党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年4月3日(火)15時20分~15時45分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=VQTZAQRRNGk


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○陸自イラク日報問題について

【「無所属の会」代表】
 私から冒頭、何点か。
 まず防衛省のイラク日報問題ですが、「ない」という説明をしてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が、陸自の中で見つかったということであります。
 今ごろ出てきて非常に疑問に思うわけですが、とりわけ1月に発見されたものが、2ヵ月以上なぜかかったのかということも不明であります。まるで予算が上がるのを、そして予算委員会が終わるのを待っていたかのような、こういうタイミングで出てきたことは非常に不自然であります。
 もしそういった、出てきてしまったけれども、あまり早く出てくると国会で問題になる、というような隠蔽する意図があったとすれば、それ自身許しがたい背信行為だと思っております。
 いずれにしても、国会においてしっかりと議論の場を設けて議論していく必要があると考えております。
 それから、実は安保法制の議論のときに私は、イラクへの自衛隊の派遣について、陸自もそうですが空自が問題だということを、2回ほど予算委員会あるいは特別委員会の中で問題提起しております。サマワでの陸自の活動も大きな話題になりましたが、空自の活動は、米兵を運ぶなど、より戦闘行為に近い行動をしていた可能性が高いわけです。しかし、その内容はほとんど知らされないまま。したがって、陸自があるならば当然空自もあるはずですから、空自の日報もしっかり探して出してもらいたい。そしてそこで、当時のイラクに対する派遣法制に反するようなことが事実上行われていたのではないかという懸念に対して、しっかりと検証する必要があると思っております。

○新党結党 全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議での議論について

【「無所属の会」代表】
 日曜日に全国幹事会が開催されまして、いろいろなご意見が出ました。最終的には、新党の準備会をつくって議論を進めていくことについて承認が得られたということであります。
 その際、何人かの方から、私なり「無所属の会」はどうするのかというご意見をいただきまして、私は、両院議員総会で一定の方向が出た後なので、出席はするけれども発言はしないつもりでありましたが、ご質問いただきましたので発言いたしました。幹事長も、私がこう言っていたというご発言も(昨日の定例会見で)あったようですが、正確にちょっと申し上げておきたいと思っています。
 私が申し上げたのは大きく言って、三つです。
 一つは、私自身が25年間、自民党にかわる政権を担える政党をつくるということで一貫してやってきた。その信念は揺るがないし、目指すところは全く変わっていないということが一つです。現在の野党の中で、大きな固まりをつくっていきたい。
 2番目。その大きな固まりをつくるに当たって、いろいろな方法があると。今回の新党構想についての私の意見・懸念というものについては、もうこの場も含めて何回も申し上げてきましたので、あえて繰り返すことはいたしませんでした。そして、今執行部が考えている新党の方向性でいくということであれば、その構想がうまくいくことを願っている、ということであります。
 3番目。では、私自身がその新党構想についてどういうスタンスをとるかということについては、現時点では決めていない。私には私の考えがあり、とにかく政権交代可能な政治、自民党にかわる政権を担える政党をつくるために自分がどういう行動をすべきなのかという視点でしっかり考えてみたい。こういうことであります。

○選抜高校野球 三重高校の活躍について

【「無所属の会」代表】
 記者会見とは直接関係ありませんが、現在、三重高校がリード中でありまして、夏に決勝戦で敗れた相手にぜひ勝って、決勝に進んでもらいたいと思っております。


■質疑

○「中道的な新しい党」「新しい民主党」の結党方針について(1)

【NHK・稲田記者】
 新党関係だが、増子幹事長が福山幹事長のところを訪れ、この後、古川幹事長とも会談して党首会談を呼びかけるという段取りだが、このテンポ、それから執行部が向かっている方向性についての評価を伺いたい。
 また、ご自身は決めていないと日曜日におっしゃっていたが、きょう変わることがあれば、一応そこも伺いたい

【「無所属の会」代表】
 先ほど申し上げたように、私自身、現時点で決めておりません。自民党にかわる政権政党をつくるためにはどうすればいいかという、その一点で考えたいと思っております。
 執行部がいろいろとやっていることについて一々コメントするつもりはございません。大きな方向としては党として了承した話なので、それについてあまり詳細にわたって言う話ではないと思います。

【時事通信・岸本記者】
 関連で。これまでは「敵に塩を送るようなことになる」とか否定的な見解だったと思うが、先ほどのご発言だと、「執行部の構想がうまくいくことを願っている」とおっしゃっていて、もし考え方に少し変遷があったのであればご説明いただきたい。

【「無所属の会」代表】
 変化はありません。
 決まるまでは、私も自分の経験に基づいていろいろな意見は言いますし、党内の会議でも、両院議員総会・懇談会の場でも、こちら側(執行部席)に座っていたのですが、そこでも一度は発言させていただきました。
 ただ、党として方向性が決まったことですから、そのことについていろいろと言う段階ではなくなっていると思っています。
 大きく何かずれるようなことがあれば言うことはあるかもしれませんが、基本的にはそれは方針に従って執行部がやられていることと理解しています。

【読売新聞・松下記者】
 関連で伺いたい。民進党と希望の党の新党について、きょう希望の細野議員が新党への不参加をツイッターで明らかにした。これまで希望については「けじめ」をつけなければいけないということもおっしゃってきたと思うが、これによって一つ希望に「けじめ」がつく見通しになったが、そのことについて、きょうの時点では変わっていないとおっしゃっているが、何か考えることはあるか。

【「無所属の会」代表】
 私は「けじめ」ということをかつて申し上げてきたわけですが、何が「けじめ」であるかということは一切申し上げておりませんので、ご質問には答えられません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 改めて岡田さんの懸念を伺いたいが、政党支持率が1%前後の政党というのは、その存在というのかアイデンティティーを喪失しているのだと思う。そういうものが二つくっつく。一方、十何%あるところを外している。それをもって民主主義と国民生活を守る「中道的な新しい党」とか「新しい民主党」とか、そういうものが国民に振り返られると思うのは私は信じられないが、その辺は、ただ大きくなればいいというのがもともと岡田さんの言っている「大きな固まり」論なのか。本質が伴っていないのではないか。

【「無所属の会」代表】
 両院議員総会で確認、決めるまでは、私はいろいろなことを申し上げておりました。今のご質問のような趣旨のことも申し上げたことは当然あります。
 ただ、今の時点では私は言うべきではないと思っています。

【共同通信・小野塚記者】
 関連してだが、冒頭の発言でも防衛省の日報問題などに触れられたが、国会が開いていれば、いろいろ問題が出てきて、現在政権も非常に不祥事が続いているような段階で、野党としてはここを追及していくところであると思うが、その中でこの新党構想が動いていることについて、国民から理解が得られるとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 確かに与党は今、非常に厳しい状況に置かれていると思います。そういうときに新党の話ということについては、ご指摘のようなこともあるかもしれませんが、私はかつてこのことについては申し上げておりますので、ここで繰り返すことはいたしません。

【共同通信・小野塚記者】
 「無所属の会」についてだが、会としてこの新党構想に対して対応していくというお考えはあるか。

【「無所属の会」代表】
 きょうも総会がありましたので、少し議論しました。当面、新党協議会の様子を見守るべきだというのが、きょうの結論であります。
 もう一つ私が申し上げたのは、新党協議会に「無所属の会」として参加するということは考えていない。したがって「無所属の会」所属の議員の中で新党協議会にぜひ入って議論を一緒にしたいという希望がある方は個人として執行部と話をしてください、ということを申し上げたところです。
 あとは、コミュニケーションをよくしていきたいと思います。一緒にやってきた14名の仲間ですから。
 ただ、最終的にはこういう問題は議員一人ひとりの出処進退の問題ですから、どこかでタガをはめるとか、そういうことではなくて、一人ひとりが自分の責任で決めることだと思っています。

【時事通信・岸本記者】
 今の関連だが、「無所属の会」は代表として残すべきとお考えになるか。それとも、一旦その個々人に判断を任せて、最終的には解消という形になるのか。どういうふうに代表としてはお考えか。

【「無所属の会」代表】
 「無所属の会」というのは、衆議院における会派なのですね。したがって、これから新党ができてどういう会派ができるかと。そのときにはもう「無所属の会」としては存続していないということになるのだろうと思いますが、いずれにしても、これはどういうふうに新党構想が動いていくかということにもよるのだろうと思っています。

【朝日新聞・山岸記者】
 1%と1%の政党がという話が先ほどあったが、一方で、合流すれば野党第1党という立場に数の上ではなっていく可能性が高いのかなと思う。そうなってくると、やはり野党第1党としてのプレゼンスみたいなものが自動的についてくる。規模が大きくなることによって露出が増えるとか、支持が得られるとか、そういう展望というものは代表はお持ちか。そういった意味で、先ほどの「固まり」ということをおっしゃっているのか、あるいは違う意味であればそういうこともお伺いできれば。

【「無所属の会」代表】
 私の「大きな固まり」というのは最終形ですから。その途中の形を言っているのではないのです。
 その新党と立憲民主と、どちらが第1党になるのかということは、これはやってみないとわかりませんから、仮定の質問にはお答えしないほうがいいと思います。

○雑民党・故東郷党首について

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。6年前に日本人にとっては忘れられない出来事が起こった。雑民党の党首の東郷健さんが亡くなられたのが2012年4月1日だが、この東郷健さんの七回忌についてどうお考えか。それと、東郷さんのご活躍についても、その当時どうお感じになられたのか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 特に私は交流もありませんでしたので、特に申し上げることはありません。

○東京労働局長「是正勧告」発言・「働き方改革」法案について

【NHK・稲田記者】
 東京労働局の勝田局長が(記者会見で報道陣に対して)「何だったら皆さんの会社を是正勧告してもいい」ということを言って、きょう加藤厚生労働大臣が「処分も検討する」と発言した。この労働局長の発言と、厚生労働省は近く「働き方改革」法案の閣議決定を目指しているが、こういった状況で政府が法案を出してくることについてどう見ていらっしゃるか。

【「無所属の会」代表】
 まさしく権力をかさに着たような物の言い方で、そういう方が要職におられるということは驚きです。
 それから、非常に意図的に調べをかけることができるというふうにも受け取られるわけで、公平公正でなければならない行政が、そういう形で、自分たちの気に食わない、意見の合わない人に集中的に調査をかけるとか、そういうことはあってはならないことで、厳しく対応してもらいたいと思います。
 法案そのものは、我々のスタンスは既に固まっております。なぜ高度プロフェッショナル制度が残っているのかということは理解できないことですから、ここはまた委員会の中でしっかり議論していく必要があると思います。

【朝日新聞・山岸記者】
 関連して。「厳しく対応」ということだが、具体的に更迭・辞職、こういったものを求めていくお考えはあるか。

【「無所属の会」代表】
 具体的な話は、あまり私が言うべきではないと思います。それは、言うとしたらやはり党の代表なり政調会長が言われる話ではないかと思います。

○森友問題 佐川氏証人喚問・今後の真相解明の取り組みについて

【「フランス10」・及川記者】
 佐川前国税庁長官の証人喚問から1週間になるが、そのご感想と、森友問題を今後どのように追及していくか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 極めて不自然な証言だったと思うのです。「刑事訴追の可能性があるから答えられない」と言って、基本的に全て証言拒否をしている。刑事訴追と関係のないことも含めて証言をしなかったということと、そういう中で、「政治家や官邸の関与はありません」というところだけ妙にはっきりと言われた。私は聞いていて非常に腹が立った。そして、財務省というか霞が関への国民からの信頼が失われているときに、それを少しでも取り戻すために正直に話してもらいたかったと思います。
 今後、これはまた野党6党で協議しながら、野党6党がしっかりまとまっていることが大事だと私は思いますが、さらなる証人喚問その他(を求めていきたい)。
 私が非常に気になっているのは、やはり文書の改ざんの問題も重要ですが、同時に重要なのはそもそもの値引きの問題ですから。いろいろな新しい話も出てきております。国として、なぜ国有地の調査ができないのか。しっかりと10メートルを掘り返してみて、ごみの状況が積算の根拠になったものと整合的なのかどうかと。そのことはすぐにできることなので、ぜひやるべきだと私は考えています。それを拒むのは、何か言えないことがあったと言われても仕方がないと思っています。

○憲法論議について(1)

【産経新聞・廣池記者】
 憲法に関連して伺いたい。与党側は今、衆院の憲法審査会の開催に向けて幹事懇談会を呼びかけているが、野党側はなかなかこれに前向きな姿勢を示していない状況だ。森友や日報問題があるからかもしれないが、こういった与党側の呼びかけにはどう対応していくべきとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 これは憲法調査会の現場で判断することではないでしょうか。

○一連の動きの総括について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岡田さんは生粋の政権交代論者なので伺いたいが、結局、蓮舫さんがやめずに100とか120ぐらいで固まりがあったら、本来、政府・与党を解散に追い込んでという、実はそういう局面なのだけれども、こんなことになってしまったと。これは野党は本当に国民にお詫びしないといけないと私は思うのだが、そういう反省をどうお考えになるか。全く2周ぐらい遅れて二つちょっとくっついたって何も起こらないと僕は思うが、本当の総括が足りないのではないか。その辺、どうごらんになるか。

【「無所属の会」代表】
 今おっしゃった後段の問題はちょっと別にしまして、蓮舫さんが代表をやめるかどうかということもありましたが、せっかく選んだ蓮舫さんをみんなで支え切れなかった。やはり足を引っ張る、そういう動きがかなりあったことは事実です。だから彼女はやめたと思います。
 しかしその後、いい代表選挙をやって前原代表が選ばれたわけですから、当然、民進党を引っ張って、解散を打たれたらそれに対して正面から立ち向かうというのが代表の本来果たすべき役割だったと思います。
 それが違う決断になって、そして現状、私は本当に残念に思っています。今まで二十数年間やってきたこと、それを根底から否定されたような形になっていますから。そして、それは私自身のことよりも、日本の政治にとって大きなマイナス、後退であったと。
 我が党は、あの決断は過ちであったということは総括をいたしました。我が党以外にも、あれは何だったのかということはしっかりと反省し、それを踏まえて新たな動きをしてもらいたいと思っているところです。

○陸自イラク日報問題について

【テレビ朝日・村上記者】
 日報問題に関連して伺いたい。希望の党は、稲田前大臣の国会招致を求めている。代表は先ほど「検証をしなければならない」とおっしゃったが、検証の一環としてこれは国会招致に値するとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 誰の国会招致ですか。

【テレビ朝日・村上記者】
 稲田前大臣。

【「無所属の会」代表】
 その辺の具体的なことは、やはり現場あるいは国対ベースで6党で協議することで、代表が何か言われるならばともかく、私はあまり自分の意見を言わないほうがいいと思います。
 ただ、はっきり申し上げておきたいのは、先ほども言いましたように、空自についても日報はあるはずでありますので、しっかりと調べてもらいたいと思います。

○IR実施法案への対応について

【共同通信・小野塚記者】
 IRについて、今、与党のほうでかなり話が詰まってきているところだが、このIRの法案に関してどういった態度で民進党としては臨むべきとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 これは、これから議論しなければいけない。私としてはもっと早くからIRとエネルギー政策はこの国会で、特にIRは法案も出てくるわけですので早く議論を始めるべきだということは申し上げてきたのですが、まだなかなか本格的な議論に至っていません。
 そういう中で、この新党の話になってきておりますので、タイミングは非常に微妙ですよね。新党になってから決めるということになるかもしれません。ちょっと新党の全体のスケジュール感は私はよくわからないのですが。
 おそらく、我が党と今の希望の党の皆さんの間では、大分考え方は違うのかなと思っていますが、新しい党になれば、また新しい党の考え方が出てくるかもしれませんので、微妙ですよね。
 ただ、とりあえず現在の民進党でどうなのかということはちゃんと議論しておいたほうがいいと私は思います。
 私は、(法案に対して)反対です。

○憲法論議について(2)

【読売新聞・松下記者】
 先ほどの憲法審査会の関連で伺いたい。立憲民主党は、CM規制など国民投票法の改正を目指しているが、こうした国民投票法改正案の審議であれば応じられるというような考えはあるか。それとも、やはり安倍政権であれば対応し切れないという考え方はあるか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 これは、僕に聞いて、僕が何か自分の意見を言っても仕方がない話で、党としての対応をしっかりと決めていく必要があると思います。
 ただ、憲法9条についての私の考え方はブログで述べておりますので、また参考にしていただきたいと思います。
 むろん、自民党の案は非常に大きな問題があると思っております。本来であれば、そうであれば自衛権。我が国として行使すべき自衛権の範囲というのはどうあるべきかということをきちんと議論して、その上でそれをどう憲法に書くか。今の憲法でいいのか、それとも変える必要があるのかということを議論するというのが物事の順序ではないかと思っています。「自衛隊を書くだけだから、いいでしょう」というのはあまりにも姑息だし、そして案文を見る限り、やはり自衛権の範囲ということを議論せずにあの条文を認めるわけにはいかないと思います。