参院予算委員会で16日、安倍内閣の基本姿勢を問う集中審議が行われ、民進党の福山哲郎幹事長代理が質問に立った。松野文部科学相が15日、民進党が入手し文科省に再調査を要求していた「総理のご意向」などと記した文書について、これまでその存在を否定していたが、一転して文書の存在を認めたことを受け、加計学園疑惑への安倍総理らの関与を追及した。

 文科省が再調査した結果、前川・前文部科学事務次官も「本物だ」と証言していた19資料のうち14資料の存在を確認できたことから、前川次官の証言は正したかったと福山議員は指摘。これまで「確認できなかった」と答弁していた安倍総理、「怪文書の類」と非難していた菅官房長官に「本物だと認めるか」と迫った。

 これに対して安倍総理は「中身についてはそういう趣旨のものがあった」、菅官房長官は「怪文書のようなものと発言したのは、5月17日の会見でのことであり、現在の認識ではない」とそれぞれ答弁し、一連の文書の存在をやっと認めた。

 「官邸の最高レベルが言っている」などと内閣府から言われたことを文科省の職員が記録し、同省がその存在を認めた9月26日の会合に関する文書に関連して、山本幸三地方創生相に対して「(内閣府に)その時のやりとりを文書で残しているか」とただした。山本大臣は「そういう文書は残っていない」「官邸の最高レベルが言ったなどと発言していない」と答弁し、文科省が作成した文書に疑義を呈した。

 その9月26日付文書で「平成30年4月開学を大前提に逆算して最短のスケジュールを作成し共有いただきたい」との記述について、それを発言したとされる内閣府の藤原審議官に真偽をただした。藤原審議官からの答弁を制止して山本大臣が答弁に立ち、同文書とは別の関連メールを作成した内閣府職員の存在に言及し、「文科省からの出向者が陰に隠れて本省(文科省)にご注進したようなメール」と、自らの部下に責任を押し付けるような卑劣な答弁に終始した。

藤原内閣府審議官との打ち合わせ概要(獣医学部新設)

藤原内閣府審議官との打ち合わせ概要(獣医学部新設)


参院予算委員会集中審議

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PDF「福山哲郎議員配布資料」福山哲郎議員配布資料