蓮舫代表は28日午後、早稲田大学の公開講座の一つである大隈塾で、「大学生と政治」をテーマに、およそ80人の学生を前に講演した。

 蓮舫代表は参加した学生に対し、「この学び舎(や)で何を学ぶのか、どんな変化が自分の中に現れるのか、何を求めてどんな大人になるのか、これからの大学生時代の1分1秒も無駄にしないで、全て吸収してもらいたい。なぜならば、皆さんは日本の未来だからだ」と語りかけた。

 自らが政治家になった理由について蓮舫代表は、「この国の政治はずいぶん長いこと次の世代のことは考えず、声の弱い人には政治が届かなかった。それがこの国の民主主義で、それを変えたいと思い政治家になった。13年が過ぎ、今は民進党のトップとして安倍総理と向き合っているが、非常に苦しい。しかしここで頑張らないとまでと同じような政治が行なわれてしまう」と述べた。

 「政治の役割は皆さんが納めた税金の再分配をすること。この国の財政弾力性は本当に限られている。社会保障費や国債費、地方交付税など用途が決められているものを差し引いて柔軟に使えるお金は数兆円しかないが、私はこのお金を次の世代に使いたい」と蓮舫代表は民進党が目指す政治のあり方を説明した。

学生に向けて話す蓮舫代表

 自民党と民進党の考え方の違いを、「安倍政権は、防衛費や公共事業、為替対策、株式に予算を使って豊かな人を作り、そしてその他の人も豊かになっていくという考え方だ。しかし私たち民進党は、生活保護を受ける人や多重債務者を作るのではなく、底支えをして納税者を作るほうがよほど国の仕事だと考えている」と述べ、これが選択できる政治だと述べた。

 「国会では日々いろいろな法案の審議が進み、数の力で成立し、施行されている。それが自分の自由、この国の民主主義、自分たちの生活や未来にどう影響するのかを考えるのは国民の役割だと思う。双方向でなくては政治はできない。関心がなければないほど権力者にとってこんなありがたいことはない。しかし関心を持ってもらえれば政治は変えられる。動きがあれば政治は反応する。野党はその声をしっかりと受け止め与党とやり取りをして、政府に対しては監視とともに提案を行う。これをちゃんと動かしていくことが政治だと思っている」と蓮舫代表は話し、政治に大きな関心を持ってほしいと訴えた。

 講演終了後には学生たちとの活発に意見交換し、しばしば笑いを交えながら、真摯(しんし)に答えた。