民進党は11日、都市再生機構(UR)が東京地検特捜部の捜索を受けたことを踏まえ、「甘利前大臣疑惑追及チーム」を開いた。

 会議の冒頭、同チーム座長を務める大西健介議員があいさつに立ち、「もう一度皆さんに思い出していただきたい」として、(1)千葉県の道路建設をめぐって長年滞っていた事案で甘利事務所の介入によって2.2億円の補償が行われたこと(2)お礼の意味で甘利前大臣が大臣室で50万円を受け取ったこと(3)産業廃棄物の処理や立ち退きについてさらなる口利きの依頼の意味を込めて50万円が渡されたこと(4)2.2億円のお礼として事務所に500万円が渡されたこと(5)秘書は何度も接待や金銭を受けたこと――が明らかになったと振り返った。

 大西座長は「甘利前大臣は『説明責任を果たす』と言いながら、1月28日の記者会見以来、一切表に出ていない。特捜部の捜査が入ったことで真相解明をしていただきたいが、一方で、捜査中であるということを理由に、説明責任を果たさないということは許されない。国会では犯罪捜査とは別の観点から、この問題を明らかにしていく役割がある」として、引き続き厳しく追及していく決意を述べた。

 また、衆院TPP特別委員会の理事を務める柿沢未途議員は「夜から始まった強制捜査が夜を徹して朝まで続く、段ボール箱30箱の資料が押収されるというのは、東京地検特捜部の捜査の姿勢として、並々ならぬ覚悟を感じる」とした上で、「甘利大臣の口利き問題とTPPの国会審議、2つは大きく共通している部分がある。つまり『隠す・逃げる・うそをつく』、こういう安倍政権の今の姿勢がはっきり合わられているのがこの2つの問題だ」と述べた。

 会合では、URと国土交通省の担当者に捜査がどのように行われたのかを尋ねたが、捜査中であるとして答弁を避ける場面が多く、同チームとしては、甘利氏の口利き問題の真相解明とTPP交渉の経過の解明という2つの面から、甘利氏の証人喚問が必要であるとの認識を共有した。

甘利前大臣疑惑追及チームで報告する柿沢未途・衆院TPP特委理事

甘利前大臣疑惑追及チームで報告する柿沢未途・衆院TPP特委理事