地域主権型社会(地域主権改革)

  • 地域主権型社会の構築にあたって、「権限・財源・人間」の東京一極集中を脱して、地域の創意工夫による自立を可能とする社会を構築します。ものごとの決定や自治の活動などをできるだけ小さな単位で行い、そこで行えないことをより大きな行政単位が補う「補完性の原理」と、最も住民に身近な公共団体が優先的に執行する「近接性の原理」に基づく原則を重視します。

  • 基礎自治体である市町村は、住民に一番身近な地方自治行政の基本単位であり、市町村間連携、広域連携、市町村と都道府県間の連携を通じ、地域住民の自主的な選択によって、多様性を認めつつ効率的・効果的な行政運営を行える仕組みを検討します。

  • 国から地方への権限移譲は、自治体からの自発的な発意を重視しながら、住民に最も近い行政主体である基礎自治体への移譲を基本として、受け入れ能力に配意しつつ推進します。

  • 基礎自治体の強化を図りつつ、道州制への移行をめざします。その際、それぞれの地域の選択を尊重します。

  • 国の出先機関は、原則廃止を目標として整理し、ガバナンスの確保や国と地方を通じた行政組織・運営の最適化、事務の集約化・スリム化を図ります。

  • 各府省の「ひも付き補助金」を見直して「一括交付金」を拡充して復活させます。これにより、現行のひも付き補助による事業内容の縛りを廃し、地域自ら考え、住民とともに知恵と創意を生かし、より効果的な財源活用をめざします。

  • 道府県から独立した特別市や、政令市内の区への大幅な分権等、地域の創意と住民や関係機関等との合意を前提として、新たな自治のあり方を選択できる仕組みを創設します。

  • 自治体間格差を是正し、地方財政を充実させるため、一括交付金の復活・拡充、地方の自主財源の確保を進めた上で、将来的には、地方交付税制度と一括交付金制度を整理し、財源調整と財源保障の機能を強化した予見可能性のある安定した地方財政制度の構築を目指します。現行の地方財政計画や地方交付税の算定にあたっては、「国と地方の協議の場」を活用し、決定過程の透明化を図ります。

  • 地域の発想に基づく規制改革を推進します。

  • 地方自治体の適切な予算執行のため、競争性のない随意契約の削減、議会主導・市民公開の事務事業レビューの実施を推進します。

  • 地方自治体の非正規職員の法的位置付けを明確にし、非正規職員の雇用の継続と正規職員との均等待遇を実現します。

ICT(情報通信技術)政策

  • 世界中のすべてのものがインターネットにつながるIoT時代を迎え、成長戦略の柱に「ICT(情報通信技術)」を位置付け、製造業や金融業のICT化を実現します。また、産・官・学・民の強力な連携体制により、国民生活のあらゆる分野で課題解決型の先進的なICTサービスの提供と質の高い雇用の創出を実現し、国民の暮らしを豊かにしていきます。フィンテックの推進により、東京(大手町)をニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)に並ぶ世界の金融拠点とします。

  • ICTを最大限活用し、情報の収集・選択・活用能力を培う学習者本位の教育を行い、地域の特性を活かした専門的な高等教育と連携し、地域活性化の核となる人材を育成します。教育クラウドを推進することで、限界集落や離島などをはじめとする住民に対して都市と遜色のない主体的な学習活動を支援します。小・中・特別支援学校へのネットワーク基盤環境の整備、デジタル教科書の普及、インクルーシブ(ともに生きともに学ぶ)教育、支援技術の研究・開発・普及体制を強化します。

  • 遠隔医療診療の普及などICTの積極的な利活用によって、遠隔地での生活上の不安の解消など資源の偏在に対処し、各地域と専門家との相互連携の拡大をめざします。

  • ICTの恩恵を受ける人と受けない人との間に生ずる格差(デジタルディバイド)を解消するため、誰もがICTを利用できるよう、基盤整備や支援を進めます。

  • 情報セキュリティ対策の向上を図りつつ、政府情報システムや地方自治体の情報システムについて、クラウド化を推進します。国・地方通じた行政における情報通信システムの運用コストについて、さらなる運用コストの削減と、削減スピードの加速化をめざします。

  • 頻発するサイバー攻撃やマイナンバー導入による個人情報漏洩を防ぐため、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の権限を拡大し、地方自治体のネットワークや重要インフラ施設(原子力発電所等)も直接監視できるようにします。

放送・通信政策

  • 通信・放送行政を総務省から切り離し、放送免許の付与・更新や番組規制などを行う規制監督部門を独立性の高い独立行政委員会として設置する通信・放送委員会(日本版FCC)に移し、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入の排除を進めます。

  • 放送と通信の融合の時代の進展に見合うよう、放送法の改正を検討します。

  • 放送については、地域社会・文化の振興、ユーザーである視聴者の利便性向上、わが国経済の成長への寄与をめざし、スマートテレビ等の放送サービスの高度化、デジタル放送日本方式(ISDB-T)の海外普及の促進、コンテンツの海外展開の強化等の施策を推進します。地上デジタル放送については、難視聴対策、字幕放送、解説放送の拡大などを進めます。また、インターネットを介した放送番組の流通など、コンテンツの2次利用の促進を図ります。

  • 電波オークション(電波利用権限の入札による取得)の導入などを通じて、国民の財産である電波の公平・公正な利活用を図ります。また、電波利用料の引き下げを検討し、多様な通信サービスの開花を促します。

マイナンバー制度

  • マイナンバー制度が確実に運用され定着するよう、国民全体への周知や事業者への指導・助言等の体制整備を推進するとともに、個人情報の保護やなりすまし防止等、制度に対する国民の不安の払拭を進めます。

  • 現行のマイナンバー法で定められた社会保障・税・災害対策の3分野以外の利用の際は、国民への丁寧な説明と合意形成を図ることを前提に、安全性の確保、行政の効率性、国民生活の利便性の向上が認められる項目のみを検討対象とします。

郵政事業

  • 平成24年(2012年)に成立した改正郵政民営化法に基づき、国益を第一に考え、郵政・金融サービスを国民があまねく受ける権利を保障するユニバーサルサービスの維持・提供を進めます。

  • 郵便貯金銀行、郵便保険会社の新規事業の認可にあたっては、郵政グループ各社の経営の自主性の観点と利用者の利便性向上の観点等から、法律に基づく手続きを進めます。

  • 郵便貯金銀行、郵便保険会社の資金については、政府の株価対策に利用されることのないよう、郵政民営化法の趣旨に沿った持続可能性のある適切な運用が行われることを推進します。

  • 日本郵便株式会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社に係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス担保等の観点を見据えて検討を進めます。

  • 復興財源の確保に向けて、市場環境等を勘案しつつ、日本郵政の株式売却を進めます。