漁協で関係者と意見を交わす岡田代表ら

 岡田克也代表は5日青森県入りし、今夏の参院選挙に青森県選挙区から民進党公認で出馬予定の元衆院議員・田名部匡代(たなぶ・まさよ)氏、衆院公認候補予定者の山内崇(やまうち・たかし)青森県第4区総支部長とともに深浦町、鰺ヶ沢町での街頭演説会や懇談会に参加。午後には中泊町に移動し、県連副代表の升田世喜男(ますた・せきお)衆院議員(青森県第1区総支部長)も同行するなか地元基幹産業である農業、漁業の関係者との懇談や国政報告会に出席した(写真上は、小泊で漁業関係者と意見を交わす岡田代表ら)

岡田代表

 深浦町での演説で岡田代表は、現在の安倍政権下で進められる経済政策と安全保障法制に対し特に強い懸念を表明。アベノミクスについて「ごく一部の大企業や大都市はそれなりに潤っても、多くの国民にとってはむしろ生活は厳しくなり、実質所得は目減りしている。経済成長を目指すことは大事だが、所得の再分配、格差の是正をしっかり政治がやっていかなければ結局経済成長すらできないことがはっきりした」と断じ、「普通の人が豊かになる政治を実現していかなければこの国は豊かにならない。そういう考え方で社会保障制度や税制を変えていく」と述べた。

 安全保障法制をめぐっては、「昨年の強行採決だけでなく、安倍総理が1番やりたいのは9条2項を変えること。集団的自衛権を限定なく行使できる国にすることだ。参院選挙で与党とその補完勢力が3分の2の議席を獲れば憲法の平和主義が完全になくなってしまう」などと指摘。

 「参院選挙は大きな分岐点となる大事な選挙。ぜひ真剣に考えて、間違いのない選択をしてほしい。安倍政権の暴走を止めよう」などと訴えた。

山内総支部長

 山内総支部長は、「安倍総理は『地方創生』や『1億総活躍社会』と言葉はにぎやかに踊っているが、地方は疲弊した状況で人口減少が進んでいる。今のままで若い人や子どもたちの未来が担保できるのか。こうした地域で充実した生活が送れるようにするためにも社会保障の問題に真正面から取り組まなければいけない」と主張。民進党は共生社会の創造、「一人ひとりを大切にする社会」を掲げていると述べ、民進党への支援を求めた。

田名部匡代氏

 田名部氏は、「政治活動を始めて16年、次の世代を担っていく子どもたちに何としても本当に意味での豊かな社会をつくっていきたい、長年先送りされ続けた負の遺産や大きな負担を少しでも軽減して次の世代への責任を果たしていきたいと思い続け活動してきた」と表明。青森県内各地を歩くなかで、目に見える豊かさや美しさとは違った生活や将来への不安の声を多く聞くと述べ、「地方の課題、苦しみが解決されなければ真の経済成長、真の豊かさはありえない。地方の発展なくして日本の発展はない」「私は未来のために政治を行っていきたい。責任ある政治を実現していきたい。未来を見据えた政策をつくっていくためにお力をいただきたい。現在の大きく偏った政治勢力のなかで、安倍政権の、何をやっても許されるというおごった政治を正し、本当に苦しみ、悲しみ、困っている人の声が政治に届くように、何がなんでも国会に行き、この地域の思いを届けたい」と力を込めた。

升田衆院議員

 升田衆院議員は、「われわれ民進党は国民とともに進む、庶民とともに進む。本当にわれわれは地方の小さな地域の声をしっかりと受け止めて、それに誠実に対応していく、温かい世の中をつくろうということで頑張っていく政党だ。岡田代表は今日秋田から入り、深浦、鰺ヶ沢、中里、小泊を回り、漁業と農業と、地方のなかでも端っこ端っこを見て、政治の光が当たっていないところを今回っている。これが民進党の真髄だ」「今日は子どもの日だが、いま子どもを産み育てにくい時代になった。民進党は子ども、若者にもっと政治の光を、何より若者が政治をできるようにしていくというのが政策、理念の柱。強いものだけでなく弱いもの、あるいは小さな地域も誰もが手を携えて連帯をしながら生きていこうということだ。ぜひわれわれの思いを受け止めてほしい」と呼びかけた。

「イネ子の畑から」を視察

「イネ子の畑から」を視察

 中泊町では合同会社「イネ子の畑から」でアスパラガス栽培の現場を視察。代表の佐藤イネ子氏は、青森県で初めて農業経営士の認定を受けた女性経営者で、水稲と野菜の複合経営を早くから取り組んだ。地域ぐるみでトマトの産地化を図り、冬場の収入を確保するため、廃油暖房機を利用した冬獲りアスパラガス栽培や大玉1果狩りメロンの導入など、自然災害や価格変動に左右されない地域農業の活性化に貢献。2012年、女性の感性を活かしながら6次産業化の取り組みを一層拡大するため、合同会社を設立し、地域の課題である農業の担い手不足解消に向け、次世代の担い手を育成するために積極的に研修生を受け入れ技術を伝えている。

 中泊町では漁業関係者とも意見交換、現場の声に耳を傾けた。