岡田克也代表は4日、奈良県生駒市内での街頭演説の後、記者団の取材に応じた。

 記者団から、32の1人区のうち、野党系の無所属候補の苦戦が伝えられていることを受けて今後の戦い方を問われ、「苦戦とは思っていない。しっかり頑張りたい。『これからの1週間、見とれよ』」と応じた。

 奈良選挙区の情勢について手ごたえを問われ、「日々手ごたえは上がっている。多くのメディアの調査ではまだ離されているが、(党の調査では)なんとか追い付いたという状況。流れとしては相当いいところまで来ている。これからの1週間が本当の勝負だ」と述べた。

 安倍総理が3日の東京都内での街頭演説の際、安倍政治に反対するプラカードを掲げた聴衆に対し、「選挙を妨害して恥ずかしいと思わないのか」「人の演説の邪魔ばかりしている。こんな人たちに負けるわけにはいかない」「あなた方は民進党か、共産党か」などと発言したとされ、こうした発言について感想を求められ、「詳細は承知していないが、(街頭演説にいるのは)自分を支持する人ばかりではない。そういう人たちも含めて説得していくということが大事では」とし、「安倍総理を『器が小さい』と評する人もいるし、そうしたことはやらないほうがいい。日本国の総理大臣なのだから」と述べた。

 日米地位協定について日米両政府が軍属の範囲を大幅に狭める方針で合意したと報じられていることについての評価を問われ、「今回は解釈を変えるということで、地位協定そのものを変えるわけではないと思う。範囲を狭めるというのが具体的にどうなるかを見届けないと、結果は分からない。(安倍政権の)お得意の誇大宣伝の可能性がある。米国が簡単に応じるだろうか」と疑問視し、「範囲・対象の問題だけではなく、他国の地位協定も参照しつつ、地位協定についてしっかり見直す姿勢が必要だ」との認識を示した。

 本日国会内で開かれた党「年金損失5兆円追及チーム」で、衆院厚労委員会の閉会中審査を求める発言があったとして、今後の党の対応について問われ、「(委員会開催を求めるか)まだ決まっていないと思う」と前置きした上で、「誰が考えても不思議なことが起きている。厚労大臣には(運用損失)5兆円という数字が伝えられていながら、政府の数字になっていない。参院選挙が終わってから発表されるというのは、ありえないこと。リスクの高い運用をすることも問題だが、同時に、そういう運用をするのであれば、それだけ情報公開をしっかりしないといけない。それを隠して言わないというのは極めて問題だ」と批判した。

 奈良選挙区では民進党の前川清成候補のほか、自民党、おおさか維新の党がそれぞれ候補者を擁立している。岡田代表はおおさか維新の党の主張について、「今回の参院選挙制度改革は、1票の格差は3倍を超え、定数は1議席も減っていない、非常にいい加減なものだ。これを主導したのはおおさか維新の片山(虎之助)さんだ。(そういう政党が議員報酬を)3割減らすとか、『改革をやるのは俺たちだ』などと言っているのはまったく理解できない。どう考えてもおかしい」と苦言を呈した。