民進党は23日、今後の党の立て直しに向けた全国11ブロックの地方組織幹部らとの意見交換会の一環として、東海(岐阜、静岡、愛知、三重)ブロック広聴会を名古屋市内で開いた。党本部からは大塚耕平代表(用務のため途中出席)、増子輝彦幹事長、岡田克也常任顧問、篠原孝選挙対策委員長、中川正春党改革本部検討会座長、榛葉賀津也選対委員長代行が出席した。

あいさつする増子幹事長

あいさつする増子幹事長

 増子幹事長は冒頭のあいさつで、先の総選挙をめぐる混乱によって地域の自治体議員や党員・サポーターに多大な迷惑をかけたことを謝罪したうえで、来年2月までに開く党大会で明確に方向性を打ち出せるよう、今までのトップダウンの党のあり方をボトムアップに改めるとし、率直な意見、批判、要望などを聞かせてほしいと出席者に呼びかけた。

 途中出席した大塚代表は「本気で生まれ変わらないとこの党の明日はない。前に進むしかない」等と述べ、党立て直しへの協力を求めた。

 出席した各県連幹部の自治体議員からは、次のような意見や要望が出された。

  • 今後も反自民の受け皿として地域でしっかりがんばっていきたいので、党員・サポーターに向けて明確なメッセージを発してほしい。
  • 党の方針で希望公認で立候補して落選したが、今後は民進党で戦いたいという者もいる。早急に方向性を示してほしい。
  • 希望への合流方針を最初は肯定的に受け止めていたが、結果的には四分五裂状態になった。責任を持って健全な野党勢力の結集に心血を注いでほしい。
  • 他党に移ると表明している県議もいるが、県政の課題は国政とは違うとして会派は維持していける見通し。地域支部の設立要件を緩和してほしい。
  • これまでやってきた民進党、地域政党、連合の三位一体方式を再確認している。
  • 本店がぐらついている中で支店にしっかりしろといわれても困る。党を今後も存続させる方向でしっかり議論してほしい。
  • 地方の意見を尊重するというのであれば、全国幹事会の位置づけを明確にし、本部の会議にも自治体議員を加えてほしい。
  • 地方はいつも国会議員の決めたことに従う立場だった。今回のことは国会議員の判断ミスであり、地方の声を生かせる仕組みづくりをまずお願いしたい。
  • 総支部の継続という方針が出ているが、年末までに前の総支部の収支報告を出してもらい、いったん責任を切断した上で新規に立ち上げるやり方も認めてほしい。

増子幹事長ぶらさがり記者会見

 会議終了後に記者団の取材に応じた増子幹事長は、「さまざまな率直な意見をいただき、われわれも100点満点の答は出せないが、大胆にイノベーションをしてこの党の再生を図りたい、その時期は来年の党大会が一つのめどであるので、それまでに全国各地を回って党の新しい姿を明確に打ち出したいと申し上げた。皆さん、いろいろな事情はあるにせよ民進党に愛着のある皆さんばかりなので、地域事情によっては本当に悩ましい状況はあっても、何とか今踏みとどまっている状況であるということをわれわれも十分理解しながら、その方々のためにできるだけ早くそういう方向性を示していきたい」と感想を述べた。

 地方での3党の連携のあり方の一つとして浮上している地域政党づくりについての考えを問われると、「それぞれ地域事情があるので、画一的にそういうものを示す気はない。地域地域の事情に合わせてやっていかなければいけないだろう。だからなおのこと、まずは民進党の新たなアイデンティティをきちっと示す」と答えた。

 他の2党の地域組織づくりの動きについては、「それぞれの政党に公党としての立場があり、地方組織を作るということは私は当然至極のことだと思っているので、何らネガティブに思うことはない。全国に組織を持つのは民進党なので、これは大事にしたい」などと述べた。

発言する出席者

発言する出席者