鷲尾英一郎議員は23日午前、衆院財務金融委員会で質問に立ち、(1)マイナス金利政策(2)身を切る改革(3)軽減税率――などについて問いただした。

 この中で鷲尾議員が「マイナス金利政策について、金融機関に与える影響はどういうものか。また金融機関はどういう行動をとると思うか」と質問したのに対し、麻生財務大臣は、「戦後70年。初めてのことを日銀はやっている。また受け取る側の方の反応もバラバラだと思う。個々の金融機関の業務内容に与える影響も、金融機関が持つ資産の構成もさまざまなので、一概にどうこうとは言えない。デフレからの脱却を目指し、金融育成の観点から金融機関が萎縮しないように指導していきたい」と答えた。鷲尾議員は、「市場では円高対策という見方もあると言われている」との問いに坂井財務副大臣は、「マイナス金利政策は、日銀が物価安定目標を達成するために必要な方策として決定されたものと考える。為替目的ではない」と答えた。

 「法人企業統計では、企業の利益は最高だが、売上高は足踏みではないか」と指摘した鷲尾議員に坂井副大臣は、「売上高は2012年度から2年間で5.3%増えている。足踏みではない」と答弁した。鷲尾議員は、「利益の上昇率から見れば、売上高の上昇率は横ばいでだいぶ違うトレンドだ。景気の実感を見るならば売上高に注目していかないと間違った認識になる」と述べた。

 国民の租税抵抗については、「行政の非効率性などが取りざたされる世論が形成され、そのことが国民の痛税感や租税抵抗につながっていると思う。身を切る改革ができていないから増税への抵抗感が強いと考えているのか。租税抵抗を和らげるには何が必要か」と質問。麻生大臣は、「納税者の納得を得られるかが重要。予算の効率化、無駄の削減、公務員総人件費の抑制などを行なって国民の納得を得ていく。今回の増税は、間違いなく社会保障に充てる。それを理解をしてもらえるよう説明をしていく」などと答えた。

 軽減税率については、「われわれは軽減税率には反対だ。給付付き税額控除の方がいい」と述べた上で、「痛税感の緩和が軽減税率導入の趣旨になっているが、政策目標はどういうものか」と質問。坂井副大臣は、「低所得者の痛税感を和らげるもの」と答弁した。鷲尾議員は、「本来は、税金を上げることで行政サービスが良くなり、給付も増え、身の回りの問題も解決していく。そういう世界を作らなければいけない。1兆円で痛税感の緩和と言われても、よく分からないという国民はたくさんいる。考え直してもらいたい」と述べた。

「マイナス金利政策」「身を切る改革」「軽減税率」などについてただす鷲尾英一郎議員

「マイナス金利政策」「身を切る改革」「軽減税率」などについてただす鷲尾英一郎議員