蓮舫代表


――代表になって半年、その間の感想を聞かせてください。

 半年という短い期間ですが、民進党の「若い力」を非常に感じました。特に今年の衆院の予算委員会では、期数の若い方々が自らの言葉で質疑を通じて問題点を浮き彫りにしていく実績を残しました。参院にも新たな方々が当選してきました。新しい仲間は、今までとは違う視点からも問題提起ができる「民進党の未来」だと思っています。新しい風を起こす未来を語れる議員が出てきたことは、再生に向けての春だと感じています。

――今後の課題としてどのようなものが見えてきましたか?

 国会議員がいて都道府県連があり、そして自治体議員やスタッフがいる。しかしこれが連携して外に向けて発信していくべきなのですが、うまくつながっていない。代表就任以来、党務や政策での横のつながりづくりに取り組んできましたが、個々の力だけでは困難です。だからこそ「民進プレス」の改革や政務調査会の取り組み、国民運動の展開が組織の中だけで完結しないようにすることは、私の代表としての課題だと思っています。

――民進党や野党の役割についてはどのように考えますか?

 野党の役割は第一に「行政監視」です。税金の使われ方や再分配のあり方、税制改革に不当・不正はないか、国民の幸せに寄与するかなどを見極め、適切に正していくことは野党の重要な役割です。第二に、政策集団として現実的な政策を提案し、国民に選択肢を提供することです。それは野党第1党である民進党の最も大切な役割だと認識しています。

――次世代に果たす政治の責任について聞かせてください。

 私たちが次世代に残すもの、それは「未来」です。しかし、その未来には、今とてつもなく大きな負担と負債が伴っています。社会保障制度の持続可能性や公債残高の高さ、また原発事故に伴う「負の遺産」も残念ながら次世代に引き継ぐことになります。こうした中、いかに負担と負債を軽減し、それ以上の希望がある社会をどのように築いていくべきか。若者が重い現実を受け入れた上で、夢を抱ける未来を描くことは、私たち世代の果たすべき責任です。

――「FOR NEXT」を通じて今の若者にどのような印象を持ちましたか?

 良い意味で群れない「自立した個人」が多く、非常に頼もしく感じました。個人の生き方が尊重される新たな時代を迎えていると思いますが、まだ政治が追い付いていません。そのことに気が付かないままでは若い人たちの政治離れを進めてしまいます。
 だからこそ、大きな集団や大きな組織など、声の大きなところだけを向いた今の政治とは違う道に踏み出す必要があります。「FOR NEXT」の交流の中で見た若者たちの思いや取り組みも参考にして、次世代のための政策に生かしていきます。

――政策づくりでは、これからの時代にどのような姿勢が大切でしょうか?

 民進党は、高い専門性を持った人材を多く擁しています。各人が専門性を発揮して政策をつくり、いかにそれを生かしていくか。意外に難しい課題ですが、一歩ずつ取り組んでいかなければなりません。人口構成や産業のあり方、財政や地方の持続可能性が揺らいでいる中、日本型ベーシックインカムなどの新しい政策に挑戦し、国民の不安に積極的に応える姿勢を持つことが大切だと思っています。

――民進党の目指す「次の日本」とはどのようなものでしょうか?

 「人を大切にする社会」です。生活保護を打ち切られて暮らしていけない、学校に通いたくても通えない、大学を卒業しても奨学金を返せない。このように人生が望まぬ方向に向かったときに「支え合うことのできる」「人を大切にできる」日本です。例えば、「教育の無償化」によって、平等に全ての子どもの能力を育むことができます。また「分散型エネルギー社会」の実現は、衰退する地方に雇用を創出し、域内の消費を喚起します。「人」と「地域」を大切にすることが日本の再生に直結すると確信しています。

――東京都議選、そして来年末までにある総選挙に向け抱負を聞かせてください。

 都議選は東京都連を中心にしつつ、党本部も全力でバックアップしていきます。一方、総選挙は政権選択選挙の礎。さまざまな分野で国民に選ばれる政策をしっかりと提示することで、民進党の存在価値を高めていきたいと思います。

(民進プレス改題23号 2017年3月17日号より)

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