蓮舫「次の内閣」がスタートした。論戦を挑み提案をするという蓮舫代表の方針の下、次期総選挙に向けての焦点や課題、新たに民進党が打ち出す政策や立法、さらには民進党と自民党との相違点などについて、各部門を担当するネクスト大臣が示す。(順不同)

■人への投資で暮らしの底上げ

足立 信也(あだち・しんや) ネクスト厚生労働大臣年金改革担当 ネクスト内閣府特命大臣(少子化対策)

足立 信也(あだち・しんや)
ネクスト厚生労働大臣年金改革担当
ネクスト内閣府特命大臣(少子化対策)

 常に国民の最大の関心事は社会保障である。年金・医療・介護等、将来にわたって制度は存続するのだろうか。不安は尽きない。

 人口減少社会にあって、「成長の果実を原資とする社会保障」という現政権の基本姿勢は持続しない。私たちは『新成長戦略』をまとめ、労働人口が減少する中で地域に密着した成長産業とし、健康・医療・介護分野をライフイノベーションとして位置づけた。手厚い社会保障が安心と雇用を生み、技術革新や新規産業が創出され、さらに意欲と雇用を生み出し、そのことが消費の増加につながり、コミュニティーも再生される。
 本来、社会保障は医療や介護を必要とするリスク、高齢になって働けなくなるリスクに対応するための社会保険だった。しかし、われわれは全ての子どもが享受する子育ての支援にも消費税を使えるようにした。現物であれ、現金であれ、給付が受けられるから応分の負担をする。誰にも平等に訪れるもの、リスクの低いもの高いもの、それぞれに違った税と保険料の負担の在り方を作り出さなければならない。それは極端に言えば、全世代の負担か、成人の負担か、働く世代の負担か、個人の負担か、ということになる。
 社会が子どもの育ちを支援する、無年金・低年金対策、厚生年金対象の拡大、控除対象外消費税の解消、家庭内介護の社会化、均等待遇……。
 近い将来の問題解消は現場から、遠くは俯瞰的に、人への投資による暮らしの底上げを図りたい。

■現実的な安保政策を提案

青柳 陽一郎 (あおやぎ・よういちろう) ネクスト防衛大臣  集団的自衛権関連法制担当

青柳 陽一郎(あおやぎ・よういちろう)

ネクスト防衛大臣

集団的自衛権関連法制担当

 立憲主義と専守防衛を前提に、外交安全保障で現実主義を貫いていきます。

 北朝鮮の度重なる暴挙、中国の現状変更への挑戦や不透明な軍事力強化など、わが国周辺の安全保障環境が厳しさを増していることは、多くの国民の皆さんも実感していると思います。頻発するテロやサイバー攻撃の脅威も増大しています。そうした事実を直視し現実に即した自衛力を整備することは、国民の生命・財産、領土・領海・領空を守っていくために必要なことではないでしょうか。
 私たち民進党は、「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」を外交安全保障の基本理念に、政府与党の暴走にはきちんと歯止めをかけ、足らざる部分を手当てする法案を提出してまいります。
 具体的には、領域警備法案、周辺事態法改正案、PKO法改正案をすでに国会に提出しており、これらの法案の審議を求めてまいります。さらに南スーダンなど現地PKOに派遣されている自衛隊部隊の業務が今後拡充される可能性が見込まれるなか、部隊の安全体制の確保が十分になされているか、医療体制の充実の観点からも精査し、立法化も視野に検討していきたいと思います。
 日米同盟を深化させ、アジアや太平洋地域との共生を実現し、国際社会の平和と安定に貢献する。唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて取り組んでまいります。


■「安心の好循環社会」を目指す

大串博志 (おおぐし・ひろし) ネクスト官房長官

大串博志 (おおぐし・ひろし)

ネクスト官房長官

 今般、政務調査会長を務めることになりました。蓮舫新代表のもとでの新しい「次の内閣」の皆さんと、「提案型、対案型」の政策づくりを追求していきたいと思います。

 掲げる未来像は「安心の好循環社会」。
 過度に金融緩和に頼って円安、株高を無理に作り出してはいるが、しかしその果実は国民生活には及ばない。そんなアベノミクスを大転換して、集中するのは「人への投資」です。
 教育、子育て、社会保障、雇用など、私たち一人ひとりへの投資を厚くして、暮らしの安心を作り出す。その安心が、消費を生み、経済成長を生み出していきます。
 このような「安心の好循環社会」を実現していくための、具体的な政策を、みんなで作り上げていきたいと思います。
 蓮舫代表のもとで、提案型、対案型の活動を充実させていくには、「次の内閣」の各部門ごとの、政策立案機能をさらに高めていかなければならないと思っています。
 また、日々国会にあがってくる政府提出法案などに、わが党として的確に対応していくためには、部門ごとに熟議を重ね、意思決定を行い、決まったらみんなで一致団結して行動していく、という姿を貫徹していかなければなりません。そのような「組織型」の政務調査会活動を目指していきたいと思います。
 地方組織の皆さんとも十分な意見交換を行っていきたいと思います。ウェブ会議も活用していきますので、地方組織の 皆さんの積極的なご参加を期待しています。
 「政策」は「政党」の「命」だと思っています。 みんなで素晴らしい政策を作っていきましょう。

■技術革新で真の成長を

北神 圭朗(きたがみ・けいろう) ネクスト内閣府特命大臣(科学技術・IT・宇宙・海洋・中小企業)

北神 圭朗(きたがみ・けいろう)

ネクスト内閣府特命大臣

(科学技術・IT・宇宙・海洋・中小企業)

 この度、「次の内閣」内閣府特命大臣を拝命しました。私の担当は、「科学技術」「IT」「宇宙」「海洋」「中小企業」と広範に及びます。副大臣の高井崇志議員と力を合わせて頑張りますので、よろしくお願いします。
 「科学技術」は、他の担当分野の基盤となるので、その政策の大方針を明らかにします。
 政治の基本は、国民が飯を食べられるようにすることです。その経済を成長させるのは、①技術革新と②労働力人口――の2要素で決まります。
 民進党は、目先の株価対策ではなく、これからの世代が豊かに暮らせるための「持続する成長」を実現します。そのためには、民間に過度に依存している研究開発について、政府がより多くの資金を提供することが何よりも重要です。研究開発に占める政府予算の割合は、欧米はもとより、今や中国・韓国にも見劣りします。
 同時に、ただお金をばらまくのではなく、わが国の産業が得意とし、かつ、今後成長すると想定される分野に、いかに資源を戦略的に流し込めるかが重要です。そのためには、研究開発の予算をさまざまな研究機関に均等に分配するのではなく、競争の余地を残しながら、的を絞っていかなければなりません。
 さらに、「宇宙」については、「宇宙2法案」が国会に提出されています。これらは、今後、民間企業が独自に衛星等を打ち上げるために必要な安全規制を整備するなどの内容です。民進党としても、後押しをしてまいります。

■人への投資が未来を拓く

平野 博文 (ひらの・ひろふみ) ネクスト文部科学大臣 スポーツ・文化芸術・伝統芸能担当 2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当

平野 博文 (ひらの・ひろふみ)

ネクスト文部科学大臣 スポーツ・

文化芸術・伝統芸能担当 

2020東京オリンピック・パラリ

ンピック競技大会担当

 わが国では年々、格差の拡大が深刻化しており、とりわけ若年層の低所得化と、子どもの貧困の増加は深刻な問題です。そうしたなか格差の再生産を防ぐとともに、国民生活を底上げし、日本の活力を生み出す原動力となることこそ、教育の果たすべき役割です。
しかし安倍政権は、子どもが減れば予算も減らすべきだと数合わせの財政論に終始し、教育予算はさまざまな角度から削減にさらされています。民進党はチルドレン・ファーストの理念のもと、国家戦略として人への投資、子どもへの投資を進めます。諸外国と比較しても格段に少ないわが国の教育への投資を着実に増やし、給付型奨学金の実現や、将来の無償化を見据えた就学前教育や高等教育の負担軽減などに取り組みます。
 国際的に地盤沈下の続いている日本の大学を改革し、革新的な研究成果を生み出せるようにし、それをビジネスや社会の活性化につなげていきます。またグローバル化が進展する中、国際社会の中で日本人が生き抜いていくのにふさわしい力を育むことができるよう、高等教育の改革を起点として、幼児教育、初等中等教育のあり方も、時代に即して見直してまいります。
 さらに、教育環境についても整備・改革を進めます。特に子ども一人ひとりにきめ細かい教育を行い、見守ることができるよう、少人数学級をさらに推進するとともに、いじめや事件事故によって子どもの命が失われることのない、安全・安心な学校の実現に取り組みます。

■人権に立脚して議論

有田 芳生 (ありた・よしふ) ネクスト法務大臣(特定秘密担当)

有田 芳生 (ありた・よしふ)

ネクスト法務大臣(特定秘密担当)

 法務部門は社会的に弱い立場に置かれた人たちの権利をいかに守るか、国民全般の権利をいかに守るかという観点から、議員立法の提案や内閣提出法案の審議に臨んでいます。

 たとえばヘイトスピーチ対策では、在日外国人に対して直接威嚇や侮辱をすることを止めるだけではなく、何の根拠もない虚偽を言い募り、差別感情を増幅するような行為もなくさなければなりません。人種などを理由とした差別は禁じられる行為だとする根拠を法制化することが、ヘイトスピーチなどの被害者を生まない社会へとつながります。LGBT差別解消法案も、性的少数者に対する差別を禁止することによって、性的少数者も含めたすべての人が自分らしく生きることができる社会を実現することにつながるという考えで提案しています。
 また冤罪の防止という人権保障を実現するためには、事後検証可能な取り調べの可視化が大変重要な制度であり、罪の大小にかかわらず実施することが望まれます。ところが政府の提案はごく一部の犯罪のみを可視化の対象にし、今後可視化対象が増えないように仕組まれていました。民進党(当時は民主党・維新の党)は、政府の巧妙な細工を見逃さず、可視化制度をより広く使えるようにと法案修正に心を砕きました。
 権力は、えてして自分たちの権限がより強化されるように法制度を変えようとします。政権を担った経験を活かしつつ、これからも人権に着目して国民のための制度づくりを進めていきます。

■農業と食の安全を守る

村岡 敏英 (むらおか・としひで) ネクスト農林水産大臣

村岡 敏英 (むらおか・としひで)

ネクスト農林水産大臣

 農林水産業は、われわれが常日頃から口にする食料や、生糸・麻といった天然繊維、木材など、国民誰もが生きていく上で必須である「衣」「食」「住」の基本をまかなうための産業です。また農林水産業は、わが国の国土や自然環境を守るとともに、農山漁村の人口が維持されることによって地域の経済や文化の発展が期待される等、さまざまな多面的役割を担っています。

 農業の国内生産力を高めることは、これらに従事する方々のみならず、新鮮かつ安全な食べ物を求める全国の消費者にとってみても、大きなメリットにつながります。しかし政府・自民党による農業政策は、あまりにも性急に効率化・大規模化の道筋を突き進みました。農業競争力強化の観点から、効率化・大規模化そのものを一概に否定するものではありませんが、その過程で取り残されるのは、小規模農家と、安全・安心な食料を求める消費者の存在です。
 安倍内閣は、民主党政権時代に実施された「米に対する所得補償交付金」を急遽半減させ、2018年には廃止する予定です。これに対し、私たち民進党は、全ての販売農家を対象とする農業者戸別所得補償制度を法制化し、恒久的・安定的な制度とすべく、そのための議員立法を既に国会提出しています。また、農林水産業と工業、商業、環境業を組み合わせた6次産業化を加速させ、意欲ある若者が継続して農林水産業に携わる環境を整えます。

■未来に向けた国づくり

黒岩 宇洋 (くろいわ・たかひろ) ネクスト国土交通大臣 ネクスト内閣府特命大臣(沖縄及び北方対策)

黒岩 宇洋 (くろいわ・たかひろ)

ネクスト国土交通大臣

ネクスト内閣府特命大臣

(沖縄及び北方対策)

 わが国の基本的なインフラの普及は1980年代までに、欧米先進国と比べて遜色のないものになったが、こうした基礎的な社会資本がほぼ整った後も90年代は、均衡ある国土の発展、あるいは景気対策のためにインフラへの積極的な投資が続けられてきた。しかし、公共投資の経済効果も、かつてと比べて低下している。今後のインフラ整備は経済再生と財政再建の両立、さらには少子高齢化、人口減少という社会環境の大きな変化も踏まえ、各地方の責任を強めて無駄や非効率を排除すると同時に、地域間格差、経済格差が拡大しないよう配慮しなければならない。

 加えて高度経済成長期に整備が加速したわが国のインフラの多くは近年、老朽化や劣化が進み日本経済の大きなリスク要因となっている。これまでのように新たなインフラを増やすだけではなく、既存のインフラを維持・拡充するなどして、機能や安全性を高めていくことが喫緊の課題となっている。
 国土交通・沖縄北方部門では、これらの諸課題に対する議論も含め、これまでに「住宅ビジョン」「総合交通ビジョン」「観光ビジョン」「沖縄ビジョン」などを取りまとめてきた。これからもさまざまな角度から議論を重ね、2020年の東京オリンピックに向けて、さらには、その後の日本の姿がどうあるべきなのかを視野に、民進党が考える「未来に向けた公共投資」のあり方を引き続き検討し、住みよい国をつくっていきたい。

■「地域主権型社会」を目指す

奥野 総一郎 (おくの・そういちろう) ネクスト総務大臣 ネクスト内閣府特命大臣(地域主権改革・地方再生)

奥野 総一郎 (おくの・そういちろう)

ネクスト総務大臣 ネクスト内閣府

特命大臣(地域主権改革・地方再生)

(1)喫緊の課題 

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」が破たんしていることは、誰の目にも明らかです。もう一つの柱の「地方創生」も国主導の総合戦略の限界が顕在化し、真に自主・自立した地域の再生とは程遠い現状にあります。民進党は「地域主権型社会」を目指し、「権限・財源・人間」の東京一極集中を脱し、「地域のことは地域で決める」。つまり、住民に最も身近な公共団体(市町村)が自律的に自治を行えるよう、権限移譲を進めます。その第一歩として中央省庁による「ひも付き補助金」を見直し、「一括交付金」を拡充・復活させ、地域の創意を生かし、より効率的な財源活用ができるようにします。
(2)民進党が目指す政策
 「地域主権型社会」の推進に加え、「ICT(情報通信技術)」を成長戦略の柱と位置付け、製造業や金融業のICT化を進め、デジタル教科書の普及などインクルーシブ教育(ともに生き、ともに学ぶ)に活用していきます。また、ICTの利活用が不得手な高齢者などが使いやすい仕組みづくりにも力を入れていきます。放送・通信についても、その自律と自由を守るとともに、急速に進むインターネット社会に対応した放送法改正や、マイナンバー導入に伴う個人情報漏えい防止、国民の共有財産である「郵便局ネットワーク」の利活用を推進します。
(3)今国会以降で新たに提案する政策や立法
 若い方や女性の政治参加を進めるため、政治分野での男女共同参画推進法案、被選挙権年齢の5歳引き下げの法案化などに取り組む方針です。

■新たな経済社会モデル示す

田嶋 要 (たじま・かなめ) ネクスト経済産業大臣

田嶋 要 (たじま・かなめ)

ネクスト経済産業大臣

 政権を担っていた時に掲げた経済政策の柱、グリーン、ライフ、農業の6次産業化、中小企業の活躍という方向性は今も変わっていない。東日本大震災に伴い発生した東京電力福島原発事故は、わが国と人類にとっての歴史的転換点であり、大きなリスクを回避しながら持続可能かつより豊かな経済社会モデルを創ることが喫緊の課題となった。私たちは古い自民党型の社会から、災害やテロなどさまざまなリスクに対して、より強じんな地産地消の自然エネルギーを軸とした社会への転換を目指す。そしてこの転換は、IoTやAI、ロボットなどの革新的技術を活用し、自然や人々の営みを新たなステージに導く挑戦でもある。また農業とも親和性の高いエネルギーの地産地消は、必然的に中小・小規模企業や個人に地域経済への主体的参加を促し、新たなビジネスと雇用と所得をもたらし、本質的に地産地消であるライフイノベーションとも連動して持続可能な地域経済活性化の好循環を創発していく。

 既に欧州の幾つかの国が、国民的覚醒と政治決断の下に先行してこの道を進もうとしている。自動車や住宅、水素エネルギー、コンパクトシティなど諸課題を克服するための努力の成果として、いち早くそうした社会を実現し、世界に範を示すことで、将来的には地産地消の自然エネルギー社会そのものの「輸出」を新たな飯のタネとすべきである。そのための第一歩として、先の国会で提出した地産地消の「分散型エネルギー社会推進4法案」の成立を目指す。

■真の行財政改革の実現

今井 雅人 (いまい・まさと) ネクスト内閣府特命大臣(行政刷新・行政改革)

今井 雅人 (いまい・まさと)

ネクスト内閣府特命大臣

(行政刷新・行政改革)

 「次の内閣」内閣府特命担当大臣(行政刷新・行政改革)を拝命しました。財政再建に向けた行財政改革の実現は、われわれ民進党の党是です。その上で、この国の借金の在り方、全ての税金の使い道を見直し、財源をどのように生み出すのかを徹底的に党内で議論を重ね、皆さまとともに責任力のある政策として推し進めて行く所存です。さらに、真の行財政改革は民進党にしか進めることができないという、国民に向けた強いメッセージを打ち出していくことも最重要課題ですので、同時に取り組んでまいりたいと思っています。

 行政刷新、税金の無駄遣いの解消は、事業仕分けに見られるように、蓮舫新代表が精力的に取り組んできたライフワークです。先般、蓮舫代表の直属機関として、江田憲司代表代行の下「ムダ遣い解消プロジェクトチーム」を立ち上げることが決定し、私も行革担当大臣として一翼を担わせていただきます。
 一つひとつの事業を深掘りしながら、安倍政権の無駄遣いを解消していく「人への投資」に充てる、目に見える生産的なプロジェクトとなりますので、確実に結果を出し、国民の皆さんが肌で感じられる内容をどんどん発信していきたいと思っています。
 「事業仕分け」の原点に戻り、民進党でしか実現できない行財政改革をより一層加速させていくためにも、皆さまのお力添えを、なにとぞよろしくお願いします。

■チルドレン・ファースト

相原 久美子 (あいはら・くみこ) ネクスト内閣府特命大臣(新しい公共・NPO・消費者及び食品安全・男女共同参画・社会的包摂・子どもの貧困)

相原 久美子 (あいはら・くみこ)

ネクスト内閣府特命大臣(新しい

公共・NPO・消費者及び食品安

全・男女共同参画・社会的包摂・

子どもの貧困)

 担当の範囲が、「新しい公共、NPO、消費者及び食品安全、男女共同参画、社会的包摂、子どもの貧困」と多岐にわたり、それぞれが連携を図らなければならない省庁があります。そのなかから、子ども・子育ては決して母親ばかりの問題ではないということで、男女共同参画の観点からも民進党としての「子ども・子育て」政策をお示ししたいと思います。

 民進党は、「チルドレン・ファースト」を基本理念とし、子育てを社会全体で支援する。妊婦検診・出産・保育等に関わる費用の助成、保育施設の充実とあわせて保育料の負担軽減、就学費用の軽減等、子どもの権利としての保育保障を確立します。子どもが自立するまでトータルで子育てを考えることにより、親への支援にもなります。
 また、子どもの貧困が将来にまで影響することを考え、特に1人親家庭では、放課後児童館を始めとする子どもの居場所作り、学習支援等も加えていきます。これらの施策で、次の時代を引き継ぐ支え手を大きくします。
 しかし、これらの政策効果を出すには、現在の行政機構は、子育ては厚労省、教育は文科省と、縦割り行政ゆえのさまざまな課題があります。民進党は、費用対効果と効率性の面からこれらを解決し、急がれる子ども支援を考え、総合的に子ども・子育て支援を実施するため、「子ども家庭省(仮称)」を設置することを提案していきます。

■「民間力」向上を目指す

大塚 耕平 (おおつか・こうへい) ネクスト財務・金融大臣

大塚 耕平 (おおつか・こうへい)

ネクスト財務・金融大臣

 現在の日本は、過度な金融緩和と野放図な財政支出が連動しています。日銀による国債大量購入は事実上の財政ファイナンス(日銀が政府の資金繰りをつけること)となり、財政規律の緩みにつながっています。安易で過度なマクロ経済政策(財政政策と金融政策)に頼ることなく、予算を適切な分野に投入し、「民間力」向上を目指すのが民進党です。

 そのためには、予算の透明性を高めることが不可欠です。一般会計、特別会計について、民間企業と同じように発生主義・複式簿記による財務諸表を作成し、インターネットで公開すること等を義務づける「公会計法」を制定します。
 一方、歳入の確保も重要です。納税者の利便性を高めること、行政改革を進めることも含め、一石三鳥の施策として「歳入庁」創設を目指します。そのことにより、現在は国税庁と日本年金機構に分かれている収納業務を一元化することができます。堅確な歳入確保により医療・介護・年金等の社会保障の充実を図ることは、生活不安の緩和を介して「民間力」向上につながります。
 国・地方は膨大な公的債務を抱えており、財政健全化も不可避の課題です。政策と予算のスクラップ&ビルド、行政改革、予算の透明化、歳入確保を進め、限られた財源を人材育成や技術開発支援など「民間力」向上に寄与する分野に集中できる環境を整えることが、財政金融部門の目指す方向性です。
 民進党で「民間力」向上、財金部門も頑張ります。


■「環境の党」を看板に

田島 一成 (たじま・いっせい) ネクスト環境大臣 ネクスト内閣府特命大臣(原発事故収束及び再発防止)

田島 一成 (たじま・いっせい)

ネクスト環境大臣 

ネクスト内閣府特命大臣

(原発事故収束及び再発防止)

 経済や効率最優先で発展を遂げてきた日本は、公害や原発事故、地球温暖化など、成長と引き換えに大きなツケを残しました。命やふるさとを犠牲にした方、今なお不安におびえ苦しむ方がいることを、決して忘れてはなりません。

 「今だけ、カネだけ、自分だけ」で突き進む自民党が、最も不得意とする政策分野が「環境」であり、現在でも自民党の環境政策の優先順位は極めて低いと言わざるを得ません。共生社会の創造と、未来の責任を環境分野から果たすことこそ民進党のレゾンデートル(存在価値)と信じ、率先して政策提案に臨んでまいります。
 (1)ライフスタイルを変革し自然に対する豊かな感受性を育むため、学校教育等での環境教育を充実
 (2)オーフス条約を批准し環境分野での行政・司法への市民参加を推進
 (3)侵略的外来生物駆除、野生生物適正管理を機動的に行うための基金を創設
 (4)ペットの殺処分ゼロを目指すとともにブリーダー・販売店等の責任を強化
 (5)2030年代原発稼働ゼロ社会を目指す
 (6)徹底した省エネルギーと再生可能エネルギー30%以上導入で2030年に温室効果ガス30%以上を削減
 (7)地産地消の分散型エネルギー社会を確立するための「分散型エネルギー社会推進4法案」成立を目指す ⑧環境・生態系と人の生命・健康を守るため縦割り行政を排した総合的な化学物質法制を制定
 (8)3R(Reduce・Reuse・Recycle)を徹底し廃棄物関係法制を抜本的に見直す

■国民生活を全力で守る

松原 仁 (まつばら・じん) ネクスト国家公安委員長拉致問題担当、防災担当

松原 仁 (まつばら・じん)

ネクスト国家公安委員長拉致問題

担当、防災担当

 ・暮らしの安全を守るために

 現在の警察行政は機能しているものの、真に国民の立場に立っているとは言えない部分もあります。そのため、警察行政を国民生活を守る立場に立つものへと転換する必要があります(速度違反取締等の改善など)。また、暮らしの安全を守るために警察官定員を増員し、地域社会及び保育園・幼稚園・小学校等の子どもの安全を一層高めるため、退職した警察官等がその担い手となる制度を創設します。

 ・自然災害発生時における、いわゆる社会的弱者の方々への対策を充実
 近年、大規模災害が多発しています。しかし、現在の制度では十分に対応ができていない部分があります。そのため、災害時における万全な避難計画を定め、計画を住民に周知徹底するための訓練への一定参画を義務化するシステムをつくるとともに、いわゆる社会的弱者の方々への対策を充実させます。また、大規模災害が発生した際には、迅速に激甚災害指定をし、災害対応のノウハウを持つ府省庁の職員を速やかに災害地に派遣するなど、国が責任を持って対応に当たる仕組みを整備します。
 ・拉致問題解決に全力を尽くす
 拉致問題解決について、現在の状況は残念ながら進捗しているとは言えません。北朝鮮に拉致された被害者及び被害者のご家族の高齢化が進む中、主権と人権の重大な侵害である拉致問題の早期解決に向け、ストックホルム合意の破棄も視野に入れつつ、拉致交渉の主体を政府拉致対策本部、及び警察とするなど、オールジャパンで取り組みます。

■平和な安全保障環境を築く

藤田 幸久 (ふじた・ゆきひさ) ネクスト外務大臣 

藤田 幸久 (ふじた・ゆきひさ)

ネクスト外務大臣 

 「一国の最大の安全保障は、隣国の信頼と尊敬を得ることにある」(フランク・ブックマン)。日本が第2次大戦後に連合国と締結したサンフランシスコ講和条約には、中国、ロシア、韓国、北朝鮮は参加していません。安倍首相はこれら隣国での安全保障環境の悪化を口実に安保法制などを強引に成立させ、これら諸国との緊張関係が続いています。外交によって、これら隣国との永続的な信頼関係を構築すべきです。

 こうした信頼関係の構築や、「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」との民進党の安全保障の基本理念こそ、アメリカとの信頼関係と役割分担の進化につながるものです。
 加えて、日本の生活者、消費者に恵みをもたらす経済連携の推進、ODAを活用した官民一体によるインフラ輸出や経済発展と民生の向上に貢献する経済外交を推進します。人間の安全保障の理念に基づくODAの拡充や貧困の削減、持続可能な成長、平和構築、民主化支援などを進めます。
 国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標実現に向け、保健・衛生、教育、質の高いインフラ、防災、環境分野など国内省庁における取り組みも加速させます。海外援助に関わるNPOと外務省、財務省との定期協議に加え、経産省等の政府機関も加えた省庁横断的な定期協議の場を設けて、援助の効果と質を高めます。また、こうした連携を支える議員外交や議員政策活動の制度整備を目指します。
 平和な安全保障環境を築くために、国民の支持と国民参加の総力戦による外交を目指します。

■被災地に寄り添う

金子 恵美 (かねこ・えみ) ネクスト復興大臣

金子 恵美 (かねこ・えみ)

ネクスト復興大臣

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から5年7カ月が過ぎたが、未だソフト、ハード両面で課題は山積で、被災地に寄り添った復興を加速する必要がある。「集中復興期間」同様、「復興・創生期間」においても、地方負担を求めず全額国庫負担の原則を維持し、新たな基金の創設等にも取り組み、課題や行政需要に的確に対応する体制を構築する。

 地方公共団体による復興整備事業用地取得の迅速化のための法制度や、被災者生活再建支援金の増額等、支援拡大を図るための法改正を含め、先の国会に提出した復興加速4法案の成立を目指す。
 災害公営住宅や沿岸部の堤防の整備が進む岩手、宮城両県では、大切な家族や生業を失った被災者の心のケアを長期的に継続しなければならない。住民が安心して生活するために、コミュニティーと生業の再生への支援をさらに進める。
 原発事故の収束という課題を抱える福島県では多くの住民が避難生活を続けている。政府は17年3月までに居住制限区域、避難指示解除準備区域を解除するとともに、17年度から帰還困難区域への本格的な対応に着手するとしているが、帰還のための環境整備が充分でない中、避難住民が帰還か否かについて如何なる判断をしても、その意思を尊重するサポート体制づくりを進め、安全で安心できる生活を確保する。また、県内の原発全基廃炉、除染、健康管理等について国が責任を持って取り組むよう求める。民進党は「復興の光と影」の両面を直視し、課題を整理しながら被災者に常に寄り添い、人を中心とした復興政策を進めていく。

■人への投資で経済再生

神山 洋介 (かみやま・ようすけ) ネクスト内閣府特命大臣(国家基本戦略・経済再生・公務員制度改革)

神山 洋介 (かみやま・ようすけ)

ネクスト内閣府特命大臣

(国家基本戦略・経済再生・

公務員制度改革)

 政府はアベノミクスの効果を声高に唱えます。しかし、地域を歩いていて寄せられるのは「景気回復の実感はない」という声ばかりです。いまだに景気回復も、デフレ脱却も、経済の好循環も、わたしたちが暮らす地域には到来していません。

 一人ひとりが感じているのは、日常生活への不安です。現政権下で、経済成長率は低下しました。非正規雇用は増加し、実質賃金は低下、中小企業の経営難は増加する一方です。さらには、育児や介護などの心配事が社会問題となっています。
 いま必要とされているのは、日常生活への視点です。日常生活の現場、商売の現場、子育てや介護の現場などの不安を解消し、現状を立て直してこそ、将来への希望を育てることができると考えています。
 民進党は、「人への投資」を重点的に強化することを提案します。教育や子育て支援、職業訓練などの若者や現役世代への再分配、社会保障の充実を通じたシニア世代への再分配などによって、日常生活の不安を解消して、経済を再生することを目指しています。
 蓮舫「次の内閣」の国家基本戦略・経済再生・公務員制度改革担当として、今臨時国会では、所管法案の国家公務員給与法などの審議を通じて、徹底的な国会論戦と未来を見据えた提言を重ねていきます。
 未来への責任を果たすために、引き続き、皆さまからお預かりした思いを一つひとつ積み上げて、全力で活動を続けていく、その決意を新たにしています。

(民進プレス改題14号 2016年10月21日号3~6面より)

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