岡田克也代表は23日、14日から続いている地震で大きな被害を受けた熊本県に入り、熊本市や益城町の被災現場などを視察、自治体の首長らに面会した(写真上は、避難生活を送る家族連れから話を聞く岡田代表=益城町役場前)。

避難所となっている益城町総合体育館前で避難所の状況について聞く

避難所となっている益城町総合体育館前で
避難所の状況について聞く

 益城町では、避難所の一つである総合体育館や自衛隊が炊き出しなどの救援活動を行っている町役場前で住民から避難生活の状況などについて話を聞いた。避難者は「住む所のあてがないことが重く気持ちにのしかかっている」「非常に限られたスペースにたくさんの避難者がいるため、避難所の生活はとても厳しい」などと口々に話した。

 同町の災害対策本部が置かれている保健福祉センターでは、西村博則町長から町内の被害の状況や直面する課題、国への要望などを聞いた。

益城町の西村町長から説明を聞く一行

益城町の西村町長から説明を聞く一行

 熊本市では、被害の大きかった東区の健軍商店街や住宅地の状況を見てまわり、大西一史熊本市長から説明を聞いた。

熊本市東区内の倒壊した住宅を視察、住民に話を聞く岡田代表

熊本市東区内の倒壊した住宅を視察、
住民に話を聞く岡田代表

熊本市東区・健軍商店街の倒壊したスーパー

熊本市東区・健軍商店街の倒壊したスーパー

 視察後に記者団の取材に応じた岡田代表は、避難所の状況について「もう少し良い状況の中で生活できる環境を早く整えなければいけない。病気や子どもへの影響もあるし、妊婦さんもいたので、大変心配だ。そこを急がなければいけない。仮設住宅などでつないで生活再建と、いくつかのステップを踏まなければならないが、急がなければいけない」と指摘した。

 被災自治体の行政関係者からは激甚災害指定を急いでもらいたいという要望が強かったことを紹介。「東日本大震災の時は翌日に指定している。なぜこれだけ時間がかかっているのか、よく分からない。総理も今日ご覧になって激甚指定を急ぐと話したようだが、即座に指定をして、復興に当たっている人たちに指針をしっかり出してもらいたい。指定されるかどうかで復興の計画も変わってくる。一日も遅れることなくやってほしい」「われわれは野党だが、大震災の経験もある。しっかりと協力しながら一日も早くまともな生活ができるように努力していきたい」などと述べ、政府の早急な対応を求めるとともに、引き続き政府に協力していく考えを表明した。

 政府が補正予算の編成も含む対応を検討していることについて考えを問われると、「補正が必要だと判断されるのであれば私たちも協力していく。中身についてはいろいろ議論はあると思う。優先順位の付け方とか、必要性とか、そういうことは議論していかなければならないが、何をやるにしても予算の裏付けは必要で、予備費で十分対応できない、参院選後では遅いということがあれば、それはこの国会で第1次の補正をやるということを全く否定するつもりはない」と述べた。

 視察に同行した地元選出の松野頼久衆院議員は、「とにかく地元としては激甚指定を早くしてもらいたい。これがどこの自治体を回っても、地元の声だと思う。熊本では数年前に白川の氾濫(はんらん)があった。私も与党だったが、2、3日で激甚指定したはずだ。なぜこんなに時間がかかっているのか理解不能だ。避難所を回って、全国の皆さんのおかげで物資は届いてきているが、細かいところで、洗濯機が欲しいとか、できればパーテーションが欲しいとか、きめ細やかな部分でも配慮してもらいたいとの声があった。一日も早く被災された皆さんが安定した生活に戻れるように、与党野党関係なくしっかり取り組むよう政府に要望していきたい」と話した。

熊本市の大西市長から説明を聞く一行

熊本市の大西市長から説明を聞く一行