野党6党(民進、立憲、希望、共産、自由、社民)は14日、「財務省『森友文書』改ざん問題野党合同ヒアリング」を国会内で開き、引き続き関係省庁の担当者から今回の問題の経緯などを聞いた。

 森友学園への国有地売却に関わる財務省の決裁文書が改ざんされていたことについて財務省の担当者は、14件の決裁文書の「起案日・決済日・最終決裁権者」「決裁書のいわゆる『かがみ』」、「貸付予定価格の決定にかかる決裁文書から抜き取られていた文書」を示しながら説明した。

 出席議員からは、安倍総理が「書き換え前の文書を見ても森友学園の国有地売却問題に関して私や私の妻が関わっていないことは明らか」だと参院予算委員会で答弁したことについて、「皆さん(財務省)の決済文書に書かれていることがうそなのか、安倍総理と昭恵夫人の言動がうそなのか。はっきりしてもらうためにも昭恵夫人に国会に来てもらわないと国会の正常化はできない」と述べ、昭恵夫人の証人喚問が必要だとする声が上がった。

 桜井充議員は、「今まで(財務省が)出してきたものが全てだと言っているが、何を指して出してきたものすべてなのか。私たちの認識は、森友関連に関係する文書をすべて出してほしいということ」と指摘したうえで、「昭恵夫人付きの谷さんがやり取りをした通信データも出してほしい。これがないと真相解明にならない。私は財務省も被害者だと思っている。財務省も真相を解明したいと考えているなら、森友に関連した文書を全部出してもらわないと解明できない」と述べ、全書類を提出するよう求めた。

 財務省が決裁文書を改ざんした理由について、「そもそもの動機は答弁に誤解が生じることを防ぐため」と説明したことについて、「これは誰の答弁に対してか」との出席議員の質問に、財務省の担当者は「基本的には佐川前理財局長だ」と答えたが、「たくさん改ざんされた部分がある。誰の答弁の誤解を避けるためのものだったのか。改ざんという行為をするからには理由がないといけない」として、それぞれの改ざん箇所についての改ざん理由を新旧対照表に付記する形で提出するよう要求した。

 また、野党側が求めていたヒアリングへの財務省人事担当部局の担当者の出席が果たされなかったことについて、財務省の担当者は、「大臣官房に確認したが、今まさに調査をしている状況で、調査に専念したいということから、要請には応えられない。調査が取りまとめられたと判断すれば、きちんと結果を報告する方向にすべく考えている」と説明。これに対して出席議員から、「官房(人事担当部局)に来てもらえないとは考えられない。報告が2、3カ月も先では話にならない」などの厳しい批判の声が上がり、次回ヒアリングにはぜひ出席するようあらためて強く要請した。

 昭恵夫人の名前が決裁文書に記載されていることについて、「決裁文書におかしい部分があれば起案者に戻される。昭恵夫人の記載が随所に出てきているが、決裁者としては、この案件に関係あるから残していいと判断したということか」との質問に、財務省の担当者が「一般的に言って、決裁文書は大量にある。個別のものについて一つひとつ最後まで見る人もいれば見ない人もいる」と、苦しい返答でしのごうとする場面もあった。

PDF「財務省配布資料(14件の決裁文書に関わるもの)」財務省配布資料(14件の決裁文書に関わるもの)