党役員会見に関する基本的な方針について

増子輝彦幹事長記者会見

2018年3月26日(月)15時00分~15時38分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=QotdpZrdjCQ


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○参院予算委 昭恵夫人の説明責任等について首相に質疑

【幹事長】
 先週の土曜日、静岡と福岡に行ってまいりましたが、桜が満開になり、本当にいい季節になったなという思いを持ちながら、この週末を過ごしてまいりました。
 きょう、ご案内のとおり、参議院予算委員会で集中審議が行われておりまして、私も民進党・新緑風会の1人として、その集中審議で質問に立たせていただきました。
 一つは、やはり安倍総理の一連の問題についての率直なお気持ちをお聞きしたいということと、さらに昭恵夫人がどのような形で関わっているのかということを含めて、説明責任を果たすことが必要ではないだろうかということ。そして、この真相解明が長く続けば続くほど、やはり我が国を取り巻く環境が今大変厳しい状況にある中で、この問題だけで国会が動いていくことが果たしていいのだろうかという思いを持ちながら、真相究明にはやはり委員会等だけではなくて第三者機関を国会に設置すべきということも含めて、そういう提言もしながら、いろいろ質問をさせていただいたところでございます。
 皆さんも多分お聞きになっていただいたのか、見ていただいたのかわかりませんが、いずれにしても安倍総理から森友学園疑惑について、「真相究明を行わなければならない」と言いながら、この問題の発端となった昭恵夫人の言動については、自分が答弁する、昭恵夫人が公の場で発言する必要はないと非常に強く言っておりました。
 私としては、これはやはり我々にとっては間接的で、ご夫婦の間ではいろいろな話がされても、間接的に私どものほうに伝えられても真実は明らかにならない。悪く言えば、ある意味では、夫婦間の中ですから、ブラックボックスのような印象があるので、ぜひ総理には、よくお二人でご相談をされて、その上で証人喚問ということ以外に何らかの形で公の場での記者会見や話す機会というものをおつくりになったらいかがでしょうか、ということを私自身も実は再度申し上げたところでございましたが、残念ながらなかなかそういう答弁は引き出すことができませんでした。
 やはり私自身としては、この問題は、昭恵夫人が関わっているということ、これは改ざんされた文書の中にも明らかにそのことが何ヵ所も出ていて削除されているわけですから、その指示をしたとか、あるいは土地取引に直接関わったということではない形も含めて、何らかの関わり合いがあるわけですから。これをみずからしっかりと説明責任を果たせば、この問題はある意味では一気に解決の方向に向かうかもしれないという思いを持ちながら、私なりの助け船を出したような気持ちで質問させていただきました。
 残念ながらそういうお答えを得ることはできませんでしたが、引き続きこの問題については安倍昭恵夫人の説明責任をしっかりと求めていきたい。よって、証人喚問の要求もさせていただいたところでございます。
 あわせて、私が申し上げたとおり、第三者機関、国会に調査機関を設置することについては、総理から比較的これは前向きと言っていいのでしょうか、最終的には「真相究明のために必要なことはあらゆることをやらなければならない。国会でやることだが、真実に向かっていくということならば、それは大変重要なことだ」と答弁をちょうだいいたしました。これは一歩二歩、ある意味では前に進んでいく可能性があるのかなと、そんな印象を受けましたので、この件についてはしっかりと今後ともまた進めていくことを積極的にやっていきたいと思っているところでございます。
 いずれにしても往復での39分、私に与えられた時間は、答弁書がなくとも答えられるような質問をしたつもりですが、やはり答弁書を見ながら慎重に、言質を取られないようにという意味も含めて、いろいろな答弁がありましたが、総理にももう少し本音で語っていただければよかったなと。そんな印象を持ちながら、若干消化不良の意味も含めて質問を終えたわけであります。

○森友問題 籠池前理事長との接見報告について

【幹事長】
 あわせて、もう一つ皆さんにご報告申し上げることは、きょう第2回目の、野党の籠池さんへの接見がございました。9時10分からスタートしたということでありまして、本来であれば15分の予定でしたが、30分になり、終了したのは9時58分。9時10分から9時58分、48分にわたっての接見でのいろいろなやりとりがあったことを、我が党の矢田稚子議員から報告を先ほど受けたわけであります。
 これはまだ正式な文書等にはなっておりませんが、先ほど電話で報告を受けましたので、少し皆さんにお話し申し上げたい。
 一つには、やはり国策留置されているというふうな話をされていたということ。
 さらに、健康上大変厳しいと。痛風状態、これは前回(の接見で)もこういう話をされたようですが、時々車椅子の生活もしていると。しもやけがひどいということ。そして、太陽に当たる時間が極端に少ないので、健康上極めてよくないという話もされていたそうでございます。
 建設予定地の問題についてお聞きしたところ、「よい土地ですね。前に進めてください」ということをやはり前回と同様、その話をされたそうでございます。
 安倍昭恵さんとの関係はどのような形でできたかということの質問もさせていただいたということでございまして、PTAの元重鎮にご紹介をいただいたと。その上で、電話で直接、実は昭恵さんと連絡をとり合ったということでございました。講演の依頼等ということだったようであります
 初めて昭恵夫人にお会いしたのは、政府主催のホテルオークラでの会合、パーティーであったと。そこには、安倍さんはこの当時は総理ではなくて、総理を退任された後のようでして、ご本人はお見えにならなかったということだそうであります。
 名誉校長としてご就任をいただいたので、月1、電話でいろいろとご報告をさせていただいていたと。学校の進捗状況、あるいは子どもの募集の状況等々を含めて、月1電話で報告をしていたと。半分以上は留守電であったが、そういうことを定期的にやっていたということだったようであります。
 そして、昭恵さん付の谷査恵子さん。この方もやはり官僚のお一人で大変口がかたい印象を持っていたが、スケジュール調整等はしっかりやっていただいたということだそうであります。
 近財との関係についても、この問題の担当者とは会って直接は言いませんが、1人、売却担当の次長さんに何度か会ったということが本人の口から出たそうであります。
 また、100万円寄附の問題についても質問させていただいたところ、しみじみと、なぜそういうふうになってしまうのかなぁと、非常に納得のいかない顔をされながらお話をされていたということだそうでございます。
 最後に、安倍首相についてはどういうお気持ちですかと尋ねたところ、私は教育者なので、悪いことは悪いと認めて、うそをつかないという姿勢で今日まで来たと。安倍総理は、なぜああいう状況なんだろうかなあ、というふうなことをおっしゃっていたということでございました。
 なお、矢田さんは地元が大阪でありますので、私学審についてもお尋ねをしたところ、これについては全くお答えが出なかったと。若干お顔色が変わったというようなこともおっしゃっておりました。
 私ども感じることは、きょうの3人の接見の一つのポイントは、昭恵夫人との関わり合いということを重点的にということで実は接見をさせていただいたということをおっしゃっておりました。
 私自身も、先ほど申し上げたとおり、きょうの質疑の中では安倍昭恵夫人の立場、あるいは説明責任等々を中心にある意味では今回の質疑をしたわけでありますが、期せずして一緒だったということを含めて、今後ますます昭恵夫人の説明責任が求められてくるのではないだろうかと。各種世論調査でも「昭恵夫人は国会に出てきて説明をすべきだ」ということがほぼ65%前後で、これは共通している国民の思いでありますから。
 やはり、なぜこのようなことが起きているのか。誰の指示で、何の目的で、なぜこういう改ざんを含めて安い土地取引、破格の土地取引が行われたかということ。これはやはり、どんな形にせよ、どのような関わり合いか全く我々としてもわかりませんので、私たち国会以上に国民の皆さんの思いというのは、「昭恵さんにぜひご説明をいただきたい。その責任が昭恵さんにはあるのではないだろうか」ということを私は改めて強く思いながら、このことについては昭恵夫人の証人喚問も委員会の中で要求をさせていただいたところでございます。

○自民党大会での金メダリストの講演について

【幹事長】
 もう1点だけ。実は自民党大会、昨日行われました。ここでのいろいろな話もありました。
 私個人としては、高木美帆さんがそこでサプライズゲストとしてお招きされたということですが、金メダリスト、これは特定の政党のためにオリンピック選手として活躍をしてきたということではなくて、国民全体のある意味では財産であり宝でありますから、特定の党大会にサプライズゲストとして呼ばれること、納得がいかないということを私は強く感じております。
 それは人間関係で、どうしても行かなければならなかったということでありましょう。ただ単に呼ばれたということだけではなくて、冬のトレセンの設置のお願いをしたということ。そのぐらいのことを言わなければ、これは行く大義がないわけでありますが、やはりオリンピック選手、ましてや金・銀・銅とたくさんのメダルを取って頑張って、ある意味では今、国の、国民のヒロインであり宝でありますから、こういう方を一つの政党に利用されることはいかがなものかと。私自身は個人的には大変不愉快な、不満な思いを持っていることをあえて皆様方にお伝えを、この記者会見で申し上げておきたいと思います。


■質疑

○森友問題 昭恵夫人の説明責任について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 けさの質疑は大変見応えがあった。増子先生があれだけ「助け船」というか、ハードルを下げてなお昭恵さんを出さないというのがすごく印象的だったが、そのかたくなさをどうごらんになるか。
 逆に言うと野党側としては「助け船」、オープンの場といえば記者会見などをちゃんとやれば必ずしも国会に来なくてもいいよという、そういう示唆の「助け船」ということか。その2点を伺いたい。

【幹事長】
 これはやはり説明責任ということ。安倍総理夫人は私人ということをおっしゃっていますが、私人ではないと私は思っています。やはりファーストレディーですから、ある意味では公人であります。その方が、これだけこの問題に関わり合いがいろいろとあると言われている状況の中であれば、当然説明責任を果たすべきだと思っています。
 ただ、証人喚問というこの国会の場での説明というのは、やはり安倍総理ご本人も奥様も、それはなかなか難しいのかなという思いを持つと、今ご理解いただいたように私なりの、それは「助け船」とは申し上げませんが、やはり説明の方法というものはいろいろ考えることができるのではないかということで私が質問させていただいたわけでありますが、これは残念ながら拒否されました。
 多分これ、海外ならば堂々と出てくるのではないかなと。日本ではまだそういう風潮といいますか、国会という場についてはなかなか出にくいということは否定はしませんが、ここはやはり早くこの問題に終止符を打って、昭恵夫人の関与が本当にないんだということを、説明責任を果たすことが、安倍総理にとっても、さまざまな問題点で大変厳しい環境に今置かれていることを解消する一つの手だてではないかという思いを持っておりました。
 我々もこの問題だけで国政が進んでいくということは決していいことではないと思っていますが、しかしこれだけの問題に発展すれば当然国会で私どもは真相解明をしていかなければいけない。ましてや尊い命を失った方も出てきているわけでありますから、国会としての責任も果たさなければいけないという思いで、この問題についてはずっと質問なり追及をさせていただいているということ。宮嶋さんおっしゃったような気持ちがあるということは否定をいたしません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 安倍総理というか現内閣のかたくなさというのは、やはり昨年、「総理夫人は私人である」という閣議決定をしている。今、決裁書の中にも名前が出てきて、なおかつこれだけの世論を見ても、「総理夫人イコール私人」というのは、これは将来の日本国家にとって禍根を残す、大間違いの閣議決定だと私は思っている。再度質問主意書を出したら何と答えるのかと思うが、やはり野党はそこの壁を崩すべきではないか。

【幹事長】
 多分、質問主意書を出しても答えは同じような気がいたしますが、逆に、この問題をずっと安倍さんが引きずっていけば、国民の皆さんから見れば、今の安倍内閣の支持率が逆転して、支持しない理由は「信頼できない」ということですから、ますますこのことがどんどん多くなってくるのではないか。そうすると政権運営ができなくなるのではないかと思っています。
 それは我々にとっても、この問題は内閣総辞職に値すると。昨年の選挙は一体何だったのだろうと。あの選挙は無効ではないかという政治的な意味合いも含めて、極端な話、もう一度解散・総選挙をしてもいいというところまで我々は追い込んで真相解明をしていかなければいけないという状況を場合によっては考えていかなければなりませんので、これは逆に安倍さんにとっても大変難しい問題でありましょうし、悩ましい問題でありましょう。
 しかし、憲政史上、総理夫人が出てこられて堂々と身の潔白を明らかにするということも、また一つの歴史をつくるかもしれませんから。そうすれば、この問題について安倍ご夫妻の潔白を証明するには最もいい機会ではないかと、私はそういうふうに逆に思っているところもありますので、ぜひ、証人喚問とはあえて言いません、堂々と記者会見なり何らかの形で説明責任を、ご夫婦の中で話し合いをされて出てこられたらいいのではないか。どうしてもそれに応じられなければ、国会としては証人喚問を引き続き要求しながら、何とかそういう状況をつくっていかなければという思いを持っております。

○森友問題 内閣総辞職・総選挙を求める声について

【産経新聞・廣池記者】
 今、「あの選挙は無効ではないか」というお話があったが、民進党としては、内閣総辞職を求めるとともに解散も求めるというような立場なのか。

【幹事長】
 基本的にはそのぐらい大きな、今回の公文書改ざん等はそれに値するものだと認識しておりますので、もし内閣総辞職ならば、自民党内の政権交代ではなくて、国民の皆さんに信を問うということの重要性は当然あると思っていますから、信を問うべきだろうと。
 そうすると、私どもの今の状況であれば、この選挙態勢、「おまえら、そんなこと言って大丈夫なのか」と言われれば、これは私どもとしてもしっかりとして、やはり野党結集をしていくということは当然のことでありますから、そういう意味では選挙協力もありましょう。我々が申し上げている「新しい固まりをつくる」ということも場合によっては必要になってくる、より重要性を増してくると思いますし、そういう意味ではぜひ国民の皆さんに政権選択肢を持っていただくということも含めて、そのぐらいの覚悟で我々はこの問題の真相解明をしていかなければいけない。それだけ重い政治的な問題だと認識をしております。

【産経新聞・廣池記者】
 民進党が総選挙も視野に入れる中で、ほかの野党は内閣総辞職を求める一方でまだ解散までは言及はしていない。この点はどうお考えか。

【幹事長】
 この件については、我が党の中では基本的には議員総会でもそういう声が出ておりますし、また当然そういう話をそれぞれの立場で申し上げております。
 と同時に、大塚代表が、やはりここはしっかりと野党連携、新しい固まりをつくっていくべきだということも表で申し上げておりますので、ぜひそういう形ができるように、今後とも最大限に大塚代表を先頭に、立憲・希望、あるいはほかの野党も含めて呼びかけることは当然のことだと思っています。

○イラク戦争開戦から15年に当たって

【「フランス10」・及川記者】
 イラク戦争開戦から3月20日で15年ということで、フランスメディアでは結構報道されているが、イギリスでも米国でも検証委員会が設けられ、ブッシュさんやブレアさんの責任が追及された。そこで、イラク戦争について2点伺いたい。
 イラク戦争について、今、増子幹事長はどのように総括されているのかということが1点。
 あと、なぜ民主党政権の時にイラク戦争の検証ができなかったのか。その理由を伺いたい。

【幹事長】
 イラク戦争については、先週の大塚代表の定例記者会見の中でもご質問いただきましたよね。全く大塚代表と基本的には同じ考えでございまして、一つだけ申し上げれば、いかなる戦争にも正当なる戦争というものはあり得ない。私自身も政治家になった大きな志の一つは、戦争のない平和な国家をつくるということでありますから、そういう意味では戦争のない社会をつくる。世界で。それが大きな私の志であり、政治家としてのこれは目標・目的でありますから、そのためにおいても、戦争は、いかなることがあっても正当な戦争はないという認識を持っております。
 あとは大塚代表がおっしゃったことと全く同じだと理解していただいて結構でございます。

【「フランス10」・及川記者】
 先ほど質問にお答えが抜けていたのが、なぜ民主党政権の時にイラク戦争を検証することができなかったのか。

【幹事長】
 イラク戦争の総括等については、基本的に対外的にこういう問題について総括をして、それを発表したという経緯はたしかなかったと私も認識をしておりますが、それぞれの思いの中では、この問題については議論をずっと重ねてきた経緯もありますし、新たに総括ということ、今後いろいろなこういう紛争・戦争が起きるということは、まずそういう戦争が起きないようにしっかりと、やはりいろいろな手だてを私たちは使って戦争のない社会をつくっていかなければいけない。総括は、新たな戦争が起きたときに、やる前に、二度とこういうことが起きないような形の国際的な大きな力の発信をしていきたいと思っておりますので、民主党時代の総括の時の話は、当時の私どもの立場では、責任者にもなっていませんでしたので、個人的にはみんなそれぞれの思いがあって、「やっぱり、いい戦争じゃなかったよなあ」という思いが、ある意味では総括だったかもしれません。

○東京都迷惑防止条例改正案について

【「フランス10」・及川記者】
 東京都の迷惑防止条例が、改悪だと思うが、改悪されそうだ。立憲民主党の福山幹事長は先週金曜日の会見で、党本部としては反対だとおっしゃっていたが、民進党の都議は委員会で賛成票を投じた。そこで、東京都の迷惑防止条例の改正・改悪に対して増子幹事長はどのようなご見解か、そして、なぜ民進党の都議は賛成しているのか、伺いたい。

【幹事長】
 迷惑防止条例、これも私も民進党自体ということは別として、現時点で私も決して賛成できるという立場にはないというような考えを個人的には持っています。
 都のほうで今後どういうふうな形で取りまとめていくか。これはまたいろいろな形で取りまとめを図っていく必要があればそういうことになっていこうと思っていますし、これはよく検討させていただきたいと思います。

【「フランス10」・及川記者】
 迷惑防止条例、委員会では民進党議員が賛成したが、では都議会の本会議においては反対に回る可能性はまだあるということか。

【幹事長】
 いや、これは基本的には、党の正式決定機関であれば、個人的な考えはあったとしても、やはり党議に基づいていくならば、それは党議に従うということもあろうかと思います。最終的に党がどういう決定をするかという結果を待ちたいと思っておりますので、それは責任者たる方々が決めていっていただきたい。意見を求められれば私なりに意見は申し上げたいと思っております。

○森友問題 佐川前国税庁長官の証人喚問について(1)

【NHK・相澤記者】
 あす佐川前国税庁長官の証人喚問が行われるが、党としてどう臨まれるか、何が明らかになることを期待されるか、改めて伺いたい。

【幹事長】
 あすの証人喚問は、(参議院では)小川敏夫参議院議員会長が質問に立つ予定になっております。
 私ども、きょうの集中審議を見ても、やはり大事なことは、なぜこの改ざんが行われたのかということ。誰の責任で、誰の指示によって、何の目的で。それが佐川さんお一人の責任で行われたのか、あるいは財務省の、理財局の、組織系統として行われたのか。当時の理財局長の迫田さん、そしてこの問題が発覚した時の理財局長の佐川さん、この2人の関係というものについても、佐川さんからは明確に今申し上げたようなことをはっきりと申していただければありがたい。
 さらに、昭恵夫人のこの(決裁文書からの)削除がなぜ行われたのか。これは今いろいろ言われておりますが、佐川さんが責任者であるならば、削除した目的、理由、こういうことをやはりはっきりとしていただきたいということ。加えて、籠池さんが、きょうも、先ほどちょっと申し上げませんでしたが、先週と今週2度にわたって、「再度証人喚問が要求されれば、喜んで出ていきたい」と。ということであるならば、やはり昭恵夫人と籠池さんと両方証人喚問をして、この関係が一体どこでどういうふうにあったのかということを国会の場で明らかにしていただくこともありかと思っています。
 いずれにしても、立法府に対する、ある意味では私どもこれ「蹂躙(じゅうりん)」と言っておりますし、日本の民主主義の根幹に関わる、大変重要なこの改ざん問題であり、土地取引の問題もあわせて、佐川さんにはしっかりと、全ての責任を自分がかぶるということではなくて、真実を話していただきたい。自分の今まで関わってきたことを、公務員として、しっかりとここは説明責任を果たしていただきたい。「刑事訴追の可能性があるから答えられない」ではなくて。
 今、国会の答弁でもまさにこの1点で、皆さんなかなかきちっとした答弁やそういうものが出されていません。そこは、本当に自分がやったことが刑事訴追によって罰を受けるということであるならば、その覚悟を持ってでもやることが一つの責任のとり方ではないのかと思っておりますので、ここは佐川さんにはぜひ、ひとりで犠牲者にならないで、ましてや先ほど申し上げたとおり尊い命を失われた方も出たわけでありますから、そういう方々に対しての責任も含めて、佐川さんには堂々と証人喚問で真実を語っていただきたい。
 特に、同じ福島県人ですから。「福島県人、うそをつかない」ということも含めて、福島県人の矜持を示していただければありがたいなと、そういうふうに私は思っています。

○老人ホーム転落死事件 地裁での死刑判決について

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。川崎市の有料老人ホームで3人が転落死した事件で、元職員の今井隼人被告の裁判員裁判の判決で、弁護士側が無罪を主張していたにもかかわらず、えん罪の可能性があるにもかかわらず、死刑の判決が出てしまった。さまざまな冤罪事件がある中で、日本の警察が民主的に機能しているとは言えない、死刑という残虐な刑があること自体がおかしいと僕は思うが、増子さんはどのようにお考えか。死刑に対して、賛成か反対か。

【幹事長】
 基本的に私は、死刑には賛成なんです。死刑廃止という議連もありましたが、入っておりません。やはり凶悪なこういう事件が、非常に残忍な事件があれば、全てそれで解決するわけではありませんが、その被害者の遺族を含めて、いろいろな影響を受ける方々のことを含めて、死刑制度はあってもいいのではないかと個人的には思っている一人でございます。
 ただ、全て死刑で解決できるとは考えてもおりませんので、改善できる余地があるならば、できれば死刑制度がない社会をつくることもまた一つの考え方であることは間違いありませんが、現時点で私自身としては死刑廃止ということには賛成していない立場ということでご理解いただきたいと思います。

○国会における野党の連携について

【朝日新聞・岡本記者】
 ちょっと総括的な話になるが、「働き方改革」法案の一部取り下げも含め、あとは森友問題で、先ほどおっしゃっていた籠池さんの接見、あしたの佐川さんの証人喚問等々、非常に野党6党でいろいろな協力があり、端から見る限りでは非常に連携・協力がうまいこといっているのかなという評価もあるとは思うが、6党の今後の国会における連携についての幹事長自身の評価を聞きたい。要するに、表にはなかなか見えないマイナスのところがあるのであれば、それも含めて教えてもらいたい。

【幹事長】
 基本的に野党6党の結束ということが、今回いろいろな形の中でいい結果を出していると思います。6党幹事長・書記局長・国対委員長会談も、働き方改革、あるいは今回の改ざんの問題等含めて、かなりの数を重ねてまいりました。私は、そういう意味では、ばらばらになってしまった野党が、6党という形であっても、一つの形で結束をしていくということは与党・政府に対してもかなり大きなプレッシャーになると思います。
 そういう意味では6党のこの結束というのは一定の大きな成果があったと評価もしておりますし、また今後もそういう形を、現状のままならしていかざるを得ない。しかしながら、できれば大きな固まりをつくって、その中で政府・与党と対峙しながら、そして来るべき総選挙で政権交代ができるような選択肢をつくることが我々の国民の皆さんに対しての責任ではないかとも思っていますので、今申し上げたことが一定の成果が上がり効果があるということ、できればその先の大きな固まりに進んでいければより大きな効果が出てくるのではないかということで、総括をさせていただきたいと思います。

【朝日新聞・岡本記者】
 一つの大きな固まりができればそれにこしたことはないと思うが、その大きな固まりをつくる過程で、そういう固まりをつくるには反対だというような人たちが出てきて、さらに細分化しかねないという状況であれば、逆にいえばそういった一つの固まりにはしないほうがいいという意見も多いとは思うが、その点はいかがか。

【幹事長】
 まだ具体的にそういう方法に入っていませんので、何とも言えません。どういう形になるかわかりません。しかし、今回のこの問題を考えてみると、一連の国会対応を見ても、やはり野党がばらばらであってはならないということは明々白々だと思います。ですから何らかの形で、小異を捨てて大同につく。あるいは、一強多弱のこの政治状況は国民の皆さんにとっても日本にとっても決していい状況ではないことは明らかだと思っていますので、できるだけ皆さんが一緒になれるような環境醸成のために最大限の努力をしていきたいと思っています。

○森友問題 佐川前国税庁長官の証人喚問について(2)

【読売新聞・前田記者】
 あすの証人喚問だが、小川参院議員会長を起用する狙いについて伺いたい。

【幹事長】
 これはもう、予算が参議院に回ってきておりますし、大事な証人喚問がある意味ではようやく、6党幹事長・書記局長・国対委員長会談を重ねて実現したことですから、これはやはり参議院の責任者である小川会長にやっていただくことは当然のことだと思っています。そして、小川会長の経歴を見てもわかるとおり、それに最もふさわしいお一人だということであれば、ここは「小川会長の出番ですよ」ということで、小川会長にやっていただくということに参議院の国対を中心として決めたということでございます。

○森友問題 籠池前理事長との接見について

【産経新聞・廣池記者】
 本日の籠池被告との接見についてだが、100万円の寄附の問題について、「なぜそうなってしまったのかな」と籠池被告が答えたということだが、これは100万の寄附を受け取ったというふうに言っているのか。
 また、今回2回に分けて接見を行ったが、収穫ありというふうにお考えか。

【幹事長】
 私自身としては、今の100万円のことについては、矢田さんから報告を受けた時には、当然受け取ったということの認識だというふうに個人的には思っていますので、どうぞこれからの記者会見で確認をしていただきたいと思っています。
 今回の接見の効果は、やはり籠池さんの言っていることが全て真実とは私どもも現時点では申し上げることには至りません。それはわかりません。
 ただ、8ヵ月にもわたって拘留されて、接見もできず、いろいろな状況に置かれているという環境から、逆に、よく国会の、この野党6党に接見の許可が出たなということも私としても驚いているということが本音であります。
 いずれにしても、国会の果たすべき役割としての一つ成果として接見ができたということ、これは大変よかったと思っています。
 その中で、籠池さんから言われたことと国会で今議論されていることの整合性をどうとるかという、ずれ、溝をどう埋めるかということについては、一つ大きな接見の効果だったと思っていますので、ぜひこの問題についてはさらに国会でしっかりと取り上げて追及し、答弁をいただき、また整合性をとれるような形がとれればと思っています。
 先ほど申し上げたとおり籠池さんがまた証人喚問に応ずるということもおっしゃっているようですから、ぜひこれは籠池さんにまた出てきていただいて、この間の籠池さんの置かれていた立場を含めていろいろなことを証言していただくならば、それはそれとして、そういう環境がつくれるスタートになったのかなと。そんな思いを持っていますので、やはり効果はあったのだろうと思っています。
 やはり昭恵さんとの関係もかなり、真実かどうかわかりません。しかし、籠池さんのこの話ということから見れば、やはり先ほど申し上げたとおり、昭恵夫人の説明責任はこれだけをもっても十分それに値するものではないだろうかということも強く感じているところです。