民進党は、議員立法や政府案への対案作成など、政策面での対応を機能的かつ効率的に行うため、対応する衆参両院の委員会を4部会に集約する体制を取っている。各部会の状況と、重要議案を解説する。

第四部会

 第四部会は、衆参両院の内閣、消費者特、災害対策特、震災復興特、拉致特、及び衆院の科学技術特の各委員会を所管している。

部会長 金子 恵美(かねこ・えみ) 衆院議員 福島1区・当選2回

部会長 金子 恵美(かねこ・えみ) 衆院議員 福島1区・当選2回

 第四部会長の金子恵美です。私の地元、福島県は東日本大震災・原発事故からの復興が最大の課題です。震災から7年が経ち、復興は前進した面もありますが、これからという課題も多くあります。第四部会では震災復興も所管しており、議員立法で「復興加速4法案」を提出しました。「福島第2原発廃炉法案」も提出予定です。部会長として、被災地選出議員として、今後も積極的に被災地の復興に取り組んでまいります。

副部会長 相原 久美子(あいはら・くみこ) 参院議員 比例代表・当選2回

副部会長 相原 久美子(あいはら・くみこ) 参院議員 比例代表・当選2回

 第四部会の担当の一つである内閣委員会所管は、子ども・子育て支援や障害者政策、男女共同参画といった私たちの暮らしに直結する政策から、宇宙開発、海洋、IT関連、そして交通安全をはじめとする警察関連、報道で話題のカジノや国家戦略特区等々、取り扱う政策分野は実に幅広です。

 私は現在、内閣委員会に所属していますが、部会での議論を委員会の審議充実につなげるべく、実りある部会運営に努めます!

重要議案の解説

議員立法「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」

 政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%とすることを目指しているが、衆院の女性議員割合は10・1%で、列国議会同盟によると193カ国中159位と下位に位置している(3月1日現在)。

 こうした現状を踏まえ、本法案は、政治分野における男女共同参画が、国・地方における政策の立案と決定に多様な国民の意見が的確に反映されるため一層重要であることから、各種議会選挙において、政党等の政治活動の自由を確保しつつ、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す等の基本原則を定め、国及び地方公共団体に対し必要な施策の策定と実施、政党等に男女それぞれの候補者数目標を定める等に努めるよう責務を規定するものである。

議員立法「復興加速4法案」

 東日本大震災により多大なる被害を受けた被災地の復興・復旧については、国・地方公共団体や全国の方々の支援・活動があるものの道半ばであるのが現状である。今後、地域コミュニティ・住まい・商店街等の再生、経済・雇用維持、住宅再建等の加速のための被災者生活支援金の増額、発災直後の復興につながる用地問題解決の迅速化、風評被害対策、心のケアなどの諸課題を解決していかなければならない。

 民進党は、被災地の復興を加速させるため、他の野党とともに、いわゆる「復興加速4法案」を3月8日に国会に再提出した。具体的な内容は以下の通り。

・被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案

 被災者生活再建支援金のうち、加算支援金の最高額300万円を500万円に引き上げる等。

・災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案

 災害関連死の判断について、国として一定の基準を設けて市町村が認定していく仕組みを構築する等。

・東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案

 相続登記未了、所有者不明等の用地等について、手続き中であっても、円滑に復旧・復興事業に着手できるよう、権利取得・土地利用開始を可能とする制度を創設する等。

・東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑化に関する法律案

 津波被害等で使うことができなくなった土地の処分を円滑に行うために民法等の特例を設ける等。

政府提出「特定複合観光施設区域整備法案(仮称)」(IR実施法案)

 日本では、カジノ行為等は刑法第 185条の賭博罪等にあたり違法であることから、カジノを設置・運営するには、各種の公営競技と同様に法律の制定により刑法第35条の法令による正当行為と位置付け、違法性を阻却する必要がある。

 そのため、与党などは一昨年、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)」を提出・成立させた。ただしこれはプログラム法である「推進法案」であり、この法律制定後1年を目途に、政府が実施法を策定して国会に提出することとなっていることから、現在、政府は「IR実施法案」の国会提出へ向け検討を進めている。

 IR推進法の審議の際は、わが国にカジノ施設を設置することの是非、カジノ規制と違法性の阻却の問題、カジノ施設の設置による経済効果と社会に対する影響、ギャンブル依存症の予防策及び依存症患者への対策、カジノ施設の設置者及び運営者を民間事業者に限定した理由、マネー・ローンダリング対策、カジノ設置周辺地域の治安悪化の懸念などの多くの論点があり、また国民的議論も沸き起こったが、衆院では、わずか5時間程しか委員会質疑は行われなかったことから民進党は反対した。

 今後、「IR実施法案」が国会に提出された際には、民進党は本法案の抱えるさまざまな論点について一つずつしっかりと検討の上、対応していきたい。

政府提出「消費者契約法の一部を改正する法律案」

 消費者契約法は、消費者を悪質な勧誘や不当な契約から守ることを目的とし、不当な勧誘による契約の取り消し、不当な契約条項の無効について定める、消費者契約に関する包括的な民事ルールである。改正案では、今国会で成人年齢を引き下げる民法改正案が提出されていることを踏まえた内容となっている。

 主な改正点は、(1)就活セミナーやタレント養成、エステ等の契約のトラブルにみられる「不安をあおる告知」やデート商法にみられる「人間関係の乱用」、消費者が求めていないにもかかわらず業者がサービスを事前に提供した場合といった「契約締結前の内容の実施」について、一定の要件を満たせば「不当な勧誘」として取り消しを可能とする(2)「当社が過失を認めた場合に限り、当社は損害賠償責任を負う」といった、事業者が自らの責任の有無等及び消費者の解除権の有無を決定する権限を付与する場合は、「不当な契約条項」に該当し無効とする――などである。

議案一覧(見込みも含む)第四部会

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(民進プレス改題36号 2018年4月20日号7面より)

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