AIの急速な発展やフィンテック分野での著しい進化などを背景に第4次産業革命がさまざまな分野で変革をもたらしています。加速する変革に日本が後れをとらないために民進党は全力を尽くします。

 IT全盛時代に突入した21世紀。当面の技術革新の焦点はIoT、ビッグデータ、AI、ロボット等です。

 最近では「シンギュラリティ」に関心が集まっています。シンギュラリティとはコンピュータの知能が人間を超え、それに伴って発生する大変革を意味します。日本語では「技術的特異点」と訳されていますが、AIの急速な進歩によってシンギュラリティは現実味を増しています。シンギュラリティ後の世界はどうなるのか。産業はどのように変わるのか。雇用や生活はどのような影響を受けるのか。政策課題は尽きません。

 2013年、オックスフォード大学が「米国労働市場における仕事の47%がAIもしくはロボットに置換可能である」との推計結果を発表し、衝撃が走りました。15年、日本の証券系シンクタンクがオックスフォード大学の推計方法を用いて日本の労働市場について分析したところ、置換可能率は50%と推計されました。

 推計を裏付けるように、AIの急速な発展に伴いスマート工場、IoT等が労働市場やライフスタイルに影響を与えています。

 本格的な高齢社会、人口減少社会に突入した日本。ものづくりの現場にとどまらず、サービスや社会保障の現場でも人手不足が深刻化しています。特に医療・介護分野では、人手不足のみならず、過重労働負担の軽減も喫緊の課題ですが、こうした課題に対しても、AIやロボットが既に現実的な影響と成果を挙げつつあります。

 さらに近年、フィンテック分野で著しい進化が進んでいます。フィンテックは「ファイナンス」と「テクノロジー」の合成語。金融サービスとITを組み合わせた新たなビジネスや技術の動きを総称する造語です。

 特に決済ビジネス(例えばスマホ決済)に関する動きが加速、進化しているだけでなく、国際競争が熾烈(しれつ)になっています。日本にも中国や米国の決済ビジネスが上陸し、金融再編等、さまざまなかたちで影響を与えています。さらに、フィンテックはサイバーセキュリティとも密接に関連します。

 今後、消費市場や生産現場ではますますミレニアル世代(1980年代以降、2000年代までに生まれた世代)の割合が高まります。IoT、ビッグデータ、AI、ロボット、フィンテック等に抵抗感のない世代が社会の中心になることで、産業、サービス、社会保障、あらゆる分野で変化が加速します。

 そうした変化に後れがちな日本の法制、政策体系を、民進党は的確かつ迅速に調整していくために全力を尽くします。

(民進プレス改題29号 2017年9月15日号1面より)

民進プレス電子版のお知らせ: