束してやっている時に、あまり水をかけるようなことになってはいけないと思いますので。

【毎日新聞・影山記者】
 関連だが、その「新党」「新しい党」への移行時期について増子幹事長が「4月中」と言ったことに関しては、岡田代表はどういう感想をお持ちか。

【「無所属の会」代表】
 そういう「新党」というのは、確かに党大会の時には「新しい党へ」というのがあって、ただしそこは(党改革の議論における)①と③の話なのですが、民進党そのものが生まれ変わっていくために基本政策や綱領をもう一回見直していくという路線と、他党と新たな党へという二つあって、地方の皆さんも含めて多くは「民進党そのものが生まれ変わる」という、そういうことだったので、それとは違う路線なのですね。そういう意味では、党内では首をかしげている人が多いと私は思っています。

【時事通信・岸本記者】
 増子幹事長は高松市で、「新しい党名を浸透させるには1年は必要だ」とおっしゃっていた。ということは、もう党名を4月中に変更するということをおっしゃっていると思うが、これに関してはいかがか。

【「無所属の会」代表】
 そういうのが執行役員会や常任幹事会で議論されたことはありませんので、首をかしげているということです。

○「日本側、沖縄の核再配備肯定か=09年駐米公使発言」報道について

【フリーランス・安積記者】
 アメリカの戦略態勢委員会の報告書についての話だが、(米議会に設置された委員会において2009年2月に)日本側からそういう発言があったという報道が、外相時代にもあった。その時の会見で「そういう発言はなかったと理解している」と発言されているが、今でもなかったというふうに理解されているか。

【「無所属の会」代表】
 私は、持ってこさせた資料、ファイルで三つくらいありましたか、それを私自身が見た結果は、そういうものは含まれておりませんでした。
 ただ、若干誤解を招いた可能性はあると思われたので、その後、私はクリントン国務長官に手紙を書いて、日本国政府としては核軍縮が重要だと思っていて、アメリカの拡大抑止に依存しているからといって、その核の役割を低減することについて否定的な見方は持っていないということを確認したところです。

【フリーランス・安積記者】
 2010年の話だと思うが、今の核に対するお気持ちはさておき、当時は、そういう事実がなかったと理解されているというご返答だったと思うが、それから8年たった今でもそういう事実はなかったと理解されているか。

【「無所属の会」代表】
 私が確認した範囲では、ですね。
 ただ、最近メモが出回っているということも私は承知しています。会議の出席者の書き込みがあるようなメモですね。それがはたして事実かどうかは、ちょっと確認するすべはないと思います。ご本人に確認してもらうしかないのではないのでしょうか。

○青山衆議院議員の辞職を求める署名活動について

【フリーランス・堀田記者】
 岡田さんに直接関連することではないが、立憲民主党の青山雅幸さんを議員辞職させるという運動が、東海ブロックの女性地方議員に広がっている。東海ブロックなので、三重でも広がっている。民進党の女性議員もそこに参加しているが、これをどのように思われるか。

【「無所属の会」代表】
 他党の議員のことですし、ある意味では議員の身分にかかわる話なので、私があまり軽々にコメントしないほうがいいと思います。事実関係の確認もできておりませんので。

○地方交付税法改正案への反対投票について

【フリーランス・宮崎記者】
 先週の地方交付税法改正案の賛否に関して。また野党がバラバラと言われるかもしれないが、希望・立民と賛否が分かれた。「無所属の会」は改正案に反対だった。おそらく原口一博先生のお考えもあって会派として決めたのだと思うのだが、経緯がもしあれば教えていただきたい。

【「無所属の会」代表】
 これは会派として決めたのではありません。党として、民進党として決めたものを、我々としては、完全無所属の方も含めて、「無所属の会」所属の議員で、党として反対と決めましたので私たちも反対を投じたものであります。
 私からは、これは執行役員会の時でしたか、ちょっと場所は忘れましたが、なるべく3党がそろったほうがいいと。最初は反対で一致していたと聞いているのですが、途中から希望の党や立憲民主党は賛成に回られたということなので、なるべくそういうことがないようにコミュニケーションをよくしてもらいたいと。3党の賛否が分かれるという事態はなるべく少ないほうがいいと申し上げたところです。

○「原発ゼロ」基本法案への対応について

【朝日新聞・斉藤記者】
 (法案対応について)3党できればそろったほうがいいという趣旨の話があったが、もし材料があれば、立憲の「原発ゼロ」法案に対する評価、また党と会派の対応はまるっきりまた一緒になるのかどうか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 これはまだ党の中で議論しているところなので、希望の党の法案も含めて、現時点で結論は出しておりません。
 ただ私は、これは部会で議論するというよりは、やはり民進党の中で原発政策をどうするのかと。これはかつては玄葉光一郎さんを調査会長にして議論を続けてきたわけです。それが解散・総選挙で中断しているわけですが、単に部会の中で議論するのではなくて、新しく調査会か何かの組織を設けて、しっかりと正面から受けとめて議論すべきだと。そういうふうに何回か執行役員会あるいは会派の総会でも申し上げているところです。きょうも執行役員会では申し上げようと思っています。こういう問題であやふやな態度というのは許されないと私は思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 意思決定として、政調はそんなに人数もいないので、今かなり執行役員会の場で法案の賛否まで話し合う感じで決めていらっしゃるのか。

【「無所属の会」代表】
 法案の賛否は執行役員会のマターではありません。党の運営に関することですから。
 これは、政策についての、代表も入った意思決定の機関があります。私は入っていないのですが、「無所属の会」からは原口副代表に出てきてもらって、そこで最終的には法案の賛否を決めるということになっています。

【フリーランス・宮崎記者】
 政策調整会議か。

【「無所属の会」代表】
 そういうことです。