蓮舫代表は20日、国会内で定例記者会見を行い、(1)九州北部豪雨災害への対応(2)南スーダンPKOの日報問題隠ぺい問題(3)加計学園問題で山本創生大臣が「加計ありき」としていた報道――等に関して見解を述べるとともに、記者の質問に答えた。

 冒頭で蓮舫代表は、九州北部の豪雨災害に関して、本日午後に民進党豪雨等災害対策本部(本部長・野田佳彦幹事長)が総理官邸を訪れて菅官房長官に緊急の申し入れを行ったこと、また、全国知事会も政府に緊急要望書を提出したことについて、「政府はこうした申し入れを踏まえて迅速に対策を講じていただきたい」と対応を求めた。発生から2週間あまりが経過し、今なお7人の行方がわからない状況で、現地警察を中心に県を越えた懸命な捜索活動を続けられているなか、民進党としても一刻も早く見つかっていただきたいとの思いのもと、関係県連と連携して活動を行っていく考えを語った。

 先週末に行った被災地視察も踏まえ、「福岡においては2カ月分の夏の雨量がわずか9時間に降ったという、想像を絶する甚大な被害であった。山林からの流木の被害が直撃し、高齢化率が50%を超えている村では激甚災害指定をされたとしても(自宅に)戻れるか分からないという悲痛な声を聞いた。原状復帰だけではなく、生活再建まで踏み込んだ形で対策をしないと、生活そのものや生活の糧を失った高齢者の人たちの行き場がどうなるのかという不安が残っている。政治がそれを取り除く努力を与野党超えて行わないといけない」と強調し、緊急申し入れにはそうした考えを盛り込んだと述べた。

 南スーダンPKO日報問題をめぐっては「いったい何が起きているのかわからない事態」と指摘。稲田大臣が日報の「非公表」を協議した会議に出席し、隠ぺいに加担したのではないかとの報道を取り上げ、「政府の信頼性が根底から覆されるもの。これはしっかりと明らかにしなければいけない」と語気を強めた。他方でこうした情報が次々に防衛省内から漏れていると考えられる状況についても問題視し、「すでに稲田大臣の(防衛省内での)シビリアンコントロールがまったく機能していないことの表れ。稲田大臣を安倍総理は即刻罷免すべきだ」と語った。

 PKO日報問題をめぐり、3月から防衛省の防衛監察本部が特別防衛監察を進めてきた結果が近く公表される見通しであることに関して、菅官房長官が本日午前の記者会見で、「稲田大臣が日報の非公開を了承したか否かを含めて調査する」と明言したことについて、「本当に調査されることを期待したい。新たに調査するのであれば何日ぐらいかかるのか、どういう形で調査を行って稲田大臣の関与も含めて明らかにするのかを政府は公表しないと、2度3度と信頼が失墜している問題なので、にわかには菅官房長官の発言を信頼していいか分からない。これは予算委の集中審議で当然大きな論点になる」と語った。

 加計学園の問題では、正式に設置が認められる2カ月前に山本地方創生担当大臣が日本獣医師会を訪れ、獣医学部新設方針を加計学園と具体名を挙げて説明したことが獣医師会側の議事録で明らかになった件についても取り上げた。本日午前に山本大臣が「正確ではない」と強い口調で反論したことについて蓮舫代表は、「事実関係は獣医師会の記録の通りに進んでいる話なので、何が正確ではないのかを立証していただかないと。大臣が言ったから信頼してくれというのでは、さまざまな証拠が次々に出ているのでもはや信頼に値しないと思っている」と指摘した。また「同席している秘書官のメモで確認した」とも山本大臣が発言していることから、「この秘書官のメモを公表していただいて、山本大臣が『正確ではない』と反論する根拠を明らかにしていただかないと、一段と政府が言っていることが信頼できないことに拍車をかけることにつながる」と指摘し、積極的な情報開示と証拠の提示が必要だと述べた。