原口一博議員は22日に開かれた衆院予算委員会の一般質疑で、「主権と人権」をテーマに(1)開示された米国公文書(2)日ロ関係について(3)FMS調達(4)普天間基地移設にともなう問題――などについて、関係閣僚に質問した。

 質問に先立ち、同日が島根県条例で定める「竹島の日」であることに言及、1908年にわが国が竹島を測量しており、わが国固有の領土であることは明らかだと断じた。

 日ロ関係について、「昨年12月1日にロシアの国防大臣が、わが国固有の領土である択捉島、国後島の軍事区画化について発言した。とても容認できないが、外務省はどういう対応を行なったのか」と質問。岸田大臣は、「12月4日に在京ロシア大使館の次席公使に遺憾であると申し入れた」と答えた。原口議員は、「そんなレベルでいいのか。さらに3日もかかっている。軍事区画化でもあり、そんな簡単な話ではない」と政府の対応を批判した。

 原口議員は、「安倍政権は、大変な勢いでFMS調達(日米両国間の協定により装備品等を政府間の直接取り引きによって調達する施策)を伸ばしている。麻生内閣では年間600億円余り、民主党政権では500億円余りだった調達金額を、安倍政権は16年度予算では5千億円近くまで増やしている。さらに多額の未納入がある上に、管理がずさんそのものだ。われわれはテロと戦っている。それなのにミサイルの納入はどうなっているのか、部品が何か分からないなどというのはどういうことか」「われわれは行政改革レビューでさんざん検討して、随意契約が出来ないように指示してきた。しかし、12年度の行政事業レビューを見ると、落札率が99.8%以上。こういうものに不正がなかったと言えるか。15年度では入札すらしていない。同じお金があるのなら、例えば、ヘリコプターが着陸する時に、下が見えなくて事故が起きている。そのお金で下部監視カメラを取り付けるとかできないのか。こんな予算の使い方は認められない」と批判した。

 オスプレイの訓練が九州に移転するという安倍総理の発言について原口議員は、「何が九州に移転したのか」と質問。中谷大臣は、「沖縄の負担軽減から、県外訓練を行う場所の例示として九州を上げた」と述べ、具体的にどこに移転するとも答えなかった。原口議員は、「民主党政権の時に、海兵隊は、陸空一体でなければ訓練できないと説明を受けた。訓練時には九州に陸上部隊と航空部隊の両方が移設するのか」との質問に、中谷大臣は、「県外訓練を行なう場所の一例として九州を示した」と、同じ答弁を繰り返した。

 原口議員は、「民主党政権時に、『海兵隊は、陸空部隊が一体とならない訓練はあり得ない』と外務、防衛官僚から説明を受けた。このことの認識の確認と、説明をした公文書を出してほしい」と要求。中谷大臣は、「説明の通り」と答弁。岸田外務大臣は、「政府内でのやり取りを公にすることは適切ではない」として、開示を拒否した。原口議員は、提出するよう理事会での協議を求めた。

 最後に原口議員は、「表現の自由に理解のない総理大臣が、憲法改正を語ることはおかしいと思う。憲法を語る人は、人権をしっかりと学び、歴史と正対しなければならない。それが最低の条件だ。それが出来ない人が憲法改正を言うことは認められない」と述べて質問を終えた。

PDF「原口一博議員配布資料」原口一博議員配布資料

岸田大臣、中谷大臣らを追及する原口議員

岸田大臣、中谷大臣らを追及する原口議員