民進党政務調査会長 足立信也


 本日、平成29年度補正予算案及び平成30年度予算案が閣議決定された。29年度補正予算は、建設国債を1.2兆も追加発行し、2.9兆円もの歳出を追加することとした。 一方、30年度予算案は、国債想定金利を過去最低に引き下げるなどの操作を行ったが、一般会計 総額は97.7兆円となり、6年連続で過去最高を更新した。安倍総理は、いつまでも財政出動を続け るわけにはいかないと国会で何度も答弁してきたが、結局未だに財政出動に頼っている姿があらためて 浮き彫りとなった。

 個々の歳出項目を見ても、30年度予算において、公共事業費が6年連続増加し、防衛費に至っては6年連続で過去最大を記録するなど、全体的に歳出増に歯止めがかけられていない。その一方で、 本来増やすべき人や暮らしへの投資はまったく不十分なままである。 政府は12月8日に「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定し、曖昧な形ながら幼児教育無償化の 全面実施等を打ち出した。しかし、30年度予算案は子育て世帯や幼児教育・保育関係者の期待に応える には極めて不十分な内容となっている。「人への投資」を強調してきた民進党としては、政府の本気度を疑わざるをえない。 また、診療報酬本体は引き上げられたものの、控除対象外消費税問題への解決策が示されておらず、 医療崩壊への懸念を払しょくするものとはなっていない。超高齢化社会における国民皆保険制度維持についても、 負担の適正化、予防医療の充実による医療費抑制などの視点を欠いている。介護報酬は0.54%引き上げられたが、 喫緊の課題である介護従事者の待遇改善は望み薄であり、安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」への道筋はまったく見えない。 そのほかにも、長距離巡行ミサイル関連経費という専守防衛の根幹に関わりかねない項目が国会での議論もなく 唐突に計上されたことなど、論点や問題点は多い。
 
 民進党は、これらの問題意識を踏まえて次期通常国会の論戦に臨み、真に国民の暮らしが豊かになる経済財政政策 への転換を訴えていく所存である。

以上