神山洋介議員は18日、衆院予算員会で質問に立ち、(1)軽減税率導入に際しての対象品目の考え方(2)17日参院憲法審査会での丸山和也議員の発言(3)甘利前大臣元秘書によるUR補償交渉への関与――について取り上げ、政府の見解をただした。

 神山議員は、軽減税率の対象品目の考え方について理解が広がらない、よく分からない状況にあるのは、「標準税率と軽減税率と、その区分をする際にすべてに通底する概念、思想がないからではないか」と指摘。麻生財務大臣に見解を求めたが、明確な答弁は得られなかった。

 そのうえで、15日の古川元久議員の質問の際のハンバーガーショップでのセットメニューの扱いをめぐる議論を振り返り、ハンバーガーとジュース、ポテトのセットメニューのうちジュースは店内で飲み、それ以外は持ち帰るという意思表示が販売する時点であった場合の対応についてあらためて確認したところ、財務省の加藤主税局長は、「税法上、販売事業者の責任で決めることになるので、顧客の意思確認をしっかり行うことが重要。通常の買い方では一体で買われれば(テイクアウト、店内飲食それぞれ)8%、10%になるが、ジュースだけを店内で飲む場合はセット商品にはならないので分けて、ということになるのではないか。買うときの意思の確認を前提に適用状況を考えていただく」「税法上の取り扱いとしてはセット商品にはならない。事業者の方に工夫をしてもらう必要がある。取り扱いについて制度周知を図ることが大切」などと答弁。神山議員は、「制度の欠陥を現場に押し付けることはあってはならない。現場に押し付ける負荷があまりに大きく、個々人の消費生活に混乱を生み出すことが想定される制度を導入すべきではない」と、制度の見直しを求めた。

 自民党の丸山和也議員が17日参院憲法審査会で、オバマ米大統領について「今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ、はっきり言って」などと発言したことについては、「いかようにも抗弁できないひどい話」「大統領に対してある意味侮辱とも受け取れる話」と厳しく非難。菅官房長官、岩城法務大臣に見解を求めたものの、両者とも「政府の立場としてコメント控える」と答えるにとどまった。「この国全体の人権意識を考えていくという大事な立場から」と岩城法務大臣にあらためて尋ねると、自民党議員から「言論統制ではないか」と野次が飛び、議場は一時騒然。この点について後刻理事会で協議することとなった。

 甘利前大臣元秘書によるUR補償交渉への関与をめぐっては、これまでの議論のなかで「秘書は具体的な交渉内容には関わっていない」と説明されていることから、既に公表されている部分に加えて、公開できる部分があるのではないかと主張。「隠すような内容でないのであれば公表した方が余計な疑念を抱かれないのではないか。もう一度再検討してほしい」と要請したが、石井国土交通大臣は、「公表範囲はURで判断されるべき事項であり、URが可能な限り開示したもの」とこれを拒否した。

自民党議員から「言論統制ではないか」とやじが飛び、議場は一時騒然

自民党議員から「言論統制ではないか」とやじが飛び、議場は一時騒然