大塚耕平代表らは今後の党組織の在り方をめぐる協議をスタートさせた。12日には自治体議員フォーラム11ブロック代表や政令指定都市政策協議会役員、党全国青年委員会役員会メンバーとそれぞれ協議。13日は女性議員ネットワーク会議世話人ブロック代表と意見交換を行った。

 参加者発言の要旨とやりとりを紹介する。


■自治体議員フォーラム・政令指定都市政策協議会■

■自治体議員フォーラム・政令指定都市政策協議会■

北海道ブロック 民進党として北海道連を存続することは確認しているが、今後は立憲に流れることを認めざるを得ない。ただ、民進・立憲・希望で協力・連帯し、自治体選挙でも3党連絡会を常設し協議する組織づくりを、党がブリッジ役となり連携する形が必須。

東北ブロック 今話題に上るのは交付金。県連職員を抱えていることの責任もある。何か行うにも事務職がしっかりしていないと困るので、その点を早めに示してほしい。党の方針で希望の党に行き落選した人への支援も検討を。

北関東ブロック 総支部長のいない総支部の運営方針を早急に示してほしい。茨城は来年12月に県議選があり、全員が民進党の看板を背負って頑張るとのことなので、地方の基本戦略の見直し・検討を早急に出してほしい。衆院選後にこれまでの仲間が各党に分かれたが、党が違うからと完全に切ってしまうのは、現実的でない。

南関東ブロック 当面は一致結束ということだが、民進党の将来像を明確に示してもらわなければ、残って活動する意味があるのかと思っている自治体議員が多い。統一自治体選で立憲や希望も地方組織を立ち上げた場合、共倒れとなり自民などを利する結果となる恐れがあるので党本部の調整を求める。

東京都ブロック 東京都選挙区は希望の党から1人として公認を得られなかったので、連合東京との話し合いのなかで「立憲も全力でやれ」という指示を出した。選挙後、立憲の衆院議員から民進党をやめて立憲へ来いという、いわゆる引き抜きが行われている。一定の答えが出るまでは民進党のままでという考えだが、地域によっては早くに離党したいという動きもある。

北陸信越ブロック 統一自治体選挙で新潟では民進・社民・連合新潟による3者協議に知事・衆院選を戦った6人も入ってもらう非自民の連絡協議会を作る予定。こうした動きを承認しフォローしてもらえるか方針を示してほしい。そして、党が存続するなら議員フォーラムは継続してほしい。

東海ブロック 連合がキーになりブロック単位で自治体議員団が結集できる形づくりが必要。民進党が3党間をブリッジする形で連合と協議を。立憲・希望と自治体議員の引っ張り合いになる状況は避けてほしい。三重からは去年の参院選でとった野党連携方式の継続容認を求める声がある。党員・サポーター集めは今後、立憲・希望と競合が起こる可能性があるので調整が必要。

近畿ブロック 蓮舫代表体制下で自治体議員フォーラム世話人代表が常任幹事メンバーとして議論に参加する形があった。地方の声を党運営に反映してもらうためにもこの形を継続してほしい。

中国ブロック 島根は衆院が立憲で参院が民進だが立憲にシンパシーを感じている県議が何人もいる。岡山もそう。今後はなるべくまとまっていきたいが、連合系議員でも産別によって支持が違うので、さまざまに動き始めている。今後の方針が早く出ないと遅れれば遅れるほど地方組織が混乱する。

四国ブロック 民進党を何のために残しておくのかという方針を明確に示してほしい。そうしないと党員・サポーターの募集も見通せない。県連への財政支援を心配する声も強い。第三者機関等が中心になってもいいので、これまでの連携が維持できる形の検討を。

九州ブロック 福岡を除けば九州はどこも同様の規模で、これを小さく割っては政党と言えるのか。宮崎ではこれまで支えてきた総支部長を降ろして当選させた希望の衆院議員を支えることは難しく、まとまって立憲にというのが大半の意見。もしくは無所属の方が楽だという空気がある。

 民進党は全国に根を張る野党というのが強みだったのを、全国政党でなくなるような状態を招いたことが前原さんの最大の罪。自治体議員がゼロになって県連業務を支えられない組織が出た場合にどうするのか方針を示してほしい。衆院選前の全国幹事会は、党内民主主義はまったくなかった。地方の声を聞きながら決めていく形を整えてほしい。

札幌市 先の分からない政党にいつまで党費を集めるのかという声が出ている。党のあり方についていつまでに結論を出すかのアナウンスは早めに。政令都市の統一自治体選挙は、年が明ければ公認候補を決めて準備しないと間に合わない。

横浜市 国政と自治体議会の課題は違う。ひとつにまとまるなかで議長・副議長を出している政令市もあるので、数を割りたくない。自治体議会では分裂含みはマイナスなのでぜひ回避に向け党首レベルで調整を。自治体議員だけで総支部を運営している状況の解決方針をしっかりと示してほしい。

川崎市 政令指定都市政策協議会の組織運営では都道府県連からの交付金を充ててきた。今後はどうなるか、方針を示してほしい。13年前につくった組織を壊すのは簡単だが、つくるのは大変なので、どういう組織なら今後認められるか検討してほしい。

あいさつに立つ桜井充組織委員長

あいさつに立つ桜井充組織委員長

■全国青年委員会役員会■

■全国青年委員会役員会■

北海道ブロック 「党員に説明する材料が何もない」という現状を何とかしてほしい。「党本部はこういう方針」と説明をしているが、それはコンクリートされたものではない。

 自治体議員の中には、「党費はあくまで党の綱領に賛同し、その綱領の理念を達成するために納めている。そこがはっきりしない限り党に残ることは難しい」という声がある。

 国政選挙だが、3党で統一名簿を作って戦うぐらいまでしないと。衆院選がないとは言えないので、可及的速やかにその協議に入るべきだ。

東北ブロック 青森は3人とも希望で落ちた。現在は様子見の状態だ。しかし升田さん、山内さんは1千人以上の党員・サポーターがいる。昨年田名部参院議員が誕生したのもこの2人の力があってのもの。今後はこういう人たちと連携やサポートもしていかないといけない。縁が切れてからでは戻ってくるのも難しくなる。

四国ブロック 「民進はやめたらどうだ。その方があなたのためだ」と言われている人もいる。ここにいるわれわれは、各地域で民進党の旗を立て看板を立て、国政選挙でも前面に立ってやってきた。党の綱領や理念に賛同し、信じて頑張ってきた。特に若い世代には強い思いと行動力を持って働いてきた人がたくさんいる。

 時間がない。年内には各地域で立憲や希望に振り分けられていくことは目に見えている。また党員・サポーターの募集はどうするのか。大塚代表は、「今回の選挙では1千万票増えた」と言った。立憲は革新に、希望は保守の方に食い込んでのことだが、では民進はどこの票を拾いに行くのか。どこに軸を置くのか。早め早めの動きが大事だ。

南関東ブロック 立憲や希望に移ったために総支部長が空白の総支部が多数ある。これまでは公認内定者や国会議員が総支部長になるルールだったが、そういうことを言っている場合ではない。自治体議員が総支部長をできる体制を作るのも一つの手段ではないか。

 そもそも統一自治体選に民進党で臨む姿勢が党本部にあるのかを確認したい。私たちは民進党の旗を掲げ、強い気持ちで各地域で先頭に立って活動してきた自負がある。

 ある県連では立憲の会議に民進議員がオブザーバーとして参加したという話を聞いた。こうした動きに対して、党本部の見解を示してほしい。

九州ブロック 党員・サポーターには、「民進党を今後も発展させて頑張ってほしい」という声もあれば、「統一自治体選と参院選で民進党の看板を背負って戦うイメージがない」という声がある。

 参院議員は、民進党公認で参院選に出る決意があるのか。来年の党大会までに、立憲や希望それぞれの動きがあることを前提に現実的な方針を決めないといけない。

 政党は国政のためだと国民に思われている。民進党はボトムアップの地方に根差している政党であって、その力が地方政治で発揮されているということを大きく打ち出すことは、今後の政党の在り方を示すいいきっかけになる。

近畿ブロック 地域政党には政党交付金が降りてこない。お金の面で見れば政党は国会議員のものだ。このあたりの問題をどう解決していくのか。民進党を中心にしながら出てくる地域の枠組みに対して、党としてどう支援してくれるのかを検討してほしい。

北関東ブロック 衆院選が終わり、自治体議員がどうするか悩んでいる。しかし今話を聞くと3党で調整しながら頑張っていくということだが、そういった情勢を逐一知りたいがそうそう情報が来るわけではない。

 衆院選に候補を出さないということは、政権を取りにいかないということを言ったのと同じ。党が残っているのであれば、再度政権を取りに行くかどうかを示すべき。

東京都ブロック 立憲、希望から人材の引き抜きが始まっている。一人またひとりと離党者が出て人材という民進党の財産が失われる。

 地域の声を聴いてもらうことはいいが、最後に常幹で決まったことが、われわれの思い描いていたことと違うということが多かった。

 所属政党以外の人を応援したら懲罰の対象だったが都議選から方向性が変わってきた。しかし政党として息をするのであれば、そこはしっかりとした線を引かないと、政党内で頑張っている人に失礼に当たる。

北陸信越ブロック 党の改革本部でプロセスを踏んでいるところだと思うが、統一自治体選へ向けた活動を年明けにはスタートしたいので、今年中に一定の結論を出していただきたい。

 今回の衆院選は屈辱的だった。わが民進党が届け出政党として名簿すら出せないことははらわたが煮えくり返る思い。民進党がなくなれば楽なんだろうとは思うが、最後まで歯を食いしばって頑張る。

中国ブロック 衆参議員がいない。人的金銭的支援がほとんどない。山口では民進党は共産党扱いされている。何かしら党本部から援助を。

女性議員ネットワーク会議■

● 地元の総支部長が立憲の候補者となって当選したが、総支部としてはその後、現場は混乱している。

● わが県で総支部が解散手続きを進めようとする中、党を残せるのかと感じている。

● 所属県連が大会を開いて議論した結果、民進党県連を残すことになった。今後の選挙を連合と一緒にやっていくには民進党の姿しかないとの判断で、次は民進党としてやっていくこととなった。

● 東と西と温度差があり民進党を取り巻く環境は全然違う。西に行くほど厳しい。山口県や福岡県のような自民の有力者が多くいる県はなかなか勝てない。そういう悩みも共有したい。

● これまでの総支部長が立憲や希望に行って当選した総支部は、早く解散してもらわないと暫定総支部を立ち上げられない。

● 県議や市議も党員・サポーターを集めたが、民進党として集めた党員・サポーターをそのまま他党に移されては困る。

[大塚代表]総支部は今も残して存続している。そして、党員・サポーターは民進党として登録した方々なので抹消される状態ではない。

● 党が存続するかどうかを年内に決定したいというニュアンスで伝わってきている。自治体議員を含めて当面は財政、体制、組織の面で民進党を残すが、当然次の選挙の時にはないという共通認識が私たちの中にある。

● 民進党に離党届を出して、希望から立候補して落選した人の党籍が現在どこにあるか解決していない。希望への入党届はしていないという声もある。

[大塚代表]離党届を出して受理されて、希望で立候補した方は、いまはわが党に党籍はない。ただし、落選したので今後戻りたいと話があれば、それは今後の課題。無所属で立候補して離党届を出していない人は党籍が残っている。

● 今回の衆院選で立憲と希望の比例得票数を足せば自民の得票より多かったと言うが、政策がとがっている方が特定のファンを作れる。それが大きな固まりになった瞬間に数は減っていく。とがった状態でお互いが競合しないように調整することは難しいのではないか。

● 民進党は世論調査で1%しか支持率がない。皆さんがやろうとしていることは、国民からすると亡霊のように実体のない政党をどう立ち上げるか空論の議論をしているように思える。

[大塚代表]党を存続したいもののこのままで存続できるとは思っていない。これまで通りの政党構造をもう1回再構築する形で一緒になるのはなかなか難しいだろうとは痛感している。

● 所属する総支部の元総支部長の党に入ると言っている自治体議員もいる。そうなると自治体議員はバラバラになると懸念している。

● 総支部の活動にあまりにも引っ張られすぎている。本当は議会ごとの政策があり、市町村の、県としての政策もあるはずだが、あまりにも総支部に引っ張られた結果、いまこのようになっている。

● 自治体議員だけになっても一緒にやると言わないとまとまらないし、そうしないと議席数を増やしていけない。割れてしまうと、また自民に勝たせる統一選になる。

● 希望、立憲の県連ができたら、支持者も分散する。自治体議員もそうなる。大塚代表には、希望の玉木代表と立憲の枝野代表と話し合って、県連組織をどうするか聞いてほしい。

[大塚代表]県によってかなり違いがあるが、最終的なゴールは大きな固まりで議席を増やすこと。原点を忘れなければ解決の工夫はいくらでもできる。

女性議員ネットワーク会議のブロック代表と意見を交わす大塚代表

女性議員ネットワーク会議のブロック代表と意見を交わす大塚代表


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