初鹿明博衆院議員は30日、衆院予算委員会の第2次補正予算に関する基本的質疑に立ち、東京オリンピック・パラリンピックにかかる費用について、主に丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当大臣に質問した。

 東京都の調査チームによって3つの競技会場の整備費用が当初の566億円から1578億円と3倍になることが報告され、見直し提案がされていることを取り上げた初鹿議員は、「どうしてこんなことになるのか。国民も驚いている。オリ・パラ担当大臣を置いているのだから全体の予算がいくらか把握している必要がある」と断じた。このような整備費の増加について丸川大臣は「東京都から子細な報告は受けていない」と答弁。初鹿議員は「担当大臣が東京都の調査チームが調査するまで報告を受けていないのは問題だ」と指摘した。

 開催費が3兆円以上になると試算されていることについて初鹿議員が「総額はいくらになるのか」と問い詰めると、丸川大臣は「総額については組織委員会と東京都の議論がどう展開するかで変わってくる」と明確な金額を答えなかった。

 このような事態になっていることについて初鹿議員は、「まず開催するのに一番責任を持つのがどこかをはっきりさせよう。組織委か東京都か国か。そのうえで国がどのような関わりを持つか、誰と誰が協議するのか。あと4年もあるので、経費がかさんで、開催する時には2倍3倍になる」と現状の体制ではさらに経費がかさむことを危惧し、責任者を決めることを提案した。さらに「まだ(コストが)広がる可能性はあるから、コントロールをするところがないと膨張していきかねない。なんでもオリ・パラ関連だからと予算がつくことになる。ロンドンも同じように膨らんだ。そこで『オリンピック・デリバリー・オーソリティー』という組織を作って、そこが予算管理や進行管理を一元的に担うことにした。そういう省庁横断的で国と東京都、JOCを管理する組織を作る必要はないか」と安倍総理に対して検討を促し、質疑を終えた。