蓮舫代表は4日午後、来日中のアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国家最高顧問と東京都内のホテルで会談した。会談には2012年に東京で開かれたミャンマーの支援策を話し合う国際会議を主催し、ミャンマーの債務5千億円解消を決定した野田佳彦幹事長(当時総理)と城島光力(当時財務相)氏が同席した。

 蓮舫代表は会談の冒頭で「いろいろな環境の中でも民主化を求めて闘う(スー・チー氏の)真っ直ぐな姿勢をずっとまぶしく見ていた。ミャンマーの平和、民主化への動きを、わが国のODAでしっかり支援するために私たちも努力していく」と表明した。経済発展が進むミャンマーの将来については「若い人が多い国。可能性のある人たちが羽ばたいていく姿を国として創られるのを本当に応援する」とエールを送った。

 スー・チー氏は自国の民主化について「日本のような民主国家になることを決意し努力してきた」と説明したうえで、今後の2国間関係について「日本とミャンマーの間には伝統的に良好な関係があり、それを続けていかなければいけない。民主化にとどまらず、経済、社会のあり方でも関係を深めたい」と展望を語った。

 野田幹事長は「スー・チー国家顧問の下で民主化が進むと強く期待している。ミャンマーは自由・民主主義・法の支配という基本的な価値観を共有している。これからますますパートナーとして関係を強化していきたい。それは政府・与党だけでなく野党も望んでいる」と述べた。

 城島前財務相は農業国であるミャンマーの今後のあり方について「農業をさらに強化し、農家の所得を上げることによって他の産業も発展する。理想的な国づくりができる」と同国の方向性に期待感を示した。

 蓮舫代表は会談終了後に記者団の取材に応じ、女性リーダーであるスーチーさんから学ぶことについて問われ「自由というものを制限される、そういう長い日々をまさに耐えてきたリーダーである。今の立場に立たれて責任感をもって国を発展的に民主化に持っていこうという姿勢は、やはり不屈の精神なくしてはあり得ないと思う」と語った。

 スー・チー氏に何か個人的なメッセージを送ったかと問われ、「スーチーさんの本を読んだことがある。大変な環境に置かれながらも折れることなく、まさに民主化を求めてきた姿勢に、当時バブル時代の大学生であった自分は『こんなに甘えてはいけない』と本当に思った」と自身のエピソードを明かした。