――働く者の命と健康、雇用と暮らしの安心を守り、
生活と仕事の調和を可能とする真の改革の実現を目指す――

 民進党は希望の党と設置した『働き方改革検討のための合同会議』で働き方改革に関する検討を進め、3月15日に同会議で、政府の法案の対案について中間取りまとめを行った。民進党は19日、政務調整会議で中間取りまとめの内容を了承。対案の提出に向けて、他党との調整を含めたさらなる検討を行っていく。

 中間取りまとめ(PDFダウンロード参照)のポイントは、以下の通り。

■残業時間の上限規制の導入とその実効性の担保

 2014年に超党派で過労死等防止対策推進法を制定した。しかし、過労死や過重労働が原因の精神疾患等、健康被害が後を絶たない。この状況を変えるためには、実質的に無制限となっている労働時間の上限に罰則付きの法規制で歯止めをかけるとともに、この上限規制を実効性あるものとするための規制強化が必要不可欠である。そこで、対案には上限規制の導入を前提に、以下の内容を盛り込む。

  1. 1日の仕事の終わりから次の仕事の始まりまでの間に、十分な休息時間の確保を義務付ける「勤務間インターバル規制」の導入
  2. 労働時間管理の徹底を図るために全ての労働者を対象に「労働時間管理簿の調製」を義務付け、労働者本人に対する労働時間の開示手続きを規定
  3. 企業が違法な時間外労働をさせた場合の罰則を強化

■裁量労働制の要件の厳格化

 裁量労働制は何時間働いてもあらかじめ定めた時間しか働いたとみなされない制度であり、悪用されれば「定額働かせ放題」となってしまう。現に、過労死や健康被害が発生している。民進党は、安倍政権が目指してきた裁量労働制の対象業務拡大は行わず、裁量労働制が働く者のためになる働き方となるよう、現行制度の規制強化策を対案に盛り込む。

 具体的には、

  1. 裁量労働制の対象者の健康管理時間(事業場内にいた時間と事業場外で労働した時間の合計)を把握・記録し、一定の上限時間内とする措置をとることを制度導入の要件とすること
  2. 企画業務型裁量労働制の対象者への事前説明の強化、本人同意の撤回の法定化など同意手続きの適正化
  3. 裁量労働に関する法令違反に対して、裁量労働制の利用を中止させる制度の導入

――等である。

 民進党は安倍政権に対し、裁量労働制の対象業務拡大を政府の法案から削除するよう求めてきたが、安倍政権は対象業務拡大のみならず、現行制度の問題を解決するために必要な改善策まで、一緒に削除してしまう方針である。そこで、対案には、安倍政権が削除する、対象者の健康確保措置の充実等も盛り込む。

■「高度プロフェッショナル制度」の創設規定を削除

 安倍政権が導入を目指す「高度プロフェッショナル制度」は、労働基準法の労働時間規制を全て適用除外とし、過重な長時間労働を合法的に課すことができる制度である。対案には、この過労死促進、「定額働かせ放題」につながる制度を政府の法案から削除することを盛り込む。

■パワーハラスメント等に対する規制の導入

 パワハラが原因となって自殺に至る事案が生じるなど、職場のパワハラが大きな社会問題となっている。また、取引先など他の企業の従業員からのパワハラやクレーマーによるハラスメントも問題となっている。そこで民進党は、誰もが安心して働き続けることができる職場環境の確保を図るため、職場のパワハラや過剰なクレームなどから労働者を保護するための措置を事業者に義務付けることを対案に盛り込む。

以上

PDF「「働き方改革」法案の対案の中間取りまとめ」「働き方改革」法案の対案の中間取りまとめ