衆院予算委員会で1日、2017年度政府予算3案に関する基本的質疑の第1日目が開かれた。民進党からまず江田憲司代表代行が質問に立ち、(1)オリンピック・パラリンピック(2)豊洲市場移転(3)カジノ解禁(4)テロ等準備罪(5)天下り(6)南スーダンへの自衛隊派遣(7)安倍政権の外交――等に関する問題について安倍総理らの認識をただした。

 江田代表代行は、東京2020組織委員会が昨年末に発表した最大1.8兆円の経費のうち、1.3兆円の負担先が未定であることを問題視し、「早く費用負担問題を解決しなければ準備も進まないので、早期に決めてほしい」と政府にしっかりとリーダーシップを発揮するよう求めた。

 豊洲市場問題では、先のモニタリング調査で地下水から環境基準の79倍のベンゼンやヒ素やシアン等の有害物質が検出され、食の安心・安全が脅かされているにもかかわらず、それに対応する法律が明文化されていないと指摘。この問題を解決するため「現行規定にある生鮮食品に関する条文に安心安全配慮義務を入れ、法律上明定すべきだ」と提案した。

 カジノ解禁問題に関連して、ギャンブルが刑法の賭博罪にあたり違法であるのに対して、競輪や競馬等の公営ギャンブルが合法であるのは、それが「公設、公営、そして公益に資するからだ」と説明。ところがカジノは、民間会社が主体となって運営し、その収益金の全額が地方自治体に収められるわけではないため、違法性を阻却できないと指摘し、「断固反対する」と表明した。

 テロ等準備罪法案と名称を変えた共謀罪法案については、政府が国際的組織犯罪防止条約を批准するために必要だと主張しているが、同条約第2条がテロ対策を対象としていないこと等を例示し、「条約の履行にテロ等準備罪法は必要ない」と指摘。一方、同条約自体には民進党は賛成であると表明し、早期に批准案を国会に提出するよう求めた。テロ対策の必要性に理解を示したうえで、現行法の銃砲刀剣、麻薬、サリン等に対する35の予備罪で対応できないようなら検討すべきだと説いた。

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