民進党をはじめ野党６党は８日午前、「財務省『森友文書』ねつ造疑惑野党合同ヒアリング」を国会内で開催。森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書の書き換え疑惑を朝日新聞が報じた問題で、与野党の要求を受けて財務省が同日参院予算委員会理事会に決裁文書の原本の写しだとして提出した文書（ＰＤＦダウンロード参照）に関して財務省の担当者から説明を聞いた。
配布文書は貸付決議書と売払決議書で、それぞれＰＤＦで保存されていたものと紙で保存されていたものの計４種類のコピー。これらの配布文書に関して財務省の担当者が経緯について説明し、「国会議員に配布したものは基本的にＰＤＦ保存分。紙保存分はわれわれは詳細までは把握していないが、原本について執務の参考のためにコピーを取っておくことはある。おそらく何らかの執務の必要性のために、紙をもって執務に使っていたということだと思う。今回、近畿財務局に管理している資料を提出せよということだったが、原本は手元にないということだったので、昨日、近畿財務局から取り寄せ、コピーを取った」などと語った。
そのうえで「基本的に先生方のお手元にあるものと一緒だと考える」と述べたうえで、若干の違いとして、この間指摘されている「レ点」などのチェック印と、昨晩確認した点として「ＰＤＦの売払決議書は国会議員に配布したものの方がページが多いということが判明した」と説明。森友学園に関する登記簿の一部と公図が本日配った決裁文書にはないが、国会議員に配布したものには挿入されていると説明し、「これはおそらく原本の方にもないということだが、本来決裁文書としてあるべきだったので、どうもそれを付け加えた形で配布したのではないか」などと語った。
近畿財務局にＰＤＦ保存されていたものの作成日についての質問に、担当者は「現在確認中。紙の形で持ち込んでもらったので。想像するに原本を大阪地検に出す前にコピーを取っているということだと思う」と述べるにとどまり、時期については明言を避けた。
財務省本省では何ら保存していないのかとの問いには、「おそらくＰＤＦか何かがあるのかと思うが基本的に原本からの写しは近畿財務局がもっていて、今回は近畿財務局にある写しを持ってこいということだったので用意した」などと語った。
「一番のポイントはこれ（国会議員に配布した文書）以外のものが存在しているかということを聞きたい。そこだけだ」との要請には、「参院の予算委員会でもその点についてご説明したが、現時点でその点についてわれわれとしてお答えできることはない」と語り、書き換え前文書の存否を明言しなかった。
貸付決議書写し（紙）