衆院予算委員会で27日、2016年度第3次補正予算に関する基本的質疑の第2日目が開かれ、民進党から質問に立った長妻昭議員は、(1)日本の格差の現状(2)格差是正のための予算(3)持続的社会保障の実現――などに関して安倍総理らの認識をただした。

 長妻議員は格差について「日本社会にとって大きな問題であり、どんどん拡大すると富だけでなくチャンスも偏り、社会の活力、絆、経済の基盤を損なっていく」と問題視した。その是正のためには「総理の格差に対する認識いかんによって打ち出す政策や法律が方向性が相当変わってくる。国民の皆さんの立場に立って、きめ細やかな議論が必要だ」と政府による正確な現状把握の重要性を説いた。

 安倍総理が格差問題について「固定化されず、人々の許容範囲を超えないことが重要だ」と言及していることに関連して、日本で唯一、学者が行った格差の固定化に関する「貧困の連鎖」調査結果から、生活保護家庭に育った子どもの4人に1人が大人になって生活保護を受けるという実態を紹介。このような調査こそ政府が取り組むべきではないかと提案した。

 それに対して安倍総理は「格差が固定化しているかどうかについて一概に申し上げることは困難」「ご指摘のように学者による分析がなされているので政府として勉強していきたい」と述べるにとどめ、政府による実態把握に消極的姿勢を崩さなかった。

日本の格差の現状について総理の認識をただす長妻議員

日本の格差の現状について総理の認識をただす長妻議員