民進党など野党6党は9日午後、「財務省『森友文書』ねつ造疑惑野党合同ヒアリング」を国会内で開催。森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書の書き換え疑惑について、財務省、会計検査院などから話を聞いた。

 毎日新聞が8日夕刊で取り上げた別の決裁文書の内容が取り上げられ、出席議員が「別の決裁文書に『森友学園側に価格提示を行う』『本件の特殊性に鑑み』と記述されていたのはどういうことか」と質問。財務省の担当者は、「これは森友学園側に予定価格などを伝えることについての決裁であり、ルールに則ってやっているもの」と説明した。これに対し出席議員が「それでは価格交渉をしていないとする証明には全くなっていない」と指摘した。

 また「本件の特殊性に鑑み」という文言について財務省の担当者は、「森友学園側の資金繰りが安定した状態ではないと想定されることから、売買代金を分割で入金できるようにする『延納特約』を入れたからだ」と答えたが、出席議員は、「われわれは分割になったということは特別なことと理解しているが、通常の売買ではありえない。知りたいのは、なぜ分割になったのか。一般的には一括だ。なぜ本件が特殊性を帯びるようになったのかが問題だ。本件の特殊性とは安倍昭恵夫人が介在したからではないのか」などと、重ねて追及した。

 財務省が今回の決裁文書改ざん疑惑をめぐって「改ざんをしていない」と断言しないことに関連して、「その他の文書も改ざんしていないと言い切れるか」との問いに、財務省の担当者は「言い切れない」と答弁。この答弁には「財務省が発出する公文書に信ぴょう性がないと認めたもの。われわれはどうやって国会審議をするのか。この不信を払拭する責任は皆さんにある」と厳しい声が上がった。

 会計検査院に対しては、参院の要請で行なった特別検査の中で近畿財務局から提出を受けた決裁文書が国会議員に開示されたものと同一の文書かどうかが問題として指摘された。「もしわれわれと同じ文書であれば、会計検査院は改ざん疑惑がある文書を元に会計検査をしたことになる。これは検査の妥当性を問う重大な話だ」として、来週にも確認した結果を報告するよう求めた。

PDF「 近畿財務局が森友学園に売却額の予定価格を通知した際の決裁文書と、近畿財務局が大阪航空局へ国有地売却方針を通知した際の決裁文書(財務省提出資料の抜粋)」 近畿財務局が森友学園に売却額の予定価格を通知した際の決裁文書と、近畿財務局が大阪航空局へ国有地売却方針を通知した際の決裁文書(財務省提出資料の抜粋)