参院で14日、政府提出の「農業機械化促進法を廃止する法律案」と「主要農作物種子法を廃止する法律案」の本会議採決が行われ、与党の賛成多数で両案ともに成立した。採決に先立ち徳永エリ議員が民進党・新緑風会を代表して「農業機械化促進法を廃止する法律案」に賛成、「主要農作物種子法を廃止する法律案」に反対の立場から討論を行った。

 「主要農作物種子法」について徳永議員は、戦後の日本では食料増産のために主要農作物の優良な種子の生産・普及が課題になっていたことから、稲、大麦、はだか麦、小麦、および大豆の、域に合った品種を開発し、優良品種、奨励品種を指定するための試験などを都道府県に義務付けるものと説明。ところがその種子法に関して、昨年10月6日の政府の未来投資会議、規制改革推進会議・農業ワーキング・グループ合同会合で配布された資料で突然「民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止」と書かれていたと指摘。

 このときの議事録には種子法の廃止に関する議論が全くなく、いつ、どこで、どんな議論があって資料が作成されたのかもわからず、唐突に廃止の方針を打ち出されたことについて「決定プロセスがあまりにも不透明であり、こんな結論ありきのやり方は、国民や国会を軽視したもので、到底納得できない」と都道府県や採取農家等の意見を聞かずに政府与党が強引に方針決定したことを強く批判した。

 さらに、種子法の廃止は食料の安定供給の前提となる種子供給体制を壊すことにつながり、国が国民の食を、命を守る責任を放棄することになると指摘。「同法が廃止されても、これまでの都道府県による種子の生産・普及体制が維持されるということがきちんと、納得いく形で担保されない限り、そして、外資の参入や、種子の海外流出に対する懸念が払拭されない限り、主要農作物種子法は廃止するべきではない」と述べ、反対討論を終えた。

PDF「参院本会議種子法案反対討論」参院本会議種子法案反対討論