井坂信彦議員は3日、衆院予算委員会で質疑に立ち、年金制度などについて、安倍総理や関係閣僚に質問した。

 年金制度でマクロ経済スライドを強化する新ルールについて、「物価スライドではなく、単に物価と賃金の低い方に合わせて年金を下げるという制度になっていないか」と指摘した。

 安倍総理は、「スライド期間を短縮するために今回導入した。保険料を徴収する、そして税金を一部入れる」「これしか道がない」と答えた。

 さらに井坂議員は「賃金が上がった時に、それに合わせて年金を上げようという話にならなかったのか」と問うと、塩崎厚労大臣は「保険料の水準の上限を固定している現在の仕組みでは、将来世代の給付水準が低下してしまう。将来世代の給付水準の確保のために提案をしている。今の年金受給世代と将来の年金受給世代の負担の問題も双方あわせて両側が少しずつ今まで以上に我慢するという制度だ」と説明した。

 また「新ルール導入にあたり、どのくらい下がるのか(政府は)試算はしたのか」という質問に対して、塩崎厚労大臣は「試算はしていない」「われわれは年金にしても、社会保障にしても、それだけでやっている訳ではない。トータルで国民生活にどういう責任を負うかということ」と明確な回答はなかった。

 さらに「今回の年金カット法案と、年金の最低加入期間を25年から10年に短縮して無年金者を減らす法案は別々に審議をするべきではないか」と質問すると、塩崎厚労大臣は、「パーツパーツで議論できる話では決してない」と答えた。