民進党は4日夕、党政治改革推進本部の総会を国会内で開き、新しい役員構成について了承するともに、衆院選挙制度改革について各会派の考えを示してほしいとの大島衆院議長からの求めを受けて民進党として提示予定の「衆議院議員選挙区画審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の概要(案)」について意見を交わした。

 冒頭のあいさつで本部長の枝野幸男幹事長は、「議員定数の大幅削減を安倍自民党総裁は国民の前で約束した。そして最高裁の違憲状態判決が出ている。このことを踏まえて、定数削減と定数是正の両面を一刻も早くやらなければならないという中で進んでいる」と述べた。そのうえで、各党協議では改革の方向性が決められないがゆえに第三者の調査会に検討を委ね、その答申が示されたにもかかわらず、調査会設置に積極的だったはずの与党が党利党略に基づき右往左往しているのが現状だと指摘。答申が求める定数10減に関して、「何とか定数削減と「1票の格差」是正をこの国会中にということで、われわれとしては不十分ではあるが半歩進めるという可能性は出てきている」として、議論を呼びかけた。

 議長に提示予定の「衆議院議員選挙区画審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の概要(案)」は、(1)基本的には調査会の答申を尊重すること(2)定数10削減は甚だ不十分だが答申に対して真摯(しんし)に受け止めていこうということ――等の考えのもと、2010年の国勢調査の結果に基づきアダムズ方式に基づいて定数10削減を図っていく内容とすることで総会として了承した。出席議員から、改革の今後を見据えてさらに踏み込んだ定数削減の方向性を入れ込むことが必要との意見があり、付則の中に入れることとした。また、このままでは人口減少で地方の声が国政に届かなくなることが懸念されることから、制度全体のなかで地方の声を吸い上げていく仕組みづくりへの検討条項を盛り込むことも共有した。

 各党から衆院議長に考え方が示された段階で、与党からの提示内容しだいで民進党としての案を法案として提出する必要性が生じた際の対応については本部長に一任された。総会後に黒岩宇洋事務局長が記者団に説明した。同本部の役員構成は以下の通り。

民進党政治改革推進本部の構成

  • 本部長 枝野幸男幹事長
  • 本部長代理 今井雅人幹事長代理
  • 副本部長 小川敏夫参院幹事長、武正公一組織委員長、逢坂誠二ネクスト総務大臣
  • 事務局長 黒岩宇洋衆院倫選特理事
  • 事務局次長 落合貴之衆院倫選特理事
  • 幹事 足立信也参院倫選特理事、笠浩史衆院国対筆頭副委員長、後藤祐一衆院議員、初鹿明博青年局長
  • 委員 党所属国会議員
「衆議院議員選挙区画審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の概要(案)」について意見を交わす政治改革推進本部総会の参加者ら

「衆議院議員選挙区画審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の概要(案)」について意見を交わす政治改革推進本部総会の参加者ら