蓮舫代表は16日午後、視察先の熊本県西原町内で記者団の取材に応じた。

 14日に応援に入った新潟知事選挙については、「国政の政党対政党という政局的な選挙ではないという位置づけは変わっていない。新潟県特有のセンシティブな政治課題に対して県民の皆さんがどのようにお考えになられるのかだ」としたうえで、「私どもの支援者の多くの方々が特定の候補者、米山さんの支援をしているという動きがあり、私自身もできる限りの協力のなかで演説に行かせていただいた。結果がどのようになるか、注視しているところだ」とコメント。同選挙では民進党として自主投票を決定していることからこの経緯を問われると、「もともと私たちの仲間だった米山さんが名乗りを上げ、何もないところから動き出した。野党3党が積極的に応援している構図のなかで、私たちは組織決定として自主投票を決めた。ただ、日を追うなかで国会議員の仲間も含めて私どもの支援者からも『米山さんを応援をしたい』という個々人の思いが深まった。そのなかで(候補者)本人から電話があったことや市民活動の方々や陣営からの強い要請もあり、私自身できる限りの協力のなかで何ができるのかというところで演説を行った」と説明した。

 残り1週間となった衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙については、「今国会での新たな問題として、南スーダンや年金の問題をめぐり正確な情報が示されないということがある。『戦闘ではなく衝突だ』という言葉で『安全だ』という説明がなされたり、年金がカットされようとしている。到底納得できない政治課題が次から次へと浮上しており、こうしたリアルな問題意識を訴え続けていきたい」と述べた。この補欠選挙が今後の政局に与える影響について問われると、「まずはこの2つの補欠選挙を挑戦者として全力で戦っていく」と表明。そのうえで、与党の大物議員たちが解散総選挙に言及していることを踏まえ、「私たちも本気で、いつ何があっても勝てるための準備は進めている」と力を込めた。

 週明けから本格化するTPP(環太平洋経済連携協定)の審議をめぐっては、「TPP関連法案の審議は、急ぐ理由がいまだに分からない。米国の大統領選挙の結果を見た上での判断にしなければ、貴重な国会の審議時間が無駄になると思っている」と指摘。「最優先されるべきは環境問題をめぐるパリ協定だと思っている。順番が違うというのはこれからも言い続けるが、実際に委員会が始まるので今まで表に出てこなかった情報公開や輸入米の偽装価格の問題などを一つひとつ明らかにしていきたい」と述べた。