党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見

2018年3月22日(木)13時00分~13時28分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3BjiOa5ANuA


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友問題 佐川前国税庁長官の証人喚問について

【代表】
 佐川前国税庁長官の証人喚問が27日に決まりました。遅きに失した感はありますが、27日、佐川前国税庁長官が、国民のために、正直に、つまびらかに、全貌をお話しになることを期待したいと思います。
 ツイッターなどでも書きましたが、またこの場でも申し上げたかもしれませんが、36年間公僕として職務に当たってきた佐川さんが国民の皆さんに貢献する最後の機会かもしれませんので、国民のために、そして国会のために、正直に全貌をつまびらかにお話しになることを改めて呼びかけたいと思います。
 間違っても、「訴追されるおそれがある」ということを理由にほとんど答弁しないというような展開にならないことを望みたいと思います。

○野党結集の必要性について

【代表】
 あわせて、先週から今週にかけて、きょうも財政金融委員会に出てきたのですが、「理財局の一部の職員がやったことだ」ということを繰り返し現理財局長も大臣もおっしゃるわけですが、なぜそう言い切れるのか。そう言い切るのであるならばその根拠を示すべきであり、こういう姿勢もいかがなものかと思います。事実を隠蔽し国会に虚偽を申し述べるという安倍政権の体質が明らかになり、そして、この期に及んでまだそのような姿勢が改まっていないと感じております。
 「民主主義の危機」と言える状況になっていますので、やはり私たちは安倍政権の正統性を否定せざるを得ません。昨年の一連の森友問題についての答弁に基づいて昨年の総選挙が行われたということを考えると、昨年の総選挙に基づいて成立している安倍政権はその正統性を失ったと考えますので、我々は当然、辞職を求めたいと思いますし、そうであるならば総選挙を受けて立つ態勢を整えなければならないと思いますので、野党が結集すべきであるということを改めて訴えたいと思います。
 そして野党の中心は、昨年の総選挙までは民進党であったわけであります。今、野党の比較第1党となった立憲民主党・枝野代表には、野党結集、とりわけその野党の中核となる民進系3党の結集に向けて、その先頭に立ってリーダーシップを発揮していただけるとありがたいと思っております。


■質疑

○森友問題 籠池前理事長との接見について

【共同通信・河内記者】
 森友学園の関係で、あしたにも立憲民主などの野党が籠池前理事長と接見することになった。27日の佐川さんの証人喚問を控えて、どういったことを確認したいとお考えか。

【代表】
 きょうもどこかの新聞が報道していましたが、あのごみの埋設の事実関係についての虚偽については、国交省から提案があったと書かれていました。そうであるとしたら、国交省からどのような提案があったのかというようなことについても、ぜひ籠池さんには直接お話しいただきたいと思います。
 そもそも、その報道でも、近々に棟上げの時に総理夫人がいらっしゃるから自分のメンツはどうしてくれるんだと、こういうやりとりがあったというふうに報道には書かれております。ということは、夫人がどれほどこの一連のプロセスに積極的に関わっていたのか、あるいは、役所に何がしか申し伝えるように、随行だった谷査恵子さんにどのような指示をしていたのか。そして、それを籠池さんがどの程度認識していたのか。そのようなことについて、ぜひつまびらかにお話しいただけるとありがたいなと思っています。

○森友問題 佐川前国税庁長官の証人喚問について(1)

【テレビ朝日・村上記者】
 27日の証人喚問では、改めて佐川氏にどういう点をただしていきたいかということと、民進党の質問者が決まっていれば教えていただきたい。

【代表】
 まず民進党の質問者は、これは会派のほうで今検討していますので、また改めて確認をしてください。
 やはりここまでの、財務大臣を含めた関係者の答弁、そして皆さんの報道もだんだんそうなりかけているような気がするのですが、佐川さんの指示のもとで理財局の一部の職員がやっていたということに落とし込まれようと今していますが、本当にそうなのかということは、佐川さんに正直に話していただきたいと思います。
 我々も政権を経験しているわけですから、役所と官邸の重要事案についての力学、それから事務の進め方というのはもう経験済みですので、理財局長の一存であれだけ膨大な資料の改ざんができるとは到底信じがたい。当然、役所としては事務次官・官房長は知っていなければならないし、首相秘書官・官房長官秘書官の取りまとめ者にも相談していたり、あるいはその取りまとめ者から指示があると考えるほうが普通だと思います。我々の経験上、そう考えざるを得ません。
 総理には、「総理の側近」とも言われる、政務秘書官をやっておられる今井秘書官初め、そういう際にきっと重要な役割を果たされるであろうと思われる方々が何人かいらっしゃいます。その方々が一切関わっていない、このことを知らなかったと考えるのは不自然だと思いますので、そういう点について佐川さんにしっかりただすべきものと思っています。

○野党結集の呼びかけについて(1)

【朝日新聞・斉藤記者】
 冒頭発言にあった、枝野さんがリーダーシップを発揮してという趣旨の話があったが、それは電話なりで枝野さんに伝えてあるか伺いたい。

【代表】
 枝野さんとはもちろんさまざまな場面で接触がありますが、機微にわたる部分ですから、今の質問に直接にお答えすることは控えたいと思います。
 やはりそれをしっかりとお伝えするためにも、もうそろそろ、去年の総選挙のあの経緯で今三つに分かれている党でありますので、3党党首会談をしっかり国民の皆さんに見える形で開かせていただきたいと思いますし、呼びかけたいと思います。
 そういう場がもし設営できれば、その際にはしっかりお伝えしたいと思っています。

○森友問題 佐川前国税庁長官の証人喚問について(2)

【朝日新聞・斉藤記者】
 先ほど総理秘書官の名前が1人挙がった。冒頭、佐川さんが証人喚問で全貌を語るようにということだったが、そこでいろいろなことが明らかにならなかったら、次は国会として何をすべきか伺いたい。

【代表】
 佐川さんがほとんどお答えにならない、ないしは、今申し上げたようなことについて十分な答弁が得られないということであれば、やはりその周辺部分をご存じであろう首相夫人、あるいは谷査恵子さん、さらには当時の理財局長であった迫田さん、それから近財局長だった武内さんなども、やはり証人喚問に応じていただく合理的必然性はあると私は思います。
 武内さんも、休み前の財政金融委員会で、今は国際局長なので「お答えする立場にない」と言っておられましたが、大変残念です。武内さんも迫田さんも非常によく知っておりますので、今は財務省解体の危機であり、そして国民にとって民主主義の危機であり、それほどのことが起きているという自覚があれば、あのような木で鼻をくくったような答弁はできないと思います。非常に能吏であり、人柄もよく存じ上げている立場としては、迫田さん、武内さんの今の対応ぶりは大変残念であります。むしろ、みずから知っていることを積極的に申し述べるという対応をしてこそ、公僕としての矜持、とりわけその中でも「役所の中の役所」と言われる財務官僚の中でも幹部としての矜持だと思いますので、もし明らかにならなければ、そういうことも求めていきたいと思います。

【読売新聞・鈴木記者】
 佐川さんの証人喚問は野党6党の連携の成果とも言えるかと思うが、これからの接見や喚問に向けて質問をすり合わせるとか、今後の野党6党の戦い方を教えていただきたい。

【代表】
 質問のすり合わせ等は、それは現場できっちりやるべきだと思います。質問者等が決まってくれば、その質問者間でしっかりすり合わせをするべきだと思いますし、そもそもヒアリング等は合同でやっていたりしますので、できるだけ連携プレーをしっかりしたいと思っています。

○憲法論議について

【読売新聞・鈴木記者】
 憲法改正について。自民党の議論が大詰めを迎えているが、改めて民進党の考え方をお聞かせいただきたいのと、森友がある中でそういう憲法改正の議論をする状況に今あるかという点についてもあわせて伺いたい。

【代表】
 おっしゃるとおり、今こういう状況で、憲法改正の議論をする前提が崩れてきました。つまり、憲法は国会が国権の最高機関だと定め、そして総理初め政治家や官僚には憲法遵守義務などを定めているにもかかわらず、今、現行憲法をしっかり遵守して国会に対して正直に事実を開陳するということが行われていない。つまり憲法をないがしろにしているような政権と政党が憲法改正を議論するということは、著しく不合理で、不適当で、常軌を逸していると思いますので、とてもそういう状況ではないと思います。
 自民党の憲法改正案については、そういう環境ですから、詳しく我々が申し述べる状況では今ありませんが、常日ごろ申し上げていますとおり、四つの項目については過去も申し上げていますので。あえて繰り返しは避けます。

○東京都迷惑防止条例改正案について

【フリーランス・上出記者】
 この大きな問題の陰になっている感じだが、東京都議会で大変な条例が通ろうとしている。迷惑防止条例を2020年に向けて強化するということで、警察の権限がものすごく強くなって、一応「盗撮」や「うろつき」などを名目にしているが、市民団体のいろいろな行動を取り締まれるような、非常に危険な、共謀罪ともつながるおそれもある。小池さんのタカ派的な本性が現れたという感じだが。共産党などは大変これを問題にしているが、民進党としてどういう見解か、どういう取り組みをするか伺いたい。

【代表】
 迷惑防止条例、動きを詳細には報告を受けていませんので、確認をした上で考え方を整理したいと思いますが、迷惑防止条例的なものの必要性はもちろん一般論としては理解しますが、これが人権を過剰に侵害するものであってはならないと思っていますので、今の議論の状況、そしてそこに含まれようとしている新たな規定がどういうようなものか確認した上で考え方を整理したいと思います。

○前川前文科次官の授業への調査・介入問題について

【フリーランス・上出記者】
 前川前文科次官への介入、これは明らかに自民党の文科部会会長ら2人が介入して、それで圧力をかけられて(文科省が)やったということもはっきりした。ただ、20日の合同ヒアリングを聞いていると、それにもかかわらず文科省の担当者は、一応あの授業は問題なかったが前川さんの経歴については問い合わせの仕方が問題があったということを言っていて、今後前川さんを呼ぶ授業について介入しないのかと言ったら、それについては曖昧にしている。ほかの学校が呼ぼうとしたときに萎縮効果になってしまう、そういうことは絶対にあってはいけないと思うが、これについて伺いたい。

【代表】
 これも言語道断です。もちろん、自民党側の圧力は言語道断。そして文科省の対応も言語道断。
 今のご質問をさらに敷衍すると、そもそも公開されたメールの内容ないしは問い合わせの文章にあるように、前川さんは天下り問題であるとか報道されたような事案についてのいろいろなことがあるので云々かんぬんと書かれているわけですが、しかし、そういうことも含めてもう処分を受けた方ですから。処分を受けた方が、そのことでまたさかのぼっていろいろな制約を受けるということであるとすると、これは一般的に法律違反をされたような方もそうですが、いろいろ贖罪をされたり一定のけじめがついてリスタートをされているわけですから、こういう一般的なあり方にも大いに影響を与える。今回は非常に不適当、不適切な対応だと思います。
 当然、今おっしゃったように他のイベントや、特に学校関係者のイベントで前川さんをお招きしようとするとやはり萎縮効果が働く可能性がありますので、今回の自民党議員並びに文科省の対応は著しく不適当だということを、やはりこれ与党もしっかり認めて反省して、そして役所も、文科省も、不適切な対応だったということをきっちり公に謝罪するなり釈明することをしないと、その萎縮効果が定着してしまうことになりますので、今申し上げたような対応を図るように求めたいと思います。
 けさ、私も自分の部屋に文科省の審議官を呼んで話を聞きました。自民党の文科部会長からの第一報は、メールで官房長に入ったと聞いています。しかし、普通このような連絡が与党の議員から入ったら、事柄の事案からして、私が官房長だったらまず大臣に「こんなメールが来ましたが、どういたしましょうか」と伝えるべきところを、なぜいきなり初等中等教育局長のほうに指示がおりたのか。確認したいので官房長に会いたいと言って、けさ審議官に宿題を出しましたので、改めて官房長に聞いてみたいと思います。
 林大臣に伝わっていれば、林大臣は適切な判断をされる方ですから、こういう展開にはなっていなかったと思います。官房長の初動に大いに問題ありだと思います。

○イラク戦争開戦から15年に当たって

【「フランス10」・及川記者】
 イラク戦争開戦から3月20日で15年になった。民主党政権で総括できなかったが、今、イラク戦争をどのように総括されるか伺いたい。ちなみに、戦争終結後、シラク大統領は、正当性を欠いた戦争はたとえ勝利しても正当性を獲得することはない、と言っていた。

【代表】
 いかなる戦争にも正当な戦争というものはないと思います。戦争は最大の人権侵害でありますので、繰り返しになりますが、いかなる戦争にも正当な戦争というものはないと思います。
 そういう意味ではイラク戦争も同様ですし、イラク戦争のきっかけになった大量破壊兵器の問題については、実際はなかったということをアメリカ政府もイギリス政府も認定したわけでありまして、そういう意味では所期の動機からして事実誤認であったということですから、これには正当性がないと思います。
 さまざまな国際情勢の中で、アメリカがあのような行動をとったわけですから、いかなる戦争も正当なものはないという立場に立てば、戦争に至るような国際的な軋轢や国家間の意思疎通の拙さが生じないように各国とも最善の努力をしていかなくてはならないと思いますし、安倍さんにも、今後のこの東アジア情勢や世界全体への対応にも、冷静で、客観的で、抑制的な対応をあわせて求めておきたいと思います。

○「共謀罪」の適用範囲について

【「フランス10」・及川記者】
 海外の共謀罪というのは権力側も問われるが、共謀罪を安倍政権に適用することはできないのか伺いたい。

【代表】
 おっしゃるとおり、法律というのは誰か特定の人に適用するものではなくて、あまねく国全体に行き渡るべきものであります。あの共謀罪の内容は我々は納得していませんが、しかし、当然それはいかなる対象であっても、それに抵触するということであれば適用されるというのが法律の趣旨ですから、そのようにあるべきだと思います。

○野党結集の呼びかけについて(2)

【TBS・室井記者】
 確認だが、先週から代表がおっしゃっている民進系の3党の再結集を呼びかけたいということだが、現在、大塚代表の念頭にあるその三つの再結集というのは、改めて新しい政党をつくるという意味なのか、統一会派レベルの話なのか。先週、希望の玉木代表が、新しい党で選挙をしたということもあり、もとに戻るという意味での再結集はあり得ないと話していたが、合流・再結集に関して民進・希望の両者で認識の齟齬があるのか伺いたい。

【代表】
 「再結集」ではないです。
 まず、私が申し上げているのは、我々が向き合うべきは与党であり、そして正統性を失った安倍政権なので、やはり国会運営の今の状況や、それから起きている問題の深刻さなど、いろいろ考えると、次の総選挙で政権交代を目指すのが現時点での野党としての当然の姿勢だと思います。
 そういう意味で、「再結集」なんて言うつもりはありません。もう過去には何事も戻れませんから。やり直しはききませんので。今この状況からどうするべきかといえば、野党の新たな結集です。「新たな結集」を意識しています。
 そして、「新たな結集」というときに、もちろんあまねくと言いたいところですが、基本的な考え方に大きな隔たりがある場合もありますので、まずはやはり3党が「新たな結集」を目指すというのは、それほど隔たりもないというか、ほとんどありませんので、当然のチャレンジではないかと思います。これがスムーズにできれば言うこともないですし、スムーズにできない場合でも、踏むべきステップは踏んでいきたいと思います。
 このことで玉木さんと話をしたことはあまりありませんが、認識はそれほどずれてないと思います。