民進党代表 岡田克也


 バングラデシュにおいて飲食店が襲撃された事件について、先ほど、政府は日本人7名の方が犠牲になったと発表した。バングラデシュ発展のために尽くしてこられた方々がこのような暴挙の犠牲となられたことは、痛恨の極みと言わざるを得ない。犠牲となられた方々に心から哀悼の誠を表すとともに、事件に巻き込まれた全ての方々及び関係者の皆様にお見舞いを申し上げる。

 このような非道な蛮行は絶対に許されず、いかなるテロ行為も容認することはできない。暴挙に出たテロリストグループに対して、強烈な怒りをもって非難・抗議する。

 日本政府に対しては、国際社会に対する深刻な脅威であるテロ勢力の拡大に対応するため、在外邦人の安全の確保に万全を期すとともに、入国管理規制やテロ目的での資金規制等、テロの撲滅に向けた取り組みを強化するよう求める。また、被害を受けられた方々やそのご家族の心情、意向を踏まえた支援を行うことを求める。

 その上で、今回の政府の対応について指摘をしておく。菅官房長官は、事件に日本人が巻き込まれている可能性が高いことを自ら記者会見で公表しながら、その後、地方に選挙応援に出掛けた。途中、治安部隊が飲食店に強行突入し、多数の死傷者が発生しても引き返すことなく、公務である国家安全保障会議も欠席した。予定された街頭演説を終え、官邸に戻ったのは、すべてが終わった後である。

 これまでも重ねて指摘してきたように、総理と官房長官が同時に東京を離れるなど、安倍政権は選挙を理由に危機管理をおろそかにしていたが、幸いにして大事に至らずにきた。しかし、今回は未然の危機管理ではなく、現実に事態が発生し、日本人が危機的な状況にあることを承知した上での選挙応援である。本日の菅長官の行動は、国民の生命・安全よりも選挙を優先したと言われても仕方がない行動であり、許しがたい。民進党は、国民軽視の菅長官の行動、安倍内閣のずさんな危機管理について、今後も厳しく指摘していく。

以上