衆院予算委員会で16日、熊本地震災害対策関連の2016年度補正予算の審議が行われた。被災地の議員として質問に立った松野頼久議員は、冒頭「地震発生からひと月経つが、今現在も地元では不安におびえている」と語り、現在の被災状況を説明した。

 地震の名称について、過去に気象庁が「兵庫県南部地震」と発表したものを約1カ月後の閣議で「阪神淡路大震災」に、同じく「東北地方太平洋沖地震」を約1カ月後に「東日本大震災」に改めていることを挙げ、「できれば熊本という名称を外してもらいたい。『中九州大震災』といった名称に変えていただければ、地元の風評被害は避けられる。蒲島郁夫熊本県知事は『小さい町の財政が破綻してしまう』と訴えている。名称に『大震災』と付け、東日本大震災並の支援をしてほしい」などと求めた。

松野議員が質問

 激甚災害と指定された場合、道路、漁港、港湾、下水道、公共学校などは補助率のかさ上げがなされるが、街路や上水道、工業用上水道、一般廃棄物の処理施設、社会福祉施設や介護老人保健施設、庁舎などは激甚災害の指定だけでは補助率が変わらないことから、松野議員は、「基本法を定め、財政の特措法、特別立法をして地元の負担がないようにして欲しい」「(地震の)呼称と立法、地元の負担は過去もワンセットになっているので、ぜひ進めて欲しい」と訴えた。

 また、個人所有の歴史的建造物が非常に被害を受けており、例えば、熊本市景観条例景観形成建造物といった市の条例で指定されているものや国の有形文化財に登録しているものについての補助を訴えた。

 最後に衆参同日選挙に言及し、「どっちが有利不利ではない。国民に聞かなければならない大きなテーマがあるのであればわかるが、特に地元熊本の立場からすれば、職員の皆さんが選挙の管理や事務を出来る状況ではない。このことだけはしっかりと申し上げたい。被災地を置き去りにしないで欲しい」と述べ、質問を締めくくった。