高知県内での街頭演説を終えた岡田代表は29日、記者団の取材に応じた(写真は、演説後に聴衆の人々の激励に応じる岡田代表)。

 地元紙の記者団から、高知県内では選挙戦中盤になっても県民の関心が高まっていないとして選挙区の合区の影響を指摘され、今後、党として合区をどう考えていくかと問われた。今回の選挙での合区は、昨年自民党と旧維新の党が提出した法案が成立して4県2合区となっているが、その当時は民主党として20県10合区案の改革案を提出している。これを前提に岡田代表は、「選挙制度を変えるか、憲法を変えるかしか、対応の道はない。そのことは正直に申し上げなければいけない」と述べ、合区の課題については、あらためて党内での検討が必要との見方を示した。

 一方、自民党候補などが「合区の解消」を訴えていることについては、「そもそも今の制度を主導して作ったのは、自民党と当時の維新の党だ。自分たちで制度を作っておきながら『おかしい』と言うのがおかしい」と批判。「憲法を改正するか、比例制にするか、どちらかしかありえないということを、きちんと説明する必要がある」と改めて強調した。

 徳島・高知選挙区の情勢については、「どれぐらいの人が投票に行っていただけるのかということが非常に大事だ。合区ということで関心が薄れている部分はある」として、関心を高めていくために、さらに安倍政治に対する危機感を訴え、共有していかなければならないとの認識を示した。

 また、この日の午前に、安倍自民党総裁宛に参院選の重要争点に関する公開質問状を提出したことに関して、とりわけGPIFの運用について岡田代表の問題認識を尋ねられ、「株価がこれだけ下がっていて、年金積立金が目減りしている。将来的に年金の減額につながりかねない状況だ。株式の運用割合を倍にするというのは、基本が間違っている。株価を支えようという意図もあったのではないかと言われているが、とんでもないことだ。直ちに(株式の運用割合を)元に戻すべきだ」と述べた。

 公明党の山口代表が出演したTV番組で、自民党の憲法草案について「課題がいろいろある。しかもたくさんある」という発言をしたことについて感想を問われ、「まともな法律家ならだれもがそう思っているだろう。当時は野党だったにせよ、よく政党としてああいう代物をつくったものだ」と、あらためて自民党の憲法草案を厳しく批判した。