岡田克也代表は15日午後、国会内で定例記者会見を開き、(1)熊本県を震源とする最大震度7の地震(2)衆院選挙制度改革――等について発言した。

 14日夜に発生した熊本地方地震については、同日午前に対策本部の会議を開いたと報告するとともに、9人の死亡が確認され、負傷者が1千人以上となったことに、「災害で亡くなられた方々に対するお悔やみとともに被害に遭われた方々に対しお見舞いを申し上げたい」と表明した。県内では4万4千人以上が避難をしているとして、「そうした避難生活をされている方々に対し、しっかりとした対応をするよう政府に求めたいし、わが党としてもできる限りの協力をしていきたい」と強調。すでに熊本県出身の松野頼久議員が現地入りする予定であることから、「適宜情報を上げてもらい、党本部としてできることを対応していきたい」とした。

 自身も含めた党本部としての現地入りについては、「県連や松野議員の話を聞いたうえで、党として調査団を出すかを決めたい。震災の場合は(現地入りが)あまり早過ぎるといろいろな対応の妨げにもなりかねないこともあり、地元の負担が増えないやり方を考えたいと思っている。警護体制などのこともあり、あまり時間をおかず早くということであれば幹事長以下にお願いしたいし、多少時間を空けて少し落ち着いたところで入るということであれば私自身も行って、この目で確認したい」と述べた。

 同日民進党と与党が法案を提出した衆院選挙制度改革をめぐっては、「与野党間で1本にできなかったのは残念。これから国会でしっかり審議をしていきたいと思っている」と述べたうえで、2012年の衆院選挙について最高裁判所が「違憲状態」との判決を下したことを受け、当時民主党は「1票の格差」是正に関し、「0増5減」では不十分だとして都道府県の基数配分をやめて人口比例にすべきだと具体的な提案をしたことに言及。「今回、衆院議長の諮問機関『衆院選挙制度に関する調査会』(佐々木毅座長)がまとめた答申は、われわれの考え方とかなり共通する部分が多いが、あのときに与党が機敏に反応していれば(2014年の衆院選について)違憲判決は出ず、当然、2010年の国勢調査に基づき人口比例で配分することになったはず。それが、自分たちがぐずぐずしていて遅れたからといって、2020年の国勢調査の結果が出るまでは対応しないというのは、誠におかしな話だと思っている。今からでも遅いということはないわけで、すでにある2010年の国勢調査に基づいてきちんとアダムズ方式で配分されることを望みたい」と述べた。

 自民・公明両党提出の案については、詳細に見ていないことから「コメントできない」とした。

 12日に告示された衆院北海道5区の補欠選挙に関しては、「候補者も力のある演説をしているし、一体感も出てきていて雰囲気は悪くないと思う。ただ、選挙というのは投票箱のふたが閉まらないと分からないというのが実感で、与党もこれから力が出てくるのでまったく予断を許さない。かなりいい戦いになっている、接戦となっているという実感はある」と手応えを示した。

 同日午後、民進党として初めての憲法調査会を開くに当たっては、「昔の民主、維新がどう考えていたかというのは一つの参考にはなるが、あらためて民進党として憲法についての考え方を議論していきたい。基本的な考え方は『基本的政策合意』に書いた通り」だとコメント。安倍政権の下での憲法改正については、「憲法が時代の変化とともに議論するということは否定していない。ただ、安倍総理は憲法についてわれわれとは違う考え方をしておられる。立憲主義の認識が誤っている。それを従来の、例えば中山調査会(外務大臣を務めた自民党の中山太郎議員が委員長を務めた衆院憲法調査会)などで議論してきた時の考え方と同じであるというところまできちんと合わせてくれないと、とても議論できる状況にはならない」とあらためて指摘した。