大塚耕平代表は22日午後、定例記者会見を党本部で開き、(1)森友決裁文書改ざん問題に関する佐川前国税庁長官の証人喚問(2)自身が考える野党結集の在り方――等に関して見解を述べるとともに記者の質問に答えた。

 27日に行われる森友問題に関する佐川前国税庁長官の証人喚問については「遅きに失した感はあるが、国民のために正直につまびらかに全貌(ぜんぼう)をお話しになることを期待したい。36年間公僕として職務に当たってきた佐川さんが国民の皆さんに貢献する最後の機会かもしれないので、国民のために、そして国会のために正直に全貌をつまびらかにお話になることをあらためて呼びかけたい」と語り、「間違っても訴追される恐れがあるということを理由にほとんど答弁しないというような展開にならないことを望みたい」とも注文をつけた。

 「理財局の一部の職員がやったこと」と現理財局長や麻生財務大臣らが繰り返し発言している点については、「なぜそう言い切れるのか、言い切るのであるならばその根拠を示すべきで、こういう姿勢もいかがなものかと思う」と指摘。そのうえで、「事実を隠ぺいし、国会に虚偽を申し述べる安倍政権の体質が明らかになり、この期に及んでもまだその姿勢が改まっていない。民主主義の危機と言える状況なので、安倍政権の正統性を否定せざるを得ない」と厳しく批判した。また、「森友問題についての昨年の一連の答弁に基づいて昨年の総選挙が行われたことを考えると、その総選挙に基づいて成立している安倍政権の正当性を失われたと考えるので、当然辞職を求めたいと思う。そうなれば総選挙を受けて立つ態勢を整えなければならないので、野党が結集すべきであるとあらためて訴えたい」「今、野党の比較第1党となった立憲民主党の枝野代表には野党結集、とりわけ、その野党の中核となる民進系3党の結集に向けて、その先頭に立ってリーダーシップを発揮していただけるとありがたいと思っている」などと述べた。

 明日23日、民進党をはじめ野党6党の議員が大阪拘置所に勾留中の森友学園前理事長の籠池氏と接見するにあたり、どういう点の確認が必要かとの記者の問いには、「ごみの埋設の事実関係についての虚偽は国交省から提案があったとの報道がある。そうであるなら国交省からどのような提案があったのかという点についてぜひ籠池さんには直接お話いただきたいと思う。また、総理夫人が一連のプロセスに積極的に関わっていたのか、あるいは役所に申し伝えるように(総理夫人)本人、あるいは(総理夫人付きの)谷さんにどのような指示をしたのか、それを籠池さんがどの程度認識していたのかについてもお話いただけたら有難い」などと語った。

 佐川前国税庁長官の証人喚問に関してはまた、麻生財務大臣らの発言により「佐川さんの指示のもとで理財局の一部の職員がやった」ということで決着がつけられようとしている点について「本当にそうなのかということを佐川さんに正直に話していただきたい」と述べた。政権与党を経験した感覚を踏まえ、「役所と官邸の重要事案についての力学、事務の進め方は経験済なので、理財局長の一存で、あれだけ膨大な資料の改ざんができるとは到底信じがたい。当然、役所としては事務次官、官房長は知っていなければならないし、首相秘書官・官房長官秘書官など取りまとめ者に相談していたり、取りまとめ者から指示があると考える方が普通。経験上、そう考えざるを得ない。総理の周りには、そういう際に重要な役割を果たすと思われる方が何人かいるので、その方々が一切関わっていない、このことを知らなかったと考えるのは不自然。そういう点については佐川さんにただすべきものだと思う」などとも語った。

 冒頭で発言した「枝野・立憲民主党代表にはリーダーシップを発揮してほしい」という点については電話等で直接伝えたかとの記者の質問があった。この点については「枝野さんとはもちろんさまざまな場面で接触があるが、機微にわたる部分なので直截(ちょくせつ)にお答えするのは控える」旨を発言。「それをしっかりお伝えするためにも、もうそろそろ去年の総選挙のあの経緯で今3つに分かれている党であるので、3党党首会談をしっかり国民の皆さんに見える形で開かせていただきたいと思うし、呼びかけたい」などと語った。

 先週の記者会見から口にしている「旧民進系の3野党の結集」の在り方について希望の党の玉木代表との齟齬(そご)はないかと記者から確認を求められたのに対しては、「われわれが向き合うべきは与党であり、正統性を失った安倍政権なので、国会運営で今起きている今の状況や起きている問題の深刻さを考えると、次の総選挙で政権交代を目指すのが現時点での野党としての当然の姿勢だと思う」「過去には戻れない、やり直しは効かないので、『再結集』などと言うつもりはない。今この状況からどうするべきかといえば、野党の新たな結集を意識している。新たな結集というとき、まずは(民進・立憲・希望の)3党が新たな結集を目指すということは、当然のチャレンジではないかと思う。これがスムーズにできれば言うことないし、できない場合でも踏むべきステップは踏んでいきたいと思う。このことで玉木さんとの認識はずれていないと思う」と述べた。