蓮舫代表は30日午後、定例記者会見を党本部で開き、森友学園をめぐる問題、核兵器禁止条約への日本の交渉不参加などについて発言した。

 与党が籠池氏を偽証で告発するという動きについて、「与野党が合意して国会で証人喚問が開かれた。発言内容に偽証の疑いがあった場合、告発する主体は予算委員会だ。主体でない人たちが、政府・与党一丸となって偽証の告発をするなどと発言することや、院としてもっと丁寧に行動しなくてはならない部分が省かれていることに違和感を感じる」と話し、安倍総理夫人の昭恵氏に国会での説明を求める考えをあらためて表明した。

 敵基地攻撃能力の保有を早急に検討するよう政府に提言する、という自民党内の動きに懸念を示した上で、「わが国の国民の生命、財産、幸福追求権を守るために常にバージョンアップさせていく議論を否定はしないが、核兵器禁止条約についての国連での交渉には参加しない一方で、他国を攻撃する意思を見せていくことに懸念を感じる。私たちは極めて慎重に対応させてもらう」と述べた。

 森友学園の籠池氏の問題で、野党が要求した資料が行政側から出てこないことについて、「資料がないという政府の説明は信用できない。防衛省の日報もないと言われていたがあった」とし、今後も資料の提出を要求していくと述べた。またわが党の辻元議員に対する一部メディアの報道姿勢や安倍総理の対応について、「報道で重要なことは事実確認だ。自民党側から出たメールの中身の確認は極めて容易にできる。にもかかわらず、『疑惑』と報道した新聞社に対しては、抗議文と法的措置も含めた対応を考えている」「この記事を元にして国会で答弁する安倍総理の器に疑問を感じざるを得ない」と表明した。

 与党側が文科省の天下り問題や森友問題の幕引きを狙って、予算委員会の集中審議開催に後ろ向きであることに対しては、「幕引きを図る姿勢には断固異議を唱える。森友問題、天下り問題は国民に極めて関心の高い事項。予算委員会で集中審議を開き、立法府の役割を果たすことが大事だ」「天下り問題については、調査結果を受けて、何が事実で、何が問題で、どう改善策を講じたのかを明らかにして欲しい」と述べた。

 文科省の天下り問題で、新たに30件の天下りが報告され全部で60件以上になることについての受けとめを問われ、「これは、大臣のガバナンスがどうなっていたのか。大臣の責任は逃れられない。また省を挙げてあっせん天国をやっていたということ自体が、教育を語る省として恥ずべき行為だ。軽い処分で終わるものではなく、猛省と再発防止になる厳罰で臨み、2度と同じようなことが起きないようにしなくてはならない」と答えた。

 共謀罪の審議入りについては、「法務委員会には民法の改正や性犯罪から親告罪をはずすなど厳罰化する刑法の改正案が先に提出されている。立法行為は国民が求めるものを優先するべきだ。それを飛び越えて共謀罪を先に議論するということは、何か都合が悪いことをこの共謀罪の審議で隠そうとしているのではないか」と述べ、共謀罪よりも性犯罪厳罰化の刑法改正を優先すべきとの考えを示した。