党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見

2018年3月15日(木)15時00分~15時27分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WxTyFCjczFA


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友決裁文書改ざん問題について

【代表】
 まず国会情勢ですが、与野党で19日の参議院予算委員会の集中審議7時間を合意したと聞いております。それをもって、あすから参議院本会議、予算委員会一般質疑に復帰するということでありますので、佐川前国税庁長官の証人喚問は当然のこととして、この事実関係の究明に当たりたいと思っております。
 そして、これまで明らかになった事実だけでも十分に財務大臣の辞任に値すると思っております。少なくとも、昨年までの答弁が、虚偽に基づく長官の答弁であったということ。そして、「長官は適材適所だ」と繰り返し国会で述べてきた財務大臣・総理大臣の責任は免れないと思っています。
 財務大臣におかれては、予算審議中ですので、遅くとも予算の成立を見届けた後に辞任されるのが筋だと思います。
 総理においては、この事実関係を究明していく中で総理及び夫人の関与が明らかになれば、ご本人が昨年述べていたように、総理のみならず議員を辞職するのも当然のことだと思います。
 また、内閣総辞職に値するという意見もありますので、そのことも含めてあすからの質疑の中でただしていくことになると思います。

○「政府浄化法案」の提出を検討

【代表】
 また、今回は単なる不祥事ということではなく、やはり政府組織が相当緩んでいる、腐敗している、構造的な問題を抱えているということだと思いますので、我々は法律的・制度的にこれを浄化していく取り組みをスタートさせたいと思います。
 もともと2009年の政権交代も、それまでの自民党政権下における政府の腐敗や構造的な問題を改善するために我々は政権をお預かりしたつもりでありますが、下野後、自民党政権が復帰して、また先祖返りをしていることが明らかになってきましたので、我々としては改めて「政府浄化法案」を提出する方向で、これから党内の議論を加速させたいと思います。
 具体的には七つの法案をこれからまとめていきたいと思いますが、もう既に我々が過去に提出している法案ばかりでありますので、これらをブラッシュアップした上で早急に「政府浄化法案」、7本なので「クリーン7」とか今いろいろ名前を考えていますが、法案を申し上げます。
 一つは、既に提出し継続審議となっている法案は、「公文書管理法改正案」「情報公開法改正案」、この2本であります。
 それから、以前提出し廃案となった法案ですが、「国有財産法の一部を改正する法律案」。
 それから、これは今、希望の党に所属しておられる議員が中心になった法案ですが、「政官接触記録の作成等に関する法律案」。
 5本目が、「公益開示法案」。これはちょっと古いのですが、2004年に参議院で提出している法案です。
 それから、「公益通報者保護法改正案」。これもその時、日にちは一緒ではないのですが、ほぼセットになって出したものです。
 それから、財務省の体質が明らかになってきましたので、改めて「歳入庁設置法案」も検討しなければならないと思っております。
 それぞれ中心になってやってきた議員がおりますので、それほど時間をかけずに取りまとめをしていきたいと思います。ちなみに「国有財産法改正案」と「歳入庁設置法案」は私が中心になってやっておりましたので、しっかり対応したいと思います。
 あわせて、自民党の二階幹事長は、「財務省のずさんな文書管理の問題は、与党も問題意識を共有しており、何か野党から提案があれば同調したい」というご発言があったと報道されておりますので、今申し上げました「政府浄化法案」には当然賛成していただけるものと思っておりますので、賛成していただけるように協議も申し出ていきたいと思っています。
 その「政府浄化法案」のことを一つ申し上げます。

○「働き方改革」対案 希望の党との共同提出を検討

【代表】
 それからきょう、私たちと希望の党の間で、「働き方改革」の対案がほぼ合意に達すると聞いております。もう事実上合意に達しているのですが、合同会議でその要綱がまとまるということですので、「働き方改革」の対案もこれから出していきたいと思います。
 この政府浄化法案と、「働き方改革」の対案、この二つを車の両輪にして国会に当面臨んでいきたいと思います。

○総選挙に向けた野党結集の必要性について

【代表】
 最後にもう一点ですが、やはり安倍政権、総辞職も当然であり、あり得べしという姿勢で我々は臨んでいきたいと思っております。
 当然、新しい首相が誕生すれば、政権の正統性を担保するためにも総選挙はそう遠くないうちに行われなければならないと思っておりますので、改めて野党が結集する必要性を感じておりますので、そう遠くないうちに野党の結集を呼びかけたいと思います。
 とりわけ、旧民進党及び旧民主党系の各党及び議員の皆さんには結集を呼びかけていきたいと思っております。


■質疑

○野党結集の呼びかけについて(1)

【時事通信・小松記者】
 冒頭発言の最後の部分、「旧民進党及び旧民主党系」と、あえて民主党のほうも加えられたのは、小沢一郎さんとか、そういうことも考えていらっしゃるのか伺いたい。

【代表】
 固有名詞とか個別の方を想定しているつもりはありませんが、やはりできるだけ幅広く集まることが必要ですので、旧民主党の方は今あちこちに分散しておりますので、ぜひ1人でも多く結集していただけるように、可能な範囲で幅広く結集を呼びかけたいと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 今の続きだが、「結集」の意味、定義だが、統一比例であるとか、党丸ごと合流とかいろいろあると思うが、どういう意味か伺いたい。

【代表】
 斉藤さんのご質問のとおりいろいろな形があるので、現時点では「再結集を呼びかける」という表現のそれ以上でもそれ以下でもありません。

○森友決裁文書改ざん問題について(1)

【フリーランス・上出記者】
 冒頭発言の最後のほうで、新しい首相のもとで総選挙も行われるということをさらったとおっしゃったが、これは大変難しい。現実には(総辞職を)頑としてと否定している。野党の合同ヒアリングでそのことが出ていて、結局、昨年2月17日の「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員もやめる」と。それについてはもう財務省が必死で守ろうとしている。そういう中で、何らかの展望があって言われたのか、あるいは一般論として言われたのか。もう少し踏み込んで、この辺の見通しについて伺いたい。

【代表】
 これは単なる一般論ではありません。二つポイントがあると思います。
 一つは、安倍さんは、森友の問題は去年のこのぐらいの時期からずっと問題になっていたわけでありますが、この間、真摯な答弁を本人はしていたというふうに強弁し、そして8月・9月の閉会中審査でも、自分はしっかり説明したと。総選挙の際にも争点になり、十分に国民の皆さんのご理解をいただいた、というふうに言っているわけですが、ところが去年の前半説明してきたこと、その根拠としていた理財局長の答弁がうそだったと佐川さん本人が認めたわけです。ということは、もう昨年の総選挙は正当性を失っていると私は思います。これが、総選挙あり得べしというポイントの一つです。
 もう一つは、安倍さんご自身が、もう5年もやったし、ここでそういう疑義が生じた以上、自分は退陣すべきだともしお考えになれば、次どなたが総理になっても、やはり政権としての正統性を担保するためには、そう遠くないうちに総選挙をやるべきだと思います。
 その二つのポイントから申し上げたわけなので、単なる一般論ではありません。
 ただし、やめるかやめないか、総選挙するかしないかというのは、あくまで政権側あるいは首相側に判断権があるので、それは何か展望があって申し上げているわけではありません。

○野党結集の呼びかけについて(2)

【産経新聞・廣池記者】
 先ほどの「結集を呼びかけたい」という発言だが、当然、立憲と希望の党が念頭にあると思うが、これは代表同士で話し合うとか、どう呼びかけていくのか何か具体的に考えていらっしゃるか。また、その結集の時期についてはどうお考えか。

【代表】
 呼びかけ方等については、これから熟慮したいと思います。もちろん、個人的には両代表ともさまざまな接点がありますが、やはりこれは正式に呼びかけたいと思っていますので、どのような手順でどのように呼びかけるのかということについては、よく検討したいと思います。
 タイミングについては、今は白紙です。

○「政府浄化法案」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 歳入庁とおっしゃるからには、予算編成権と分離するわけで、やはり財務省はけしからんから財務省解体論というふうに受け取れるが、そういう見方なのか。
 それから政府の浄化とおっしゃるが、事の本質は、やはり内閣人事局による人事の壟断というものが、国民の奉仕者ではなく「官邸の奉仕者」になっているのではないかという根本問題があると思うが、そこについて民進党はどうお考えになっているのか伺いたい。

【代表】
 まず歳入庁設置法案は、別に財務省解体という意味ではありません。
 もともと歳入庁、つまり歳入事務の効率化や、あるいは適正性を担保する意味で、税と社会保険料を一体化させるべきだという議論を我々はずっとしてきたわけであります。しかし、今回こういう問題が生じると、やはり納税者の納得性を得るためには組織の健全化というのは必要だと思いますので、既に十分に検討された歳入庁設置法案の枠組みがあるわけですからそれを活用していくということであって、「財務省健全化」というふうにお考えいただいたほうがいいと思います。
 それから内閣人事局は、これはおっしゃるとおりでありまして、内閣人事局はもともと、まさしく適材適所、そして各省間のいわば人材の有効活用を促進するという意味であれば、非常に意味のある組織だと思います。しかし、内閣人事局が政権の意向に従わせるためのツールになってしまっていますし、それから官僚の側も何やらこれにおもねる雰囲気がこの5年間で醸成されてしまった。ということになりますと、内閣人事局そのものの見直しも必要になってくると思います。だから、先ほどの「政府浄化法案」のとりあえずの7本には内閣人事局の見直しは入っておりませんが、当然それらも議論になってくると思います。
 私もきのうツイッターで書きましたが、国民の奉仕者であるのが公僕たる公務員、とりわけ中央官庁の官僚の役割であり、それが彼らの矜持だと思います。佐川さんのことは私はよく知っておりますが、前々回の記者会見でも「辞職するべきだ」と言いまして、みずからそのようにされましたが、やはり36年間、財務官僚として禄をはんできたお立場としては、ここは最後に国会に出て、知っていることを全てお話しになるというのが、公務員として、財務官僚としての、これが最後の国民の皆さんへの貢献だと思いますので、全体の奉仕者としてそのような行動をとっていただけるとありがたいなと思っているということもつけ加えさせていただきたいと思います。

○森友決裁文書改ざん問題について(2)

【朝日新聞・斉藤記者】
 森友関連で二つ伺いたい。
 一つは、役所が緩んでいるという話があったが、現実、「データがない」と言っていたのに財務省の職員のパソコンの中にあったり、実際「ない」と言った資料そのものがあったり、また(国交省が)官邸に5日に言ったのに「報告は11日だ」と言ったり、ここら辺のずさんさというか緩みに対しての受けとめを伺いたいのが一つ。
 あと、そもそも生活重視で、憲法論議よりも生活のほうが優先だという大塚さんのスタンプだと思うが、民主主義の根幹であるとか、そういう大きな問題が起きている中で、憲法論議の優先順位は今どうなっているか伺いたい。

【代表】
 斉藤さんがおっしゃった部分は、これを「緩み」という言葉で片づけていいのか。虚偽だとか不正を意図的に行ったとか、もしそういう次元であるとすれば、これはより厳しい展開に当然なっていくと思います。
 特に先週(6日)、国会に最初の報告があった時に、前と同じ資料しか出てこなかったその段階で、皆さんのほうがよくご承知のとおり、国交省が既に原本を財務省に提供していたということがあるわけです。
 財務省側の言い分によると、十分にまだ準備が整っていなかったので財務大臣にも報告していなかったというふうに聞いておりますが、それもちょっとおかしいなと私は思っていまして、国会に提出する以上、理事会に提出する以上、財務大臣に対して「国交省からこういう原本の提示がありましたが、どういたしましょうか」というやりとりがその段階であって当然だと思います。
 それがなかったとすれば、単なる緩みなのか、意図的に財務大臣に報告しなかったのか、どちらかです。あるいは、財務大臣には報告していたが、「まだ精査が終わっていません」ということを財務大臣に伝えて、財務大臣自身が「それならば前のものを出しておけ」という判断をしたのか。ここは非常に重要なポイントだと思います。
 限りなく「緩み」という言葉だけでは解決し切れない状況にもうなっているということは事実だと思います。
 それから我々の政党としての基本姿勢は変わりありませんが、もちろん憲法問題も重要です。憲法問題も重要ですが、しかし、今回のこの問題はどちらかというと、憲法を論じる前に、憲法遵守義務が課されている官僚の言動。普通は「行動」と言いたいところなのですが、佐川さんの場合は発言も関わってきているので。官僚の言動がこういう状況で、憲法論議に入る状況ではない。
 まず、官僚及びその官僚を監督する閣僚。閣僚にも当然、我々国会議員もそうですが、憲法遵守義務がかかっているわけであります。これほどひどい問題が起きていて、先ほどの「政府浄化法案」的なものがきちっと整備されない中で憲法論議をするというのは、本末転倒のような気すらしてきました。

【産経新聞・廣池記者】
 安倍昭恵さんが、フェイスブックで、野党がばかげた質問して旦那さんは大変ですね、という趣旨の投稿に「いいね!」を押したという問題で、一部批判が上がっているが、代表の所感を伺いたい。

【代表】
 やはり適切な行動ではないと思います。理解不能です。常識を欠いているのではないかと思います。

○野党結集の呼びかけについて(3)

【フジテレビ・大築記者】
 先ほどの結集の話で2点。昨年来、統一会派などのいろいろな話が出ていたが、立憲民主党は強硬な姿勢を変えていないと思う。例えば立憲が断った場合、希望とだけでも結集という形をとっていくのかどうか。
 もう一点。現在、森友問題で野党が一枚岩になって政府を追及する形になっているが、この結集が国会での追及においてどのような影響を与えていくと思われるか。

【代表】
 まず1点目は、何か一定の展開は一切想定しておりません。私の就任以来のスタンスは全く変わっておりません。つまり、去年の総選挙の特殊な事情、「特殊」という言葉は今回ちょっとイメージが森友関係でついてしまったので言葉として選択しにくいのですが、去年の総選挙のあの特殊な展開の中で起きている状況ですから、やはりここは再結集してしかるべきだと思いますので広く呼びかけていきたいと思いますし、それが旧民進系・旧民主系の支援あるいは応援をしてくださっている国民の皆さんへの我々なりの責任のとり方だと思いますので、広く呼びかけていきたいと思います。
 そして2番目は、やはり再結集していくというのは、先ほど申し上げましたように、これは安倍政権は総辞職してもおかしくない状況だと思いますので、そうなれば、先ほどのご質問にも関わりますが、総選挙はあってしかるべきだと思いますので、それに備えていくということは当然必要なことだと思います。
 我々がそのぐらいの覚悟だということになると、やはり森友問題も、例えば我々の覚悟の仕方によって呼応してくる官僚の皆さんもいらっしゃいます。今回犠牲になられた方もいらっしゃって、官僚の皆さんもじくじたる思いがあると思いますよ。だから、やはり我々が本気度を示す示し方として、真剣に再結集を考えるべきだと思います。
 単なる再結集ではなくて、本会議でも申し上げているように、次の対立軸は「民主主義を重んじる勢力」と「軽んじる勢力」、これが対立軸だと僕は思っていますので、旧民主・民進系よりもっと幅広い枠組みになってもいいと思っています。
 ただし、それがどういう形の再結集かというのは、先ほどの斉藤さんの質問のとおり、現時点ではいろいろな形があると思っていますので、予断は抱いていません。

○森友決裁文書改ざん問題について(3)

【時事通信・小松記者】
 斉藤さんの質問で、国交省から報告があったという話だが、基本的に財務省・財務大臣の話でお答えいただいたと思うが、5日に国交省から官邸に報告が上がっていて、官房副長官がそれを受けて、6日に菅官房長官に報告していたことがわかった。そうなると、総理初め官邸がいつの時点で知っていたかということが問われる事態になっているかと思うが。

【代表】
 おっしゃるとおりです。そこの事実関係が明らかになれば、総理も当然辞任すべきだと思うし、官房長官も一緒になっておやめになるということでしょう。もしその辺の事実関係が明らかになれば。