団塊の世代が75歳に到達する2025年を控え、日本の医療・介護制度は転換点にあります。全世代が安心して医療を受けられ、幸せな老後が過ごせる社会を民進党は目指します。

 国民皆保険は世界に誇る日本の医療制度。1961年にスタートし、高度成長と人口増加の下では順調に推移してきました。

 しかし、90年代以降の少子高齢化や核家族化は、日本の医療制度に大きな変化をもたらしました。慢性期医療が必要な高齢者が病院に長期間入院する「社会的入院」が激増。また、介護が必要な高齢者を自宅で家族が支えることも容易ではなくなりました。

 低成長下で税収が伸び悩む中、医療を含む社会保障費の増加は、財政問題も深刻化させました。そうした状況に対応し、2000年から介護保険制度がスタート。しかし、その介護保険制度も高齢者、要介護者の増加のため、相次ぐ保険料の引き上げ、介護サービス利用者の絞り込み等の問題に直面しています。団塊の世代が75歳に到達する25年を控え、08年から後期高齢者医療制度、15年から地域医療構想も始まりました。

 今国会では、病院の療養型病床を分離し、新たに「介護医療院」を創設する法案が審議中です。成立すれば18年から「介護医療院」がスタートすることになり、日本の医療・介護制度は、病院、介護医療院、介護施設という3つの受け皿で支えられる体制になります。

 この間、民主党政権下の12年から地域包括ケアシステムが導入されました。医療・介護・予防・住宅・生活支援の5つのサービスを、中学校区ぐらいの単位で適切に供給できる地域社会、医療・介護ネットワークを構築していこうという取り組みです。

 地域包括ケアシステムの成功のためには、医師・歯科医師・看護師・介護士・ケアマネ等、さまざまな職種の医療・介護関係の連携と協力が不可欠です。さらには、その前提として、医療や介護が抱えているさまざまな問題を、政治と行政が的確に改善、解決していかなくてはなりません。来年の診療報酬、介護報酬の同時改定を控え、民進党は、財政全体の健全化と効率化を図ることで、社会保障財源を確保すると同時に、医療における控除対象外消費税問題等、さまざまな課題に適切に対処していきます。

 医療・介護人材の養成・確保、地域包括ケアシステムと地域医療計画の連携、総合診療医の育成、母子医療の拡充、現役世代の健康管理、高度先端医療の推進、手術・介護ロボット等ITの利活用、その他の課題も枚挙にいとまがありません。

 全世代が安心して医療を受けられる社会、豊かで幸せな老後を過ごせる社会、医療・介護関係者が働きがいと充実感を得られる社会。それが民進党が目指す日本の未来です。

(民進プレス改題24号 2017年4月21日号より)

関連記事1

関連記事2

関連記事3

民進プレス電子版のお知らせ: