【特集】「新しい党に生まれ変わる努力を」両院議員・全国幹事会等合同会議で党改革の確認事項を了承

 民進党は12月26日、両院議員総会・全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議を国会内で開き、大塚耕平代表が党改革に関するこれまでの議論を踏まえて「基本的考え方」を提案。党綱領など基本政策のいっそうの明確化、党のガバナンスの改善、できる限り早期に「新しい党」として生まれ変わることなど5項目の「確認事項」を参加者全員の拍手で了承した。また、合同会議に先立つ両院議員総会では、立憲民主党、希望の党との統一会派交渉についての基本方針案を賛成多数で了承した。

党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」について

大塚代表スピーチの概要

大塚耕平代表

大塚耕平代表

 この間の党改革に関する議論を受け、執行部としての「基本的考え方」をご説明申し上げます。その中心は、国民生活の向上が何よりも重要な目標であるという党の原点を再確認し、本気で党のガバナンスを改善・強化するとともに、できる限り早期に新しい党として「生まれ変わる」ことです。民進党のために民進党を改革するのではありません。


1.党の原点は国民生活の向上

 民進党が蓄積してきた政策に私たちは自信を持つべきです。民主党政権の政策に根拠のない批判や中傷を繰り返してきた安倍政権は、結果的に私たちの政策を表面上はコピーせざるを得ない状況になっています。
 同時に、「民進党が何を行う政党なのかをより一層明確にすべき」という意見も多くいただきました。民進党を国民生活の向上に資する政党として再生するため、綱領等についてさらなる議論を行います。

2.ガバナンスを改善し、信頼される党へ

 第一の問題は、意思決定に自治体議員等の関与が不十分だったことです。これに代わるガバナンスの仕組みとして、(1)常任幹事会に全国幹事会の各ブロック代表幹事、青年委員会、女性議員ネットワーク会議、自治体議員団会議代表の枠を設ける(2)ブロック協議会の代表幹事を自治体議員とし、ブロック協議会は常設化する(3)党運営に関する重要事項等については全国幹事会・両院議員総会の共同開催等による意思決定を行う――の3点を検討します。

 第二に、党組織のあり方では、総支部長の規定を見直すとともに、総支部の機能として友党との連携を明記します。新たに地域政党等に関する規定を検討します。党員・サポーター制度、党事務局のあり方、所属議員の党内議論や党運営に臨む姿勢についても見直します。

3.改革し、新しい党へ

 総選挙直後、「もはや民進党では戦えない」「新党に移行すべき」等の意見も聞かれました。しかし、今の民進党が同じ構成員で新党に移行しても、国民の皆さんはそれを新党と受け止めてくれません。一方、現状維持しつつ党再生を図ると言っても、もはや今の民進党が以前と同じ党だとは国民は受け止めてはいないでしょう。こうした状況下、ガバナンス問題をはじめ、本気で「生まれ変わる」努力を行うなかで、時期と形態等については予断を抱けないものの、できる限り早期に新しい党に「生まれ変わる」ことを模索します。

4.党財政の再建

 党財政が徐々に逼迫してくることを想定し、所属議員への交付金、事務局職員の給与、党本部の事務スペースなどを見直します。都道府県連、総支部や青年委員会、女性議員ネットワーク会議、自治体議員団会議、地域政党等への財政支援の内容は2月4日の党大会で決定します。

5.選挙における友党等との連携

 民進党の地方組織と友好な関係を維持し、選挙区調整等が可能な友党等の候補者を総支部として支援する枠組みを定めます。また、先の総選挙に他党で立候補した元民進党議員等の扱いについても検討します。

6.おわりに

 今までの連続線上の発想と対応では党運営も党再生もできないという現実を今一度皆さんと確認し、改革を進めつつ、できる限り早期に新しい党に「生まれ変わる」ことを追求します。


党の戦略・組織・運営に関する「基本的考え方」確認事項(2017年12月26日)

 国民生活の向上が何よりも重要な目標であるという党の原点を再確認し、本気で党のガバナンスを改善・強化するとともに、できる限り早期に新しい党として「生まれ変わる」ことを目指す。

1 党の原点は国民生活の向上

●基本政策検討本部の「検討会」の活動を開始し、綱領等の内容について再検討する(検討結果は1月20日を目途に党本部に答申)。
●「検討会」の共同座長は青年委員会委員長、女性議員ネットワーク代表幹事が務める。

2 ガバナンスを改善し、信頼される党へ

●「中間報告」に基づいて、幹事長の下で所要の規約改正等を検討する(改正は2月4日の党大会で行う)。
●地方組織、党本部等のあり方を、組織委員長、財務局長、総務局長の下で見直す(所要の規約改正等は上記のとおり)。
●所属議員の党内議論や党運営に臨む姿勢に関する行動規範について、組織委員長、倫理委員長の下で検討する(同上)。

3 改革し、新しい党へ

●国民生活の向上が何よりも重要な目標であるという党の原点を再確認し、できる限り早期に新しい党として「生まれ変わる」ことを目指す。
4 党財政の再建
●党財政再建のため諸経費等の支出を見直す。地方組織等への交付金等の詳細は党大会で決定する。その間の経常資金等は適宜交付する。
5 選挙における友党との連携
●民進党の地方組織(総支部、都道府県連)と友好・連携関係にある友党等の議員・候補者を支援できる枠組みをつくる。

基本政策の検討会がスタート

 民進党は12月31日、基本政策検討本部(本部長=大塚耕平代表)、検討会(共同座長=田辺一城福岡県議会議員・全国青年委員会委員長、同=岡野朱里子香川県議会議員・女性議員ネットワーク会議四国ブロック世話人)の第1回会合を党本部で開き、構成メンバーを確認するとともに、党の綱領や党の在り方等について協議した。大塚代表は、「私たちは国民生活の向上を目指すことが党としての最も大事な目標なので、今の綱領や基本政策も過去の蓄積に基づいてたいへん立派なものだが、来年は改革し新しい党を目指すとご確認いただいたので、それにふさわしい綱領や基本政策のアピールの仕方を検討してほしい」と呼びかけた。SNSなども活用して議論を進め、1月20日頃までに一定の結論を大塚代表に答申する予定。


■統一会派申し入れ書■

立憲民主党代表 枝野幸男 殿
希望の党代表 玉木雄一郎 殿

 今日、立憲主義を踏みにじり、国民から負託された国会議論をも軽視する安倍政権に徹底的に対峙(たいじ)し、強引な国会運営とは全面的に対決することが不可欠と考えます。そのためには、可能な限り、民進党、立憲民主党、希望の党の三党間での統一会派結成をめざし、連携していくことが必要です。以下の基本方針を共有し、国会論戦、国会対応に共同して取り組む会派を衆参両院で結成することを呼びかけます。
○「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立ち、多様性を認め合う共生社会をめざす。
○積極的に政策議論を進め、安倍政権では置き去りにされてきた地方分権や国民生活に光をあてる議員立法の成立をめざす。
○現憲法の平和理念を尊重し、一昨年の安保法制の違憲部分を削り、「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」との原則に基づき、国の安全を確たるものにする議論を進める。
○政治の信頼を取り戻し、行政監視によって税金の無駄遣いをなくすため、森友・加計学園問題をはじめとした疑惑の徹底追及を行う。
○長時間労働の規制やパワーハラスメントの防止を進める一方で、残業代ゼロ・長時間労働を助長する政府の働き方改革関連法案については、働く者の視点から十分な審議を尽くす。

2017年12月26日
民進党代表 大塚耕平

(民進プレス改題33号 2018年1月19日号3面より)

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